はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
公認会計士・税理士として港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方、フリーランス・個人事業主などの個人の方の税金や節税について解説します。
今回は、経費にできるパソコン(PC)の金額について説明します。
パソコンを経費に
そもそも、パソコンを「経費にできる、経費で落とす」とはどういう意味なのでしょうか。
ここで言う経費とは、税金を計算するうえで費用として認められるものを指します。
- 株式会社などの法人の場合は、「損金」といいます。
- フリーランス・個人事業主など個人の場合は、「必要経費」といいます。
これらが多ければ、その分だけ所得(税金計算上の儲け)が減るので節税になります。
通常、パソコンを購入した場合は固定資産として経理処理します。固定資産は、その名のとおり経費ではなく資産なので、購入した時点では経費にはなりません。減価償却という手続きによって、数年間をかけて少しずつ経費になります。
しかし節税のためには、数年間をかけて少しずつ経費になんて悠長なことを言わずに、パソコン購入時に一括で経費にしたいものです。そこで税法は高価なパソコンでなければ、購入時に一括で経費にすることを認めています。
10万円未満のパソコン
10万円未満のパソコンを購入した場合は、一括で経費にすることができます。固定資産にする必要はありません。
10万円以上30万円未満のパソコン
10万円以上30万円未満のパソコンを購入した場合、下の条件をすべて満たすと、少額減価償却資産の特例を適用でき、一括で経費にすることとができます。
株式会社など法人の場合の条件
- 青色申告をしている
- 中小企業者である(資本金が1億円以下など)
- 平成28年3月31日までに購入している
- 購入した事業年度内に実際に使い始めている(箱の中に入れたままではダメ)
- その事業年度における購入額の合計が300万円以下
- 確定申告の際に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を提出
フリーランス・個人事業主など個人の場合の条件
- 青色申告をしている
- 平成28年3月31日までに購入している
- 購入した年内に実際に使い始めている(箱の中に入れたままではダメ)
- その年における購入額の合計が300万円以下
- 確定申告の際に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を提出
上の条件をひとつでも満たすことができない場合は、固定資産として経理処理することになります。
少額減価償却資産の特例については下記ページを参照ください
少額減価償却資産の特例をつかった節税(フリーランス・個人事業主、法人)
30万円以上のパソコン
30万円以上のパソコンを購入した場合は、固定資産の器具備品として経理処理します。一括で経費にすることはできません。
10万円、30万円の判定
10万円未満、30万円未満といったパソコン購入金額の判定を行う場合のポイントを説明します。
消費税を含めるのか含めないのか
- 税抜き経理を行っている場合は、消費税を含めない税抜きの金額で判定します。
- 税込み経理を行っている場合は、消費税を含めた税込みの金額で判定します。
購入金額に含めるものの例
- パソコン本体価格
- プリインストールされているソフトウェア
- プロセッサやメモリ、HDD(SSD)、グラフィックなどを上位にアップ
パソコン本体の中身に関するものをイメージしてください。これらは金額判定する際のパソコン購入金額に含めます。
パソコン本体と”一緒に”ディスプレイやプリンタ、キーボードなどを購入した場合は、それらがパソコン本体と1セットとみなされて、購入金額に含めることになります。ただし、これらを本体とは別に購入した場合は、それら1つ1つの金額で判定されます。
購入金額に含めないものの例
- 外部ストレージ
- ケース
パソコン本体と同時購入する付属品(それがなくてもパソコンの起動には困らないもの)などは、金額判定する際のパソコン購入金額は含めません。
以前に比べてパソコンは安くなったと言われていますが、高スペックを要求するクリエイターの方など、業務用のパソコンはまだまだ高価になることがあります。パソコンを購入する際は、この10万円、30万円の基準を頭の片隅に置いておくと節税になりますよ。
そして、購入金額を証明するレシートや領収書は必ず保管しておきましょう。
おわりに
残念ながら、Mac pro は税別で308,800円~、 iMac 5K も税別で258,800円~とスペックアップするとすぐに30万円以上になってしまいますね。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。