給料8.8万円未満でも源泉徴収の対象になる場合あるのでご注意

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、お給料が月額88,000円未満であっても源泉徴収の対象になってしまう場合について説明したいと思います。

 

 

源泉徴収の対象

正社員、パート・アルバイトなどの雇用形態は問わず、扶養控除等申告書を提出してもらっている人に支払う毎月のお給料が88,000円未満の場合は、源泉徴収(所得税の給料天引き)をする必要がありません。

 

裏を返せば、扶養控除等申告書を提出してもらっていない場合は、たとえ毎月のお給料が88,000円未満であっても、お給料の3.063%(所得税+復興特別所得税)を源泉徴収しなければいけないのです。

 

 

扶養控除等申告書を提出してもらいましょう

労働時間の短い学生のアルバイトや、年収103万円の壁を超えないようにしている主婦パート、個人事業主が配偶者に支払う青色事業専従者給与を毎月8万円に設定している場合など、毎月のお給料が88,000円未満になる人は少なくありません。

年収103万円の壁については、下記ページを参照ください。
配偶者控除、配偶者特別控除とは?2-いろんな壁があります

 

正社員の方からは毎年扶養控除等申告書を提出してもらっていても、パートやアルバイトの方からは扶養控除等申告書を提出してもらっていない会社さん、青色事業専従者である配偶者から扶養控除等申告書を提出してもらっていない個人事業主の方がけっこういらっしゃいます。

扶養控除等申告書を事業主へ提出する期限は、毎年その年の最初のお給料の支払日までです。正社員だけでなく、パート・アルバイト、青色事業専従者の方からも毎年忘れずに扶養控除等申告書を提出してもらってください。

 

 

扶養控除等申告書の提出がないとどうなるのか

税務調査では、法人税や所得税の調査に合わせて、源泉所得税の調査も行われ、扶養控除等申告書の提出状況や年末調整の計算などがチェックされます。

そして、税務調査によって、扶養控除等申告書の提出がないのにもかかわらず、源泉徴収を行っていなかったことが発見されることがあります。

 

パートやアルバイトの方から扶養控除等申告書を提出してもらっていない場合は、最低でも給料の3.063%の所得税を源泉徴収して、源泉徴収した所得税をパート・アルバイトの方に代わって税務署に納めなければなりません。

その本来であれば納める必要があった源泉所得税を納めていなかったので、給料を支払う側が納めることになります。

 

所得税は給料を受け取るパート・アルバイトの方が負担する税金であって、お給料を支払う側は給料から天引きして税務署に納めるにすぎません。

よって、税務調査の結果、納めることになった源泉所得税も、パート・アルバイトの方が負担する税金です。給料を支払う側が納めた源泉所得税は、パート・アルバイトの方の代わりに立て替えたに過ぎません。

 

しかし、立て替え払いした源泉所得税をパート・アルバイトの方に請求できなければ、結局は給料を支払う側が負担することになってしまうので注意してください。

 

 

おわりに

正社員、パート・アルバイト、青色事業専従者などは問わず、給料を支払うことになったら、扶養控除等申告書を提出してもらってくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

経費で落ちる 経費になる とは何を意味するのか

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

今回は、「経費で落ちる・経費になる」とは何を意味するのかについて説明したいと思います。

 

 

「経費で落ちる・経費になる」とは

「経費で落ちる・経費になる」という言葉には、なんとなく得するようなイメージを持たれるのではないでしょうか。

 

「経費で落ちる・経費になる」とは、
税金を計算するうえでの経費として計上することができる、
ということを意味しています。

 

下記では、サラリーマンなどの会社員の場合と自営業者などの個人事業主の場合に分けてご説明します。

 

 

サラリーマン・会社員にとっての「経費で落ちる・経費になる」とは

サラリーマン・会社員や会社役員など会社勤めの方にとっての「経費で落ちる・経費になる」とは、
ある支出について自分のお金で支払うのではなく会社が代わりに払ってくれる、
ということを意味します。

例えば、仕事関係の取引先との飲食代や業務で使う備品代・書籍代などが該当します。

 

