単身赴任者が帰宅交通費で節税する方法 | サラリーマンの特定支出控除-5

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、特定支出控除を受ける具体例として単身赴任者が帰宅交通費で節税する場合について説明したいと思います。

 

 

特定支出控除とは

特定支出控除とは、サラリーマンなど給与所得者の方が仕事に関係する特定の支払い(特定支出)をした場合、その支払額が一定の金額を超えたときにその超えた部分の金額について、確定申告をすることで給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度のことをいいます。

何が特定支出控除の対象になるのかについてはこちら
スーツ代など対象になる特定支出とは | サラリーマンの特定支出控除-1
特定支出控除の下限額と上限額についてはこちら
年収によって変わる特定支出控除の計算方法 | サラリーマンの特定支出控除-2
特定支出控除の手続きについてはこちら
特定支出控除のやり方 | サラリーマンの特定支出控除-3
特定支出控除の注意するポイントについてはこちら
特定支出控除の注意点 | サラリーマンの特定支出控除-4
単身赴任者が交通費で特定支出控除を受ける場合の具体例についてはこちら
単身赴任者が帰宅交通費で節税する方法 | サラリーマンの特定支出控除-5

 

 

特定支出になる単身赴任者の帰宅旅費

転任によって次のどちらかの場合に当てはまることになったサラリーマン(単身赴任者)が、

  • 生計を一にする(同じお財布で生活している)配偶者との別居が日常になった場合
  • 配偶者と死別・離婚した後に婚姻していない方と配偶者の生死が明らかでない人が、次の人との別居が日常になった場合
  1. 生計を一にする所得金額の合計額が 38万円以下である子
  2. 生計を一にする特別障害者である子

単身赴任先である勤務地と配偶者などが生活している家との間を移動するための交通費のうち一定の条件に当てはまる支出(帰宅旅費といいます)は、特定支出控除の対象になります。

 

 

帰宅旅費

単身赴任者の帰宅交通費のうち、次の条件を”すべて満たす”交通費が帰宅旅費として特定支出控除の対象になります。

  • 単身赴任者の交通費である(配偶者など家族の交通費は対象外です)
  • 単身赴任者の勤務地と生計を一にする配偶者などが生活する家との間の移動にかかる交通費である
  • 運賃、時間、距離その他の事情に照らして、もっとも経済的で合理的な経路・交通手段による運賃・料金である
  • 実際に支払った金額が対象になる(割引などがあった場合は正規料金ではなく割引後の金額が対象になります)
  • 1ヶ月に4往復(片道8回)以内の交通費である
  • 自己負担した交通費である(会社が負担してくれる交通費は対象外です)
  • 勤務先が証明した「特定支出(帰宅旅費)に関する証明」がある
  • 領収書など交通費を支出したことを証明するものがある
  • 交通機関が証明した「搭乗・乗車・乗船に関する証明書」がある

 

 

特定支出(帰宅旅費)に関する証明

帰宅旅費について特定支出控除を受ける場合は、勤務先に「特定支出(帰宅旅費)に関する証明の依頼書」を提出して、「特定支出(帰宅旅費)に関する証明書」の交付を受けて、それを確定申告書に添付する必要があります。

「特定支出(帰宅旅費)に関する証明の依頼書」の様式は国税庁のホームページにあります。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/871222/05.pdf

 

 

搭乗・乗車・乗船に関する証明書

帰宅旅費について特定支出控除を受ける場合は、領収書などだけではなく「搭乗・乗車・乗船に関する証明書」も必要になります。

搭乗券・乗車券・乗船券などとともに、「搭乗・乗車・乗船に関する証明の依頼書」を搭乗する際の空港の各会社のカウンター、乗車した列車の車掌、降車駅の精算所などに提出して、「搭乗・乗車・乗船に関する証明書」の交付を受けて、それを確定申告書に添付する必要があります。

ただし、鉄道、船舶又は自動車を利用した場合で、ひとつの交通機関の利用にかかる運賃・料金の合計が1万5千円未満のときは、この証明を受ける必要はありません。

「搭乗・乗車・乗船に関する証明の依頼書」の様式は国税庁のホームページにあります。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/871222/09.pdf

 

 

確定申告

帰宅旅費の特定支出控除を受けるためには、税務署に確定申告書を提出する必要があります。

確定申告書には、次のものを添付します。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 給与所得者の特定支出に関する明細書
  • 給与等の支払者の証明書
  • 搭乗・乗車・乗船に関する証明書
  • 領収書等

確定申告についてはこちらを参照ください。
特定支出控除のやり方 | サラリーマンの特定支出控除-3

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。