5,000円以下の飲食費を交際費から外して節税(法人)

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、1人あたり5,000円以下の飲食費交際費から外して節税する方法について解説したいと思います。

 

交際費の制限

法人が支払った交際費は、原則として法人の損金になりません。資本金が1億円以下の法人については一定額だけ損金にすることが認められていますが上限があります。

法人の実効税率が35.64%だとします。
100万円の支払いが損金になれば、税金が35.64万円減ることになるので、実質的な支出は64.36万円で済むことになります。
100万円の支払いが損金にならないと、税金が減ることはないので、実質的な支出も100万円に変わりありません。
支払いが損金になるかならないかで、手もとに残るお金に大きな差がでます。

このため、本来なら交際費となるような支払いについて、交際費から外すことができれば、節税になって手もとにお金が多く残るのです。

 

1人あたり5,000円以下の飲食費

1人あたりの飲食費が5,000円以下のものは、交際費から外すことができます。ただし、交際費から外すためには下記事項を記載した書類を保存しなければなりません。

  1. 飲食した日付
  2. 飲食に参加した取引先や事業関係者などの名称・氏名、会社との関係性
  3. 飲食に参加した人数
  4. 費用の金額、飲食店の名称と所在地
  5. その他参考となるべき事項

1と4は領収書に記載があるので、2、3、4について領収書などに忘れずにメモ書きして保存するとともに、会計帳簿をつける際に摘要欄に書いておきましょう。

 

1人あたりの金額の計算方法

1人あたりの金額の計算は下記のように行います。

飲食費として支出した額 ÷ 飲食に参加した人数(社外+社内) = 1人あたりの金額

1人あたりの金額は、
税抜経理の場合、消費税は含めません。
税込経理の場合、消費税を含めます。

 

1人あたり5,000円以下の飲食費の注意ポイント

下記において「対象になる」とは、1人あたり5,000円以下の飲食費の対象となって交際費から外すことができることをいいます。
「対象外」とは、1人あたり5,000円以下の飲食費の対象にならないため交際費から外すことはできません。

社内飲食費といわれる役員や従業員、その家族だけの飲食費は5,000円以下でも対象外です。取引先など事業に関係ある外部の人が参加していないとダメです。

取引先など事業に関係ある外部の人が1人でも参加していれば対象になります。
社内飲食費を免れるために形式的に社外の人を参加させても対象外になります。

お中元やお歳暮、プレゼントなどは、5,000円以下で中身が飲食品であっても対象外です。

飲食店に支払うサービス料やチャージ料は対象になります。

タクシー代などの送迎費用は対象外です。

領収書へのメモ書きや帳簿の摘要欄の記載は、「○○会社△△部の誰々部長ほか3名、得意先」などでOKです。

親会社や子会社の役員・従業員との飲食費は対象になります。資本関係が100%でも連結法人でも対象になります。

5,000円以下飲食費にするために、1つの飲食について領収書を分割したり、参加者を偽ったり、参加者の人数を水増ししたりすることは、事実の隠ぺい又は仮装になるので絶対にしないでください。見つかったらきついペナルティを受けることになります。税務調査で怪しいと思ったら、飲食店や取引先などに裏を取ることもありますよ。

 

おわりに

飲食するたびに、必要事項を記載して残しておくことは、初めは面倒ですがすぐに慣れると思います。決算になってから慌てて思い出しながら記載するのはとても大変なので、飲食するたびに忘れずに記載することを習慣にしてくださいね。

交際費関連については下記も参考にしてください。
なぜ法人の交際費は認められないのか
800万円までの交際費が全額損金になります(法人)
「交際費のうち飲食費の50%が損金になります(法人)」

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。