消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

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今回は、消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理について説明したいと思います。

逆に、
消費税の免税事業者から課税事業者になったときについてはこちら
消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

 

 

課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の問題

次のような例を考えてみてください。

 

会社設立して10期目、小売業を営んでいる乙社は、消費税の課税事業者として、消費税を納めていました。

課税期間における課税売上高が1,000万円以下になってしまったため、
(前期である9期の消費税抜きの売上高が1,000万円以下になってしまったため、)

来期11期は、消費税の免税事業者になります。

 

ところで乙社は、
当期の10期に商品Bを仕入れて、
来期の11期にその商品Bを販売することを考えています。

消費税の課税事業者である当期10期には、商品Bについての仕入税額控除を行う予定です。

消費税の免税事業者になる来期11期に、10期に仕入れた商品Bを販売した場合、免税事業者であるため、商品Bの販売について顧客から預かった消費税については、納めなくていいことになります。

 

このように、
仕入れについては、消費税の仕入税額控除を行ったのに、
販売については、預かった消費税を納めなくていいとなると、
消費税のバランスがとれなくなってしまい問題になります。

そこで、消費税法では次のように定められています。

 

 

課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

消費税の課税事業者が、消費税の免税事業者となった場合、

消費税の課税事業者であった課税期間の最終日時点で持っている棚卸資産のうち、課税期間において仕入れた棚卸資産に係る消費税は、
その課税期間の課税仕入れ等の税額の対象にすることはできません。

つまり上記の乙社の例では、
10期に仕入れた商品Bのうち、10期に販売せずに10期末の時点で在庫・棚卸資産として残っている商品Bについては、
10期における仕入税額控除の対象にはならないことになります。

 

 

おわりに

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。