売上が増えたのに資金繰りが苦しくなるのはなぜ?

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、資金繰りについて解説します。

今回は、売上の増加が資金繰りを苦しくする場合があることについて説明したいと思います。

 

 

売上が増えたのに資金繰りが楽にならない

売上が増えたのに資金繰りが楽にならない。売上が増加したことで、むしろ資金繰りが苦しくなっている。こんな経験をしたことがある会社や個人事業主の方はけっこういらっしゃると思います。

感覚的には、売上が増えれば資金繰りが楽になると思いませんか?

しかし実際は、売上が増えることによって資金繰りが苦しくなることが往々にしてあります。その原因は、売上の入金と仕入れや経費の出金のタイミングがズレていることにあります。このズレの存在が、資金繰りを管理する必要性につながるのです。

 

 

売上の増加が資金繰りを苦しくする理由

売上の増加が資金繰りを苦しくする理由は、売上の増加が運転資本(運転資金)の増加を招くためです。

運転資本については下記ページを参照ください。
運転資本 | 運転資本とは?
運転資本 | 運転資本を減らして資金繰りを楽にする

 

売上が増加するということは、その売上の増加に先駆けて、材料や商品の仕入れや経費などが増加することになります。

現金商売を除いて、材料や商品の仕入れや経費などの支払いが先になり、売上の入金が後になります。よって売上の入金があるまで、増加した支払いが先行してしまう、つまり運転資本(運転資金)が増加します。これが、売上の増加が資金繰りを苦しくする理由なのです。

現金商売の場合は、売上時に即入金になるので、売上の増加による資金繰りの悪化をそれほど心配する必要はありません。これが現金商売は強いと言われる所以です。

 

売上アップの計画があるのであれば、それに合わせて資金繰りの計画も立てる必要があります。そうしないと、売上と利益があっても現金がない状態に陥り、最悪の場合は黒字倒産になってしまいます。

黒字倒産については下記ページを参照ください。
黒字倒産とは?利益あるけどキャッシュがない

 

なお、売上増加で資金繰りが苦しくなるのは一時的なことで、売上の増加が落ち着けば資金繰りも落ち着いてきます。しかし、事業が順調に成長して右肩上がりの売上増加がしばらく続く場合などは、しっかりと資金繰りの計画を立てて、増加する運転資本に対応するための資金調達を考えないといけません。

 

 

売上が減れば資金繰りは楽になるのか

それでは、売上が減った場合は資金繰りが楽になるのでしょうか。売上が減れば入金が減るので、資金繰りは苦しくなってしまいます。

変動費と言われる売上に連動して発生する仕入れや経費は売上の減少によって減りますが、そうではない、例えば家賃や人件費などの固定費は売上が減少しても減らないため、入金が減ればそれだけ資金繰りは苦しくなるのです。

変動費と固定費については下記ページを参照ください。
変動費とは 固定費とは

 

 

おわりに

売上や利益には注意を払っても、資金繰りや現金は疎かになりがちです。売上や利益はもちろん大切ですが、一番大切なのは「手元にどれだけの現金(キャッシュ)が残るのか」です。常に現金を意識してくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、事業の持続可能な成長をご支援します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

税金の種類 誰が課す税金? 何に課される税金?

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金について解説します。

今回は、さまざまな種類の税金について、その税金は誰が課す税金なのか、その税金は何に対して課される税金なのかという視点から分類して説明します。

 

 

税金の種類

日本にはさまざまな種類の税金がありますが、そのうちの代表的な税金について、

  • 誰が課す税金なのか
  • 何に対して課されている税金なのか

という2つの軸で分類してみたものが下表になります。

 

税金の種類 収得税 消費税 財産税 流通税
国税 法人税、所得税 消費税、酒税、たばこ税 相続税、贈与税 登録免許税、印紙税
地方税 都道府県税 住民税(都道府県民税)、事業税 地方消費税 自動車税 不動産取得税
市町村税 住民税(市町村民税) 固定資産税
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

誰が課す税金なのか

誰が課す税金なのかという視点では、税金を次のように分類できます。

  • 国税・・・国が課す税金
  • 地方税(都道府県税)・・・都道府県が課す税金
  • 地方税(市町村税)・・・市町村が課す税金

 

 

