はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
公認会計士・税理士として、東京で活動なさっているタレントやモデルの皆様を支援してきた経験から、タレント・モデル業を行っている方々の税金や確定申告について解説したいと思います。
今回は、専業や副業にかかわらずタレントやモデル ( 読モ、読者モデルの方も含みます ) のお仕事をしている方で、確定申告をする場合の必要経費や所得 ( 儲け ) の計算方法について説明したいと思います。
タレント・モデルの確定申告
確定申告とは、税金の金額を自ら計算を行い 「 確定 」 して、税務署に 「 申告 」 して税金を納めることをいいます。
専業でタレント・モデルのお仕事をなさっている方や、
会社勤めや学生の方など副業でタレント・モデルのお仕事をなさっている方で、
1月1日から12月31日の1年間に、所得 ( 儲け ) が一定の金額以上あった方は、確定申告をして税金を納めなければなりません。
下記ページも合わせて参照ください。
タレント・モデル業をしている方のうち、確定申告をしなければならない方については、
「 タレント・モデルの確定申告と税金 | 確定申告する必要がある方 」
タレント・モデル業をしている方が受け取る報酬から天引きされている税金については、
「 タレント・モデルの確定申告と税金 | 源泉徴収 」
タレント・モデル業の所得金額
タレント・モデル業の確定申告において、納める税金の額を計算するときの基準になる金額は、タレント・モデル業で得た所得金額です。
所得金額とは、税金計算上の儲けや利益のことをいいます。儲けを得るためには色々な経費がかかります。
タレント・モデル業の所得金額は、タレント・モデル業で得た報酬から、タレント・モデル業で報酬を得るために費やした必要経費を差し引いて計算します。
タレント・モデル業で得た報酬だけを使って税金を計算するのではないのでご注意ください。
タレント・モデル業の必要経費
タレント・モデル業の所得金額は下記のように計算します。
報酬 - 必要経費 = 所得金額
この計算式が示すように、
必要経費が小さければ、所得金額が大きくなって、税金も増えます。
必要経費が大きければ、所得金額が小さくなって、節税になります。
よって、タレント・モデル業の必要経費として、たくさん計上することができれば、その分だけ所得金額が小さくなり、節税することができます。
しかし節税になるからといって、タレント・モデル業とは直接的には関係しない私的な支出まで、なんでもかんでも必要経費にしてしまうことは、税務署も認めてくれません。何がタレント・モデル業の必要経費になるのか、ならないのかの区別は大変難しく、同じ経費であっても税務調査における税務署の調査官によって認めてくれたり認めてくれなかったりします。
タレント・モデル業の経費は大きく次の2つに分けることができます。
① タレント・モデル業の報酬をもらうために直接的にかかった支出(報酬と支出を明確にひも付けられるもの)
② タレント・モデル業の報酬をもらうために、間接的にかかった支出(報酬と支出の関係があいまいなもの)
確定申告における必要経費として認められるものは①の支出になります。
もう少し言うと、
自分自身が①の支出であると思うかどうかではなく、
税務署を含む世間一般、他の平均的な同業者が①の支出であると思うものが、
必要経費として認められるのです。
タレント・モデル業の必要経費の具体例
タレント・モデルとしての活動内容や報酬水準などによって、必要経費になるものはさまざまあると思いますが、一般的にタレント・モデル業の必要経費として認められそうな具体例を挙げてみます。
洋服代・衣装代・小物代
洋服代や衣装代、小物代などについては、面倒ですがレシートとともに、どれを、いつ、どの仕事で使ったかのかなどのメモを残しておくと、税務調査において納得感のある説明ができると思います。
仕事のみでしか着ることができないような特殊な衣装やコスチュームなどは全額経費にできると思います。
普段着としても着ることができるような洋服の場合は、全額を経費にすることは難しいです。洋服代のうち、仕事で使った分だけを経費にすることになります(例えば代金の20%~50%などを経費として按分することになります)。
美容室代・エステ代・ネイル代・化粧品代
美容室代やエステ代、ネイル代、化粧品代といった費用については、仕事に直接関係するものについてのみが経費にすることができます。
例えば、仕事に合わせて髪をセットして、仕事が終わったらもとに戻す場合などは全額経費になるでしょう。撮影専用のメイク代なども大丈夫だと思います。
ヘアカットやエステ、ネイル、化粧品など仕事が終わった後もその効果が持続する場合などは、全額を経費にすることは難しいので、例えば代金の半分だけを経費にするなどが考えられます。
飲食費
タレント・モデル業の仕事を受注するため、仕事関係者との関係を強化するためなど、仕事目的であることが明確に説明することができる場合は、交際費として経費にすることができます。
仕事との関係が不明瞭な、例えば仕事仲間との単なる食事代、友達とのお茶代などは経費にはなりません。
税理士料金
タレント・モデル業について、税理士に支払う毎月の顧問料や確定申告料金などは全額経費にすることができます。
顧問税理士を雇っているタレントやモデルの方は、昔に比べて非常に増えています。自分を宣伝するようで恐縮ですが、税理士は税金や確定申告だけでなく、ビジネスやお金の相談にものってくれる身近な専門家です。さらなる活躍に向けて、あなたの右腕になってくれる税理士を探してみてはいかがでしょうか。
その他
その他にも、タレント・モデル業の報酬を得るために直接関係する支出は必要経費にすることができます。
- 撮影現場やオーディション会場への交通費
- 宣材写真の撮影代
- レッスン・教室代
プライベートな支出との区分が曖昧なものについては、按分比率を決めて(実情に合わせて、例えば支出のうち仕事分を30%、プライベート分を70%と決める)、支出を仕事にかかる分とプラーベート分に按分して、仕事にかかる分のみを経費にします。
- 携帯代
- 雑誌代
- 自宅家賃
- 自宅水道光熱費
おわりに
専業や副業にかかわらずタレントやモデルのお仕事をしているけど確定申告をしていない方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたのご活躍のお手伝いをさせて頂きます。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。
東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。