納めるべき消費税の金額を計算するもとになる課税標準とは-売上にかかる消費税

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、納めるべき消費税の金額を計算するもとになる課税標準と売上にかかる消費税について説明したいと思います。

 

消費税の課税標準額とは

消費税の課税標準とは、納めるべき消費税の金額を計算する際の基礎となる金額のことをいいます。

そして、この課税標準を合計したものを課税標準額といいます。

 

日本国内の取引の場合は、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準になります。

課税資産の譲渡等の対価の額とは、資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供の対価として受け取る金額、受け取るべき金額のことをいいます。お金以外の権利や経済的利益を受け取る場合も含まれます。

課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税やたばこ税などの個別消費税は含まれますが、消費税と地方消費税は含めません。

おおざっぱに言うと、課税取引の売上高の税抜き額が課税標準額になります。

 

輸入取引の場合は、
関税課税価格(CIF)+個別消費税+関税=課税標準
になります。

 

売上にかかる消費税とは

納めるべき消費税の金額は、預かった消費税(売上にかかる消費税)から支払った消費税(仕入れにかかる消費税)を差し引いた残額になります。

売上にかかる消費税を計算するためには、
まずは売上を、消費税がかかる課税取引、消費税がかからない免税取引、非課税取引、不課税取引に分けます。
その次に課税取引となる売上を集計して、売上にかかる消費税を計算します。

この売上にかかる消費税を計算するのに、課税標準額を使うのです。

 

売上にかかる消費税の計算方法

まずは課税標準額を計算します。

税率は消費税+地方消費税の税率です。

会計帳簿をつけるときに税抜きで処理している場合
課税標準額 = ( 課税取引の売上高の合計+仮受消費税 ) × 1 / ( 1 + 税率 )

会計帳簿をつけるときに税込みで処理している場合
課税標準額 = 課税取引の売上高の合計 × 1 / ( 1 + 税率 )

次に、課税標準額に税率を乗じます
売上にかかる消費税 = 課税標準額 × 税率

 

消費税の課税売上高と課税標準額の違い

消費税の課税売上高と課税標準額の違いは、免税取引(輸出取引等)の取り扱いが異なります。

課税標準額には免税取引を含めません。課税標準額は、納めるべき消費税の金額を計算する際に使います。

対して課税売上高には免税取引を含めます。課税売上高は消費税の課税事業者になるか免税事業者になるかの判定や、課税売上割合の計算に使います。

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。フリーランス・個人事業主として新規に開業したら、起業や法人成りで株式会社などの法人を設立したら、税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。