執行役員の税務上の取り扱い| 執行役員と税金

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区のベンチャー企業や若い企業を支援してきた経験から、株式会社などの法人が納める税金や節税について解説します。

今回は、執行役員に支払う給与(報酬給料賞与ボーナス等)などの税務上の取り扱いについて説明したいと思います。

執行役員とは何か、執行役員と取締役の違いなどについては下記ページを参照ください。
執行役員とは? 取締役との違い | 執行役員と税金

 

 

執行役員は税務上の役員になるか

税金逃れを防止するために、法人税などの税務においては役員に支払う給与が厳しく制限されています。

役員給与の制限については下記ページを参照ください。
原則損金になりません | 役員給与(報酬給料賞与ボーナス等) | 法人税

この制限を不当に回避することを防ぐために、税務上の役員は会社法などにおける役員よりも対象が広くなっています。

 

取締役と異なり、執行役員は会社法などにおける役員には該当しません。
そこで、執行役員が税務上の役員、いわゆる 「 みなし役員 」 に該当するかが問題になります。

法人税法上の役員の範囲、みなし役員については下記ページを参照ください。
法人税法上の役員の範囲 | 役員給与(報酬給料賞与ボーナス等) | 法人税

 

 

執行役員が税務上の役員になるかどうかの判定

取締役会を設置している会社においては、取締役会で重要な経営の意思決定を行い、その決定にもとづいて代表取締役が業務の執行を行います。
執行役員は代表取締役の下で業務執行を行うことになりますが、取締役ではないので取締役会での重要な経営の意思決定には参加しません。

 

そのため、基本的には執行役員は税務上の役員には該当しないことになります。

 

しかし、執行役員であっても会社経営の重要な意思決定に参加している場合は、「みなし役員」として税務上は役員とみなされてしまうので注意してください。なお、取締役会において形式的には議決権がないとしても、実質的に経営意思決定に参加している、経営意思決定に強い影響力を持っているなどの場合も「みなし役員」になります。

取締役が執行役員を兼務している場合は、当然ですが税務上も役員になります。

 

 

執行役員が税務上の役員にならない場合

執行役員が税務上の役員にならない ( 取締役兼務ではない、みなし役員にも該当しない ) 場合、執行役員に支払う報酬、給料、賞与、ボーナスなどは、従業員に支払うものと同様に全て会社の損金 ( 法人税などを計算するうえで経費として認められるもの ) にすることができます。

 

 

執行役員が税務上の役員になる場合

執行役員が税務上の役員なる ( 取締役と兼務している、みなし役員に該当する ) 場合、執行役員に支払う報酬、給料、賞与、ボーナスなどは原則として会社の損金にすることができません。

例外として、定期同額給与や事前確定届出確定給与などは会社の損金にすることができます。詳細は下記ページを参照ください。
損金にできる場合 | 役員給与(報酬給料賞与ボーナス等) | 法人税

 

 

おわりに

執行役員に支払う給与は、原則として他の従業員と同様に会社の損金になりますが、経営に参加するなどで税務上の役員に該当する場合は損金にすることが制限されるのでご注意ください。

 

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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。