何に対して課されている税金なのか

何に対して課されている税金なのかという視点では、税金を次のように分類できます。

  • 収得税・・・所得(もうけ)に対して課される税金
  • 消費税・・・財やサービスの消費に対して課される税金
  • 財産税・・・財産の所有に対して課される税金
  • 流通税・・・財産の流通や権利の移転に対して課される税金

 

 

誰に課される税金なのか

誰に課される税金なのかについては、下記ページを参照ください。

株式会社などの法人の方
会社(法人)が納める税金の種類
個人事業主・フリーランスなどの個人の方
フリーランス・個人事業主が納める税金の種類

 

 

おわりに

税金には多くの種類があって分かりづらいですよね。このように分類して整理してみると少しは理解しやすくなると思います。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

スワップ取引とは | デリバティブの基礎-3

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつであるスワップ取引について説明したいと思います。

 

 

デリバティブとは

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替、コモディティ(穀物や金属、非鉄金属といった商品)などから”派生”した取引のことで、日本語では金融派生商品ともいわれます。デリバティブを一言で言うと、将来に行う取引を現時点で予約する取引です。

デリバティブの概要については下記ページを参照ください。
デリバティブとは | デリバティブの基礎-1

このデリバティブの代表的な取引として、今回ご説明するスワップ取引があります。

 

 

スワップ取引とは

英単語のスワップ(swap)には、交換するという意味があります。

デリバティブのスワップ取引とは、将来発生するお金の流れ(キャッシュフロー)を交換する取引のことをいいます。スワップ取引で交換するキャッシュフローは金利です。スワップ取引は、通常1回こっきりの交換だけでは終わらず、長い期間にわたって何回も交換が行われます。

スワップ取引には金利スワップと通貨スワップがあります。

 

 

金利スワップとは

金利スワップとは、同じ種類の通貨で、異なる種類の金利を交換する取引です。交換するのは金利だけで、金利を計算する元になる元本の交換は行いません。元本の交換は行いませんが、金利を計算するうえでの名目上の元本として想定元本を決めておきます。

例えば、日本円の変動金利と日本円の固定金利を交換する場合が該当します。

 

 

通貨スワップとは

通貨スワップとは、異なる種類の通貨で、金利を交換する取引です。交換するのは金利だけでなく、金利を計算する元になる元本の交換も行います。

例えば、日本円の変動金利と米ドルの固定金利を交換する場合が該当します。この場合は、金利だけでなく、元本である日本円と米ドルの交換も行います。

なお、異なる種類の通過で金利を交換する取引のうち、金利の交換だけを行って元本の交換をしない取引をクーポンスワップといいます。

 

 

スワップ取引の目的

スワップ取引を行う目的は、金利が変動するリスクを管理することにあります。

借り入れや債券発行などの資金調達を行うときには金利が発生します。この金利というものは、上がったり下がったり変動するというリスクがあります。

金利には大きく分けて変動金利と固定金利があります。それぞれの金利変動リスクを考えてみましょう。

 

変動金利の場合の金利変動リスク

変動金利は、借入期間中の市場の金利動向などによって定期的に金利が変動します。そのため、現時点においては将来どれくらいの金利を支払うことになるかが分かりません。

変動金利でお金を借りた場合の金利変動リスク(ややこしい表現ですみません)は、将来金利が上がってしまうと、それだけ支払う金利が多くなってしまうことにあります。

 

固定金利の場合の金利変動リスク

固定金利は、借入期間の始まりから終わりまで金利が固定されており変動しません。そのため、市場金利が上がっても下がっても、将来支払うことになる金利は一定になります。

固定金利でお金を借りた場合の金利変動リスクは、市場金利が下がっても、当初の契約どおりに高い金利を払い続けなければならないことにあります。

 

金利変動リスクの管理

金利変動リスクを管理するために

将来の市場金利が上がると予想する場合は、変動金利による借り入れから発生する金利と固定金利を交換したいと考えます。

逆に、将来の市場金利が下がると予想する場合は、固定金利による借り入れから発生する金利と変動金利を交換したいと考えます。

こんな時にスワップ取引が役に立つのです。

 

 

金利スワップの例

金利スワップの例として、住宅ローンの金利スワップを紹介します。

Aさんは甲銀行から変動金利で住宅ローンを借りています。
当初は当分の間低金利が続くだろうと思って変動金利で住宅ローンを組みましたが、最近になって近いうちに金利は上がってしまうのではないかと思うようになりました。
そこでAさんは乙銀行に相談したところ、金利スワップの提案を受けました。

