はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。
今回は、個人が生命保険から死亡保険金を受け取った場合の税金について説明したいと思います。
生命保険金の種類
生命保険から受け取る保険金には、保険契約にもよりますが主に次の2種類があります。
- 死亡保険金・・・被保険者が死亡した場合に支払われる保険金
- 満期保険金・・・被保険者が死亡することなく生存したまま保険契約の満期を迎えた場合に支払われる保険金
死亡保険金、満期保険金ともに、下記の保険契約の関係者がそれぞれ誰であるかによって税金が異なってくるので注意してください。
- 契約者(保険料を支払っている人)
- 被保険者(保険の対象になる人)
- 保険金受取人(保険金を受け取る人)
今回は死亡保険金について説明します。
満期保険金についてはこちら
個人が満期保険金を受け取った場合の税金 | 生命保険の税金
死亡保険金にかかる税金
病気や事故などによって被保険者がお亡くなりになり、保険金受取人が死亡保険金を受け取った場合には、契約者(保険料を支払っていた人)、被保険者(亡くなった保険の対象者)、保険金受取人(死亡保険金を受け取る人)が、誰であるのかによって、相続税、贈与税、所得税のいずれかが課税されます。
死亡保険金と税金の関係 | |||
保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 税金の種類 |
Aさん | Aさん | Bさん | 相続税 |
Bさん | Aさん | Cさん | 贈与税 |
Bさん | Aさん | Bさん | 所得税・住民税 |
具体例 | |||
保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 税金の種類 |
夫 | 夫 | 妻 | 相続税 |
妻 | 夫 | 子 | 贈与税 |
妻 | 夫 | 妻 | 所得税・住民税 |
相続税が課税される場合
保険料を支払っている人と亡くなった被保険者が同一人物の場合は、死亡保険金に相続税が課税されます。
- 保険金受取人が被保険者の相続人である場合、死亡保険金は相続によって取得したものとみなされます。
- 保険金受取人が被保険者の相続人以外の人である場合、死亡保険金は遺贈により取得したものとみなされます。
なお、死亡保険金に相続税が課税される場合で、保険金受取人が亡くなった被保険者の法定相続人である場合は、死亡保険金から 「 500万円 ✕ 法定相続人 」 が控除されます。
例えば、死亡保険金が4,000万円で法定相続人が3人いた場合は、1,500万円が控除されて、2,500万円だけが相続税の課税対象になります。
贈与税が課税される場合
保険料を支払っていた人、亡くなった被保険者、保険金受取人がすべて異なる場合は、死亡保険金に贈与税が課税されます。
死亡保険金に贈与税が課税される場合は、受け取った死亡保険金から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた残額が課税対象になります(暦年課税の場合)。
所得税・住民税が課税される場合
保険料を支払っていた人と保険金受取人が同一人の場合は、死亡保険金に所得税と住民税が課税され、受け取り方によって一時所得と雑所得に分けられます。
死亡保険金を一時金として一括で受け取った場合には、一時所得として所得税が課税されます。
次の式で計算した金額が課税対象になります。
( 受け取った死亡保険金 - 支払った保険料の総額 - 50万円 ) / 2
死亡保険金を年金として分割で受け取った場合には、雑所得(公的年金以外)として所得税が課税されます。
次の式で計算した金額が課税の対象になります。
その年中に受け取った年金 - その年中に受け取った年金に対応する払込保険料(掛け金)
おわりに
同じ額の死亡保険金であっても税金の額は、「 相続税 < 所得税 < 贈与税 」となることが多いと思いますので、このことも念頭に置いて保険契約を考えてくださいね。
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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。