会社員は得するけど会社にとっては損になる、なんでそんなこと会社はしてくれるのか、と疑問を持たれるかもしれません。

しかし、仕事・業務に直接関係のある支出を、会社の経費として会社が負担するのあたりまえのことなのです。
ただ、何でも会社が負担してくるわけではもちろんありません。会社が会社員の代わりに支払ってくれるのは、あくまで仕事・業務に直接関係のある支出だけになります。友達との飲み代など、仕事・業務に直接関係のない支出については、会社が支払うことはありません。

 

会社は、会社員の代わりに負担した支払いを、会社の経費にします。
会社が支払う法人税などは、会社の利益(所得)に対してかかります。
利益(所得) = 売上(益金) - 経費(損金)
経費が増えれば利益が減ります。利益が減れば税金も減ることになります。

 

なお、サラリーマン・会社員には、仕事に関する支出が一定の金額を超えた場合に、その金額を所得から控除できる(つまり節税することができる)という「給与所得者の特定支出控除」という制度もありますが、利用基準が厳しいため利用できる方はほとんどいません。

 

 

個人事業主にとっての「経費で落ちる・経費になる」とは

自営業者やフリーランスといった個人事業主にとっての「経費で落ちる・経費になる」とは、
ある支出を自分の事業の必要経費にすることができる
ということを意味します。

 

個人事業主が支払う所得税などは、事業の利益(所得)に対してかかります。
利益(所得) = 売上(収入) - 経費(必要経費)
経費が増えれば利益が減ります。利益が減れば税金も減ることになります。

 

個人事業主にとって、「経費で落ちる・経費になる」と節税になるのです。

 

節税になる分だけ、割引で購入できるイメージです。
プライベートで5万円支払ったら、5万円だけ現金が出ていって終わりです。
しかし、その5万円の支払いを経費にすることができれば、いったん5万円の現金が出ていきますが、税金を支払う段階で5万円×税率分だけ節税になります。
税率が30%であるとしたら、5万円×30%=1万5千円だけ税金が安くなるため、結果として支払いは5万円-1万5千円=3万5千円で済むことになります。

 

個人事業主だからといって、なんでもかんでも「経費で落ちる・経費になる」わけではありません。事業に直接関係のある支出は経費にすることができますが、プライベートな支出は経費になりません。

 

例えば、「車を買って経費で落とした」といった場合は、100%事業に使う車であれば全額が経費になりますが、私用でも使う場合は、私用分は経費になりません。
仮に、500万円の車を買っても、仕事で50%、私用で50%使う場合は、500万円×50%=250万円しか(減価償却を経て)経費になりません。

 

いくら「経費で落ちる・経費になる」と節税になるからといって、不要なものまで支出しては、手元に残るお金が減ってしまいます。
事業の目的は、節税することではなく、手元現金を増やすことであるはずです。本当に必要なものにだけ支出するよう心がけてくださいね。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

オプション取引-3-コールオプションとは | デリバティブの基礎-6

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

 

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつであるオプション取引、そのオプション取引のうち「買う権利」であるコールオプションについて説明したいと思います。

理解しやすいように、指示語をなるべく使わないように記載しているため、同じ表現が続いて読みづらくなっていますがご了承ください。

オプション取引の基礎と具体的なイメージにについては下記ページを参照下さい。
オプション取引-1-オプション取引とは | デリバティブの基礎-4
オプション取引-2-具体的イメージ | デリバティブの基礎-5
「売る権利」であるプットオプションについては下記ページを参照下さい。
オプション取引-4-プットオプションとは | デリバティブの基礎-7

 

 

コールオプションとは

コールオプションとは、
ある商品(原資産・・・為替や株式、債権など)を
あらかじめ決めた将来の期日(満期日)に
(または、あらかじめ決めた将来の期日”まで”に)
あらかじめ決めた価格(権利行使価格)で
「買う権利」を
売買する取引をいいます。

 

 

コールオプションを買った人

オプションを買うということは、オプションを売る人から権利を買うことになります。オプションを買った人は、オプションを売った人に対して、その権利の対価としてオプション料(プレミアム)を支払うのです。

