会社設立の手続き-定款-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区を中心とした東京23区の起業家様の会社設立を支援してきた経験から、会社を設立するときのポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立時の定款作成の注意点として、株式の譲渡制限について説明します。

 

 

株式の譲渡を制限するのがおすすめです

本来、株式会社の株主が持っている株式を譲渡することは自由です。しかし株式を自由に譲渡できるとなると、会社にとって好ましくない人物が株主になってしまう可能性があります。最悪の場合、株式を買い占められて会社を乗っ取られてしまうかもしれません。

「家族や親しい仲間内だけが株主になって会社を設立するから大丈夫」と思われる方もいると思います。株主が皆仲良く時が過ぎていくことに越したことはありませんが、将来どうなるかは誰にも分かりません。仲良くしていても、だまされて良からぬ人物に株式が渡ってしまう恐れもあります。

そのような事態になるのを防ぐためにも、会社を設立する段階で株式の譲渡を制限することをおすすめします。株式の譲渡を制限するためには、定款にその旨を記載すればOKです。

 

 

株式譲渡制限会社とは

定款において、全部の株式についてその譲渡を制限している会社のことを株式譲渡制限会社といいます。この株式譲渡制限会社には下記のようなメリットがあります。

 

① 取締役会を設置しなくてもいい
株式譲渡制限会社でない場合は、取締役会を設置することが義務付けられています。取締役会を設置するためには、取締役が3名以上必要になります。
対して、株式譲渡制限会社の場合は、取締役会を設置しなくてもよくなります。取締役会を設置しなくていいので、取締役は1名以上いればいいのです。

 

② 取締役の任期を延長することができる
取締役の任期は2年が原則ですが、株式譲渡制限会社の場合は、任期を10年まで延長することができます。

 

③ 取締役の資格を株主に限定することができる
株式譲渡制限会社の場合は、取締役の資格を株主に限定することができます。

 

 

株式譲渡制限するための会社設立時の定款の記載例

会社を設立する際に、株式の譲渡を制限する場合の定款の記載例については、下記を参考にしてください。

 

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない。

取締役会を設けない会社の場合は、「取締役会」の代わりに「株主総会」または「代表取締役」と記載してください。

 

(相続人等に対する株式の売渡請求)
第○条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対して、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。

定款で株式の譲渡を制限している場合であっても、株主であった被相続人から、相続人がその株式を相続するのに、取締役会などの承認は必要としません。そのため相続人が会社にとって好ましくない人物の場合は、困ってしまいますね。

このような事態を防ぐために、定款で上記のように定めておけば、相続人に対して相続した株式を会社に売り渡すように請求することができるようになります。

 

 

おわりに

会社設立における定款については下記のページも参考にしてみてください。

会社設立の手続き-定款-1-定款とは?
会社設立の手続き-定款-2-定款の記載例
会社設立の手続き-定款-3-公証人の前に法務局で定款をチェックしてもらう
会社設立の手続き-定款-4-定款を製本する
会社設立の手続き-定款-5-定款の認証

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、株式会社など法人の設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとして支援させて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。