金利スワップの内容はこうです。

  • 下記の取引を住宅ローンの返済が終わるまで行う
  • 想定元本は住宅ローン残高とする
  • Aさんは乙銀行に固定金利を支払う
  • 乙銀行はAさんに変動金利を支払う
  • AさんはZ銀行から受け取った変動金利をそのまま甲銀行に支払う

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した金利スワップの図

 

この金利スワップを実行すれば、Aさんの住宅ローンは実質的に変動金利から固定金利に変わることになります。交換するのは金利だけです。住宅ローン自体の借り換えを行うものではありません。

なお、この金利スワップによってAさんが得をするか損をするかは住宅ローンを返済し終わった後でないと分かりません。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

棚卸をしていますか? 目的と重要性を知ればすぐにやりたくなります

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援している公認会計士・税理士が会計について解説します。

 

みなさんの会社は棚卸をしていますか?中小の会社さんや個人事業主の方などで棚卸をしていないところが案外多いようです。

今回は、そんな棚卸について説明したいと思います。棚卸の目的と重要性を知って、すぐにでも棚卸をしたいと思っていただけると幸いです。

 

 

棚卸とは

棚卸(たなおろし)とは、商品や製品、仕掛品、材料といった在庫の数量を実際に数えることで、実地棚卸ともいいます。数えるだけでなく品質のチェックも同時に行います。

なお、実際に数えるのではなく帳簿上のみで在庫数を計算する方法を帳簿棚卸といいますが、単に棚卸という場合は実地棚卸のことを指すことが多いです。当ページでも実地棚卸を棚卸と表現します。

 

 

棚卸の目的と重要性

次に棚卸の目的と重要性について説明します。

 

利益を計算するため

利益は「売上-売上原価」で計算するので、利益を計算するためには売上原価を計算する必要があります。
売上原価を計算するためには、期末の在庫を把握する必要があります。

商品を例にすると、売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」で計算するので、期末の商品在庫を数えて期末商品棚卸高を確定させなければなりません。

 

帳簿上の在庫を実際の在庫に修正するため

手書きで在庫の出入りをメモしている、コンビニのPOSシステムのようにリアルタイムで在庫を把握しているなどなど、在庫管理の方法には様々ありますが、これらは帳簿上の在庫に過ぎません。

どんなに高性能な在庫管理システムを導入したとしても、使う人の記入漏れ、システムへの入力ミス、盗難、会社内部の不正などによって、帳簿上の在庫と実際の在庫に差が生じてしまうことは避けられません。

そこで、決算日など定期的に棚卸を行うことで、帳簿上の在庫を実際の在庫に修正する必要があるのです。

帳簿上の在庫と棚卸によって把握した実際の在庫の差異について、その原因を調査することで管理体制の強化につなげることができます。

 

滞留在庫や品質をチェックするため

棚卸を行って在庫の姿を実際に確認することで、滞留在庫や不良品を確認することができます。

売上や利益はけっこうあるのにキャッシュ(現金)がないという財務体質の悪い会社さんは、その理由として在庫が溜まっている場合がけっこうあります。
売れない在庫、使わない在庫、不良在庫が滞留在庫となって山積みになっているのです。滞留在庫はまさに罪庫です。

定期的な棚卸によって滞留在庫を素早く把握、そして滞留在庫を未然に防ぐような体制を整えることができれば、徐々に財務体質は改善されてキャッシュも増えてくると思います。

 

 

おわりに

私は公認会計士として、数多くの上場企業の棚卸に立ち会ってきました。棚卸は骨の折れる作業です。しかし、棚卸は強い会社に成長させるためにはなくてはならない手続きであるということを覚えておいてくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で起業された方、または起業をお考えの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの会社の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

先物取引とは | デリバティブの基礎-2

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつである先物取引について説明したいと思います。

 

 

デリバティブとは

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替、コモディティ(穀物や金属、非鉄金属といった商品)などから”派生”した取引のことで、日本語では金融派生商品ともいわれます。デリバティブを一言で言うと、将来に行う取引を現時点で予約する取引です。

デリバティブの概要については下記ページを参照ください。
デリバティブとは | デリバティブの基礎-1

このデリバティブの代表的な取引として、今回ご説明する先物取引があります。

 

 