コールオプション「買う権利」を買った人は、コールオプションを売った人から、権利行使価格で買っても買わなくても好きな方を選んでいいですよ、という権利を買ったことになります。

 

 

市場価格が上がった場合

コールオプションを買った人は、市場価格が上がった場合、権利行使します。コールオプションを売った人から権利行使価格で買って市場で売れば利益が出るからです。
コールオプションを買った人の利益は、無限に大きくなる可能性があります。

 

原資産の市場価格 > 権利行使価格
コールオプションを買った人の損益 =
原資産の市場価格 - 権利行使価格 - オプション料

 

 

市場価格が下がった場合

コールオプションを買った人は、市場価格が下がった場合、権利行使しないで権利を放棄します。市場価格よりも高い権利行使価格で買うと損をするからです。
コールオプションを買った人の損失は、最大でもはじめに支払ったオプション料(プレミアム)に限定されます。

 

原資産の市場価格 ≦ 権利行使価格
コールオプションを買った人の損失 = オプション料

 

 

コールオプションを売った人

オプションを売るということは、オプションを買った人に権利を与えるということになります。オプションを売った人は、オプションを買った人から、その権利の対価としてオプション料(プレミアム)を受け取るのです。
オプションを売った人には権利はなく、オプションを買った人の権利行使に応じる義務があります。

コールオプション「買う権利」を売った人は、コールオプションを買った人に対して、権利行使価格で買っても買わなくても好きな方を選んでいいですよ、という権利を与えることになります。

 

 

市場価格が上がった場合

コールオプションを買った人は、市場価格が上がった場合、権利行使します。コールオプションを売った人から権利行使価格で買って市場で売れば利益が出るからです。

そのため、コールオプションを売った人は、市場価格が上がった場合、市場価格よりも安い価格でコールオプションを買った人に売らなければならなくなり損をしてしまいます。損をしてしまいますが、権利行使に応じる義務があります。
コールオプションを売った人の損失は、無限に拡大する恐れがあります。

 

原資産の市場価格 > 権利行使価格
コールオプションを売ったの損益 =
権利行使価格 - 原資産の市場価格 + オプション料

 

 

市場価格が下がった場合

コールオプションを買った人は、市場価格が下がった場合、権利行使しないで権利を放棄します。市場価格よりも高い権利行使価格で買うと損をするからです。

そのため、コールオプションを売った人は、はじめにコールオプションを買った人から受取ったオプション料(プレミアム)が利益になります。
コールオプションを売った人の利益は、最大でもオプション料(プレミアム)に限定されます。

 

原資産の市場価格 ≦ 権利行使価格
コールオプションを売った人の利益 = オプション料

 

 

コールオプションの数値例

AさんはBさんから、「半年後に甲社株式を100円で買う権利」というコールオプションを買ってオプション料として10円を支払いました。

コールオプションの買った人・・・Aさん
コールオプションを売った人・・・Bさん
原資産・・・甲社株式
権利行使価格・・・100円
オプション料(プレミアム)・・・10円

 

甲社の株価が150円になった場合

甲社の株価が150円になった場合のAさんとBさんの損益は次のようになります。

 

Aさんは権利行使して、Bさんから甲社株式を100円で買って、100円で買った甲社株式を市場で150円で売ります。

Aさんの利益 = 150円 - 100円 - 10円 = 40円

 

BさんはAさんの権利行使に応じて、市場から甲社株式を150円で買って、Aさんに100円で売ります。

Bさんの損失 = 100円 - 150円 + 10円 = ▲40円

 

 

甲社の株価が50円になった場合

甲社の株価が50円になった場合のAさんとBさんの損益は次のようになります。

 

Aさんは権利行使をしないで権利を放棄します。よってAさんははじめに支払ったオプション料だけ損をしたことになります。

Aさんの損失 = ▲10円

 

Bさんは、Aさんが権利放棄したので、はじめに受取ったオプション料が利益になりました。

Bさんの利益 = 10円

 

 

