はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
損害保険料率算出機構の資料によると、2012年末の地震保険の世帯加入率は、東京都で34.1%、全国平均で27.1%となっています。加入率は年々上昇していますが、全国平均で3割にも届いていません。
また、2010年末の火災保険に入っている方のうち、地震保険を付帯している方の割合は、東京都で53.9%、全国平均で56.5%と約半分にとどまっています。
このような状況のなか、「税金を安くするから皆さん地震保険に入ってね」、地震保険の加入率を上げるために政府の施策で地震保険料控除が作られたのです。
今回は、そんな地震保険の保険料を支払った場合に、所得控除を受けることができる地震保険料控除について説明します。
地震保険料控除とは
地震保険料控除とは、特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合、そのうち一定の金額を所得から差し引くことができる所得控除のことをいいます。
地震保険料控除の対象になる地震保険契約
地震保険料控除の対象になる地震保険契約や共済契約は
自分もしくは自分と生計を一にする家族が所有している家のうち普段住んでいる家
または
自分もしくは自分と生計を一にする家族が所有している生活用動産
を
保険や共済の目的にする契約で
かつ
地震、噴火、津波を原因とする火災や損壊などによる損害を
てん補する保険金や共済金が支払われるものに限られます。
自分が入っている保険契約が地震保険料控除の対象になるかどうか
自分が入っている保険契約が地震保険料控除の対象になるかどうかは、保険会社などから送られてくる「控除証明書」などで確認できます。
この証明書は、年末調整のときや、確定申告のときに確定申告書に添付もしくは提示する必要があるので無くさないように保管しておいてください。
地震保険料控除として所得から差し引くことができる一定の金額
地震保険料控除として所得から差し引くことができる一定の金額は、下表で計算されます。
1年間に支払った保険料 | 地震保険料控除の金額 |
5万円以下 | 1年間に支払った保険料の全額 |
5万円超 | 5万円 |
東京都港区の税理士法人インテグリティ作成 |
(注:旧長期損害保険料については省略しています)
地震保険料控除として所得から差し引くことができる金額は、その年に実際に支払った保険料をもとにして計算します。
実際に支払った金額が対象となるので、12月31日時点でまだ払っていない分は、その年の地震保険料控除の対象にはならず、実際に支払った年の地震保険料控除の対象になります。
地震保険料控除を受けるには
フリーランス・個人事業主の方が地震保険料控除を受けるには、確定申告する必要があります。確定申告書の地震保険料控除の欄に記載して、保険会社などから送られてくる「控除証明書」を確定申告書に添付するか提示します。
なお、会社勤め、会社役員の方などは確定申告する必要はありません。「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を年末調整時に会社に提出すればOKです。
その他の所得控除
その他の所得控除につきましては、下表のリンク先のページを参照ください。
所得控除の名称 | 詳細を開設したリンク先 |
所得控除の一覧 | 所得控除まとめ |
雑損控除 | 雑損控除とは?災害盗難横領の損害を確定申告で節税 |
医療費控除 | 医療費控除とは?医療費の範囲はけっこう広いです1 |
医療費控除とは?医療費の範囲はけっこう広いです2 | |
社会保険料控除 | 社会保険料控除とは?実際に支払った分が対象です |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模起業共済等掛金控除とは?確定拠出年金と比べて |
生命保険料控除 | 生命保険料控除とは?家族の分も対象になります |
地震保険料控除 | 地震保険料控除とは?年間保険料5万円以下なら全額控除されます |
寄付金控除 | 寄付金控除とは?ふるさと納税も含まれます |
寡婦・寡夫控除 | 寡婦・寡夫控除とは?年齢の制限はありません |
勤労学生控除 | 勤労学生控除とは?職業訓練学校もOKです |
障害者控除 | 障害者控除とは?16歳未満の扶養親族も対象です |
配偶者控除配偶者特別控除 | 配偶者控除、配偶者特別控除とは?1-けっこう奥が深いです |
配偶者控除、配偶者特別控除とは?2-いろんな壁があります | |
扶養控除 | 扶養控除とは?一緒に住んでいない親族も対象になります |
東京都港区の税理士法人インテグリティまとめ |
おわりに
地震保険料控除は生命保険料控除と異なり、5万円以下なら支払った保険料の全額が所得控除になるので節税メリットが大きいといえます。火災保険だけでは地震による損害はほとんど補償されません。火災保険には入っているけど、まだ地震保険は付帯していない方は、どうぞご検討ください。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。
東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。