先物取引とは

先物取引とは、
将来の定められた日に
定められた商品について
定められた数量を
定められた価格で
売買することを現時点で約束する取引をいいます。

現時点において、将来売買する際の価格や数量などを約束だけして、将来の期日になった時点で、その時の価格がいくらになっていようと、はじめに約束した価格で売買を行うことになります。

 

 

先物取引の例

定義だけではわかりづらいので先物取引の例を紹介します。

 

車が趣味の甲さんは毎月たくさんのガソリン代を払っています。
今のガソリン価格は1リットルあたり150円だけど、ガソリン価格は最近値上がり傾向だし将来もっと値上がりするのだろうなあと頭を悩ませています。

甲さんの友達で同じく車が趣味の乙さんも、ガソリンの価格変動は悩みの種になっています。ガソリン価格は最近まで値上がりが続いていたけど、そろそろ値下がりする時期だろうと感じています。

 

甲さんは、ガソリン価格は将来値上がりすると考えています。
乙さんは、ガソリン価格は将来値下がりすると考えています。
そんな甲さんと乙さんで、次のように将来のガソリンの売買を現時点で約束することにしました。

 

「半年後、乙さんから甲さんにガソリン100リットルを1リットルあたり150円で売る。」

 

ガソリン価格が上がった場合

半年後のガソリン価格は上がって1リットルあたり200円になりました。

  • 甲さんは、1リットルあたり200円のガソリンを150円で100リットル購入することができました。(200円-150円)×100リットル=5,000円、5,000円の儲けになります。
  • 乙さんは、1リットルあたり200円のガソリンを100リットル仕入れて1リットルあたり150円で売らなければなりません。(150円-200円)×100リットル=▲5,000円、5,000円の損失になります。

 

ガソリン価格が下がった場合

半年後のガソリン価格は下がって1リットルあたり100円になりました。

  • 甲さんは、1リットルあたり100円のガソリンを150円で100リットル購入しなければなりません。(100円-150円)×100リットル=▲5,000円、5,000円の損失になります。
  • 乙さんは、1リットルあたり100円のガソリンを100リットル仕入れて1リットルあたり150円で売ることができました。(150円-100円)×100リットル=5,000円、5,000円の儲けになります。

 

将来のガソリン価格がどうなるかなんて誰にも分かりません。損をするかもしれないのにこんな将来の約束をしても意味が無いと思われる方もいると思います。

しかし、将来のガソリン価格を今の時点で固定できることに大きな意味があります。甲さんも乙さんも、半年後のガソリン価格は1リットルあたり150円ということで、前もって色々と準備ができます。このように先物取引には価格が上がるか下がるか分からないという不確実な状態を回避することができるのです。

 

 

先物取引のメリットはリスクヘッジ

上記の例のとおり先物取引には、将来行う売買の価格を現時点で決めることができるので、価価格が変動するリスクを事前に回避することができるというメリットがあります。

先物取引で価格変動のリスクを回避する方法には、買いヘッジと売りヘッジがあります。

 

買いヘッジ

将来価格が上がると予想しているものについて、値上がりする前の価格で将来買うという約束を現時点ですることを買いヘッジといいます。買いヘッジによって将来値上がりすることによる損失を防ぐことができます。

 

売りヘッジ

将来価格が下がると予想しているものについて、値下がりする前の価格で将来売るという約束を現時点ですることを売りヘッジといいます。売りヘッジによって将来値下がりすることによる損失を防ぐことができます。

 

 

先物取引の特徴

一般的にモノの売買をするときには、売買する時にモノとお金を交換して決済しますね。

一方、先物取引は、将来の約束した日に、あらかじめ決めた価格でモノの売買をすることを、現時点で約束する取引です。
そして、一般的なモノの売買のように商品の受け渡しは必ずしも行われるわけではありません。転売や買い戻しなど、約束の日において売買の差額だけを精算することができるという特徴があります。
上記の例では実際にガソリンというモノとお金を交換していますが、儲けと損失にあたる売買差額だけをお金でやりとりすることもできるのです。

 

 

おわりに

先物取引と聞くと、株式投資などと比べて何となくギャンブルっぽく思われるかもしれません。実際、先物業者の指図のままに取引を行い先物相場でスッカラカンになってしまったという話は昔からキリがありません。たしかに先物取引には投資ではなく投機という側面もあるかもしれません。しかし、他のデリバティブ取引と同様に使い方を間違えなければ、将来の価格変動を回避するリスクヘッジにも用いることができる利点もあるのです。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

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