AさんとBさんの損益推移

甲社株式の市場価格に応じて、AさんとBさんの損益は次のように推移します。

コールオプションを買った人・・・Aさん
コールオプションを売った人・・・Bさん
原資産・・・甲社株式
権利行使価格・・・100円
オプション料(プレミアム)・・・10円

 

Aさん(コールオプションを買った人)の損益推移

Aさん(コールオプションを買った人)の損益推移はこのようになっています。

Aさん(コールオプションを買った人)の損益推移
甲社株式(原資産)の市場価格 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150
権利行使価格 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100
Aの権利行使・権利放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 行使 行使 行使 行使 行使
オプション料 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10
Aさんの損益 ▲10 ▲10 ▲10 ▲10 ▲10 ▲10 0 10 20 30 40
作成:東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

Bさん(コールオプションを売った人)の損益推移

Bさん(コールオプションを売った人)の損益推移はこのようになっています。

Bさん(コールオプションを売った人)の損益推移
甲社株式(原資産)の市場価格 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150
権利行使価格 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100
Aの権利行使・権利放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 放棄 行使 行使 行使 行使 行使
オプション料 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10
Bさん損益 10 10 10 10 10 10 0 ▲10 ▲20 ▲30 ▲40
作成:東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

損益推移のグラフ

Aさん(コールオプションを買った人)とBさん(コールオプションを売った人)の損益推移をグラフで表すとこのようになります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成したコールオプションの損益推移

 

権利行使価格の100円で線が屈折して、110円の損益分岐価格で、線が交差しています。
コールオプションを買った人とコールオプションを売った人のグラフは上下対象になっており、両者の損益を合算するとゼロになります。

Aさん(コールオプションを買った人)の利益は無限に大きくなる可能性があり、損失は最大でもオプション料までになっていることが、このグラフからも分かります。

対して、Bさん(コールオプションを売った人)の利益は最大でもオプション料までになっているけど、損失は無限に大きくなる恐れがあります。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

源泉徴収税額表の「甲欄」「乙欄」「丙欄」「日額表」「月額表」の違い

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、源泉徴収税額表の種類、「甲欄」「乙欄」「丙欄」「日額表」「月額表」の違いについて説明したいと思います。

 

 

源泉徴収税額表の種類

従業員やアルバイト・パートなどを雇って給料を支払うときに源泉徴収する金額は、給料の支払いの度に、源泉徴収税額表を使って計算します。

源泉徴収する金額を計算するのに使う源泉徴収税額表には、次の3種類があります

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

 

そして、

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」には、「甲欄」と「乙欄」があります。
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」には、「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」があります。
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表には、「甲欄」と「乙欄」があります。

 

なお、源泉徴収月額表には、(平成27年分)などと年が記載されています。昨年のものを使いまわすのではなく、年が変わったら源泉徴収税額表も新しい年のものを使って下さいね。

 

 

給与所得の源泉徴収税額表「月額表」

給与所得の源泉徴収税額表「月額表」は、従業員などに支払う給料が、月を単位として支払う場合に使います。

月を単位とする以外にも、10日ごと、半月ごと、隔月ごと、四半期ごと、半年ごとなどで給料を支払う場合も、「月額表」を使います。

 

「甲欄」と「乙欄」のどちらを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。

 

 

給与所得の源泉徴収税額表「日額表」

給与所得の源泉徴収税額表「日額表」は、従業員などに支払う給料が、働いた日ごとに給料を支払うという日を単位としている場合に使います。
働いた日ごとに支払う場合以外にも、一週間ごとに給料を支払う場合や、給料を日割りで計算して支払う場合も、「日額表」を使います。

 

「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」のいずれを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。
  • 日雇いの人や短期間雇用のパート・アルバイトなどに給料を支払う場合は、「丙欄」を使います。なお、「丙欄」は「日額表」だけにあります。

 

 

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表は、従業員などに賞与・ボーナスを支払う場合に使います。

従業員などに賞与・ボーナスを支払う場合でも、

  • 賞与・ボーナスを支払った月の前月に給料を支払っていない場合
  • 賞与・ボーナスの金額が、賞与・ボーナスを支払った月の前月の給料の10倍を超える場合

上記のどちらかに当てはまる場合は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表ではなく、給与所得の源泉徴収税額表「月額表」を使うので注意してください。

