公益法人会計基準の全文 | 公益法人会計基準-2

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区の公益法人や一般法人を支援している公認会計士・税理士が社団法人・財団法人の税金について解説します。

今回は、公益会計基準の全文をご紹介します。それほど文字数は多くないため、この全文にざっと目を通して頂くと公益法人会計基準の理解が深まると思います。

 

 

公益法人会計基準

 

第1 総則

 

1 目的及び適用範囲

この会計基準は、公益法人の財務諸表及び附属明細書並びに財産目録の作成の基準を定め、公益法人の健全なる運営に資することを目的とする。

 

2 一般原則

公益法人は、次に掲げる原則に従って、財務諸表 ( 貸借対照表、正味財産増減計算書及びキャッシュ・フロー計算書をいう。以下同じ。 ) 及び附属明細書並びに財産目録を作成しなければならない。

  1. 財務諸表は、資産、負債及び正味財産の状態並びに正味財産増減の状況に関する真実な内容を明りょうに表示するものでなければならない。
  2. 財務諸表は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳された会計帳簿に基づいて作成しなければならない。
  3. 会計処理の原則及び手続並びに財務諸表の表示方法は、毎事業年度これを継続して適用し、みだりに変更してはならない。
  4. 重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに財務諸表の表示方法の適用に際して、本来の厳密な方法によらず、他の簡便な方法によることができる。

 

3 事業年度

公益法人の事業年度は、定款で定められた期間によるものとする。

 

4 会計区分

公益法人は、法令の要請等により、必要と認めた場合には会計区分を設けなければならない。

 

第2 貸借対照表

 

1 貸借対照表の内容

貸借対照表は、当該事業年度末現在におけるすべての資産、負債及び正味財産の状態を明りょうに表示するものでなければならない。

 

2 貸借対照表の区分

貸借対照表は、資産の部、負債の部及び正味財産の部に分かち、更に資産の部を流動資産及び固定資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に、正味財産の部を指定正味財産及び一般正味財産に区分しなければならない。なお、正味財産の部には、指定正味財産及び一般正味財産のそれぞれについて、基本財産への充当額及び特定資産への充当額を内書きとして記載するものとする。

 

3 資産の貸借対照表価額

  1. 資産の貸借対照表価額は、原則として、当該資産の取得価額を基礎として計上しなければならない。交換、受贈等によって取得した資産の取得価額は、その取得時における公正な評価額とする。
  2. 受取手形、未収金、貸付金等の債権については、取得価額から貸倒引当金を控除した額をもって貸借対照表価額とする。
  3. 満期まで所有する意思をもって保有する社債その他の債券 ( 以下「満期保有目的の債券」という。 ) 並びに子会社株式及び関連会社株式については、取得価額をもって貸借対照表価額とする。満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とする。
  4. 棚卸資産については、取得価額をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得価額よりも下落した場合には、時価をもって貸借対照表価額とする。
  5. 有形固定資産及び無形固定資産については、その取得価額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。
  6. 資産の時価が著しく下落したときは、回復の見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。ただし、有形固定資産及び無形固定資産について使用価値が時価を超える場合、取得価額から減価償却累計額を控除した価額を超えない限りにおいて使用価値をもって貸借対照表価額とすることができる。

 

第3 正味財産増減計算書

 

1 正味財産増減計算書の内容

正味財産増減計算書は、当該事業年度における正味財産のすべての増減内容を明りょうに表示するものでなければならない。

 

2 正味財産増減計算書の区分

正味財産増減計算書は、一般正味財産増減の部及び指定正味財産増減の部に分かち、更に一般正味財産増減の部を経常増減の部及び経常外増減の部に区分するものとする。

 

3 正味財産増減計算書の構成

一般正味財産増減の部は、経常収益及び経常費用を記載して当期経常増減額を表示し、これに経常外増減に属する項目を加減して当期一般正味財産増減額を表示するとともに、更にこれに一般正味財産期首残高を加算して一般正味財産期末残高を表示しなければならない。
指定正味財産増減の部は、指定正味財産増減額を発生原因別に表示し、これに指定正味財産期首残高を加算して指定正味財産期末残高を表示しなければならない。

 

第4 キャッシュ・フロー計算書

 

1 キャッシュ・フロー計算書の内容

キャッシュ・フロー計算書は、当該事業年度におけるすべてのキャッシュ・フローの状況を明りょうに表示するものでなければならない。

 

2 キャッシュ・フロー計算書の区分

キャッシュ・フロー計算書は、当該事業年度におけるキャッシュ・フローの状況について、事業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローに区分して記載するものとする。

 

3 キャッシュ・フロー計算書の資金の範囲

キャッシュ・フロー計算書には、当該事業年度における現金及び現金同等物に係る収入及び支出を記載しなければならない。

 

第5 財務諸表の注記

 

財務諸表には、次の事項を注記しなければならない。

  1. 継続事業の前提に関する注記
  2. 資産の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準等財務諸表の作成に関する重要な会計方針
  3. 重要な会計方針を変更したときは、その旨、変更の理由及び当該変更による影響額
  4. 基本財産及び特定資産の増減額及びその残高
  5. 基本財産及び特定資産の財源等の内訳
  6. 担保に供している資産
  7. 固定資産について減価償却累計額を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高
  8. 債権について貸倒引当金を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該債権の債権金額、貸倒引当金の当期末残高及び当該債権の当期末残高
  9. 保証債務(債務の保証を主たる目的事業とする公益法人の場合を除く。)等の偶発債務
  10. 満期保有目的の債券の内訳並びに帳簿価額、時価及び評価損益
  11. 補助金等の内訳並びに交付者、当期の増減額及び残高
  12. 基金及び代替基金の増減額及びその残高
  13. 指定正味財産から一般正味財産への振替額の内訳
  14. 関連当事者との取引の内容
  15. キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲及び重要な非資金取引
  16. 重要な後発事象
  17. その他公益法人の資産、負債及び正味財産の状態並びに正味財産増減の状況を明らかにするために必要な事項

 

第6 附属明細書

 

1 附属明細書の内容

附属明細書は、当該事業年度における貸借対照表及び正味財産増減計算書に係る事項を表示するものとする。

 

2 附属明細書の構成

附属明細書は、次に掲げる事項の他、貸借対照表及び正味財産増減計算書の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。

  1. 基本財産及び特定資産の明細
  2. 引当金の明細

なお、財務諸表の注記に記載している場合には、附属明細書においては、その旨の記載をもって内容の記載は省略することができる。

 

第7 財産目録

 

1 財産目録の内容

財産目録は、当該事業年度末現在におけるすべての資産及び負債につき、その名称、数量、使用目的、価額等を詳細に表示するものでなければならない。

 

2 財産目録の区分

財産目録は、貸借対照表の区分に準じ、資産の部と負債の部に分かち、正味財産の額を示さなければならない。

 

3 財産目録の価額

財産目録の価額は、貸借対照表記載の価額と同一とする。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、税理士をお探しの社団法人や公益法人の方がいらっしゃいましたら東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。公益法人の税務や内部統制に強い公認会計士・税理士が、貴法人の活動のお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。