はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
今回は、残業をしたときの食事代を必要経費、損金にして節税する方法を紹介します。
残業食事代で従業員の福利厚生に役立てるとともに節税しましょう。
残業時ではなく、例えばランチなどの従業員への食事代による節税については、従業員への食事代で節税を参照ください。
残業食事代
従業員等に食事を提供した場合、食事代の全額について提供した側であるフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になります。対して、提供された側である従業員等は現物給与とみなされて、税金 ( 所得税 ) がかかってしまいます。
しかし、残業した(通常の勤務時間を超えた)従業員等に食事を提供した場合、食事を提供された従業員等に税金(所得税)が課されることはありません。もちろん食事を提供したフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になることには変わりありません。
注意するポイント
節税として残業食事代をつかう場合、いくつか注意するべきポイントがあります。
出前やコンビニなどの弁当、ファーストフード、ファミリーレストラン、普通の飲食店など一般常識として残業食事代と考えられるも価格、場所、モノのが該当します。高級仕出し弁当やお酒がメインとなる居酒屋などはダメでしょう。
残業とは、職場で定められている勤務時間を超えた場合を指します。例えば18~26時が勤務時間のサービス業で22時に夜食を提供しても、勤務時間内なので残業食事代にはなりません。
食事の提供は、残業中だけでなく残業が終わったあとでもかまいません。しかし、残業後に飲み屋さんに行って飲食するのは、残業食事代の範囲を超えています。税務調査で交際費や給与にされてしまう可能性が高いです。
その職場で定められた勤務時間を超えているかどうかで判定するので、労働基準法による制限 ( 8時間、週40時間など ) は関係ありません。
あくまで食事の提供なので、個人事業主、会社側が食事を用意して提供しなくてはいけません。会社で弁当を手配したり、一緒に食べに行って支払いを行うことを言います。
食事手当として毎月の給料に上乗せしたり、残業の度に食事代として現金を渡すと、残業食事代ではなく給与とみなされて、受け取った側に税金(所得税)がかかってしまいます。
個人事業主、会社側が食事を用意できない場合は、従業員など本人が買った弁当、ファミリーレストランのレシートと交換で後日精算すれば良いでしょう。レシートは購入した品名や時間が刻印されているため、証拠能力は高いです。
個人事業主本人や会社役員の残業食事代はどうなるのか?
個人事業主本人や会社役員の残業食事代は、ケースバイケースで税務署により判断が分かれるところです。
個人事業主の本人のみ、1人株式会社の社長のみといった場合は認められないことが多いようです。従業員と一緒に残業中にお弁当を食べたり、残業後に食事をするというような場合は認めてくれるでしょう。
残業食事代の経理処理
勘定科目は福利厚生費などを使えばよいでしょう。他の経費と同様にレシートや領収書はしっかり保管しておいてください。また、残業したことを確認できるように、タイムカードや出勤簿も残しておく必要があります。
おわりに
残業食事代による節税は、簡単なようで注意するポイントが多くあります。実際の運用については税理士に相談するといいですよ。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。