 

「甲欄」と「乙欄」のどちらを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。

 

 

「甲欄」「乙欄」「丙欄」の違い

「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」の使い分けについては上記にも記載してありますが、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。
  • 日雇いの人や短期間(2ヶ月以内)雇用のパート・アルバイトなどに給料を支払う場合は、「丙欄」を使います。なお、「丙欄」は「日額表」だけにあります。

 

源泉徴収税額表にある「甲欄」「乙欄」「丙欄」のどれを使うかによって、源泉徴収する金額が変わってきます。

例えば、給与所得の源泉徴収税額表「月額表」の場合、

「甲欄」では給料(社会保険料等控除後)が月額88,000円未満であれば源泉徴収する金額はゼロ円ですが、
「乙欄」では給料(社会保険料等控除後)が月額88,000円未満であっても、給料の約3%の金額を源泉徴収しなければなりません。

 

 

おわりに

パート・アルバイトの方についての「甲欄」「乙欄」の適用間違いが結構あります。従業員だけでなく、パート・アルバイトの方からも、なるべく「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらうようにしてくださいね。

 

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オプション取引-2-具体的イメージ | デリバティブの基礎-5

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

 

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつであるオプション取引について具体的なイメージで説明したいと思います。

オプション取引の基礎については下記ページを参照下さい。
オプション取引-1-オプション取引とは | デリバティブの基礎-4

 

 

オプション取引の具体的なイメージ

乙社の株式(現在の株価は100万円)を買いたいと思っているAさん、その頭の中はこうなっています。

  • 乙社の株価は1年後には上がるだろうから、すぐにでも乙社の株式を買わないと機会を逃してしまうぞ。
  • とはいえ1年も先の話、乙社の株価は下がるかもしれないし、100万円も投資するのは心配だなあ。

 

そこでAさんは、
「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を5万円(オプション料、プレミアム)で買うことにしました。
Aさんが買うのは乙社株式の現物ではなく「権利」なので、1年後の乙社株価がどうなっていようとも、乙社株式を100万円で買うこともできるし、買わなくてもかまいません。

 

1年後の乙社の株価はどうなったでしょうか。

 

 

乙社の株価が上がった場合

100万円だった乙社の株価は、1年後には150万円に上がっていました。

Aさんは「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を行使して、100万円で乙社株式を買って、すぐに株式市場で150万円で売りました。

Aさんの儲けは
150万円-100万円-5万円=45万円
になりました。

もし、Aさんが「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を買わずに乙社株式を現物で買っていた場合の
Aさんの儲けは
150万円-100万円=50万円
になっていました。

 

 

乙社の株価が下がった場合

100万円だった乙社の株価は、1年後には50万円に下がっていました。

Aさんは「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を行使しないで放棄しました。
Aさんの損失は、権利代金であるオプション料の5万円だけで済みました。

もし、Aさんが「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を買わずに乙社株式を現物で買っていた場合の
Aさんの損失は、
50万円-100万円=▲50万円
になっていました。

 

 

オプション取引の損益

オプション取引で権利を買ったAさんは、

  • 乙社の株価が上がったときには権利を行使して45万円儲けることができて
  • 乙社の株価が下がったときには権利を放棄して損失をオプション料(5万円)に限定することができました。

もし権利を買わずに現物取引で乙社株式を買っていたらAさんは、

  • 乙社の株価が上がったときには50万円の儲けが出て
  • 乙社の株価が下がったときには50万円の損失が生じていました。

 

このようにオプション取引は、

  • 儲けはオプション料の分だけ現物取引より減ってしまいますが、
  • 損失は最大でもオプション料にとどまります。

オプション取引は、損失を限定して利益を追求する取引であるといえます。

 

 

おわりに

コールオプション(買う権利)の売買、プットオプション(売る権利)の売買については下記ページを参照ください。
オプション取引-3-コールオプションとは | デリバティブの基礎-6
オプション取引-4-プットオプションとは | デリバティブの基礎-7

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

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