海外勤務が終わって日本に戻ってきた場合の税金 | 海外赴任の税金-5

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、海外勤務が終わって日本に戻ってきた場合の税金についてご説明したいと思います。

 

 

帰国した年の税金

海外赴任等で給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などで勤務する場合、その方は日本国内に住所がない者と推定されて、原則として所得税法における非居住者になります。

非居住者になると、日本にある持ち家を貸した場合の賃貸料収入などの国内源泉所得のみが日本の所得税の課税対象となり、海外勤務に基づいて支給される給与には日本の所得税は課税されません(海外勤務であっても日本の法人の役員として受け取る役員報酬などの給与については日本の所得税がかかります)。

 

海外赴任等で非居住者であった方が海外赴任を終えて日本に帰国した場合は、帰国後は所得税における居住者になります。
居住者になると、国内源泉所得だけでなくすべての所得が日本の所得税の課税対象となります。

なお、帰国後の勤務に対する給与については年末調整の対象にもなります。
そのため、確定申告は帰国前の国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除く)と帰国後のすべての所得を合計して計算することになります。
1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得と退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があるのでご注意下さい。

1月1日から帰国日までは非居住者期間となり、国内源泉所得にのみ所得税がかかります。
帰国日から12月31日までは居住者期間となり、国内源泉所得だけでなくすべての所得に対して所得税がかかります。

例えば、帰国した年における1月1日から帰国日までの期間に不動産所得が20万円超ある場合は確定申告しなければなりません。

 

 

確定申告における各種所得控除

確定申告において適用する各種所得控除については次の点にご留意下さい。

医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の各控除の金額は、日本に帰国した後(所得税における居住者になった後)に支払った金額を基に計算します。

配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦(夫)控除、勤労学生控除の各控除の金額は、その年の12月31日時点における状況によって判定して計算します。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

海外勤務中の賃料収入などにかかる税金の手続 | 海外赴任の税金-4

はじめに

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今回は、海外勤務中にマンションなど日本にある不動産を賃貸している場合の税金についてご説明したいと思います。

 

 

海外勤務中の日本の所得税

日本国内の会社に勤めている給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤する場合、日本国内に住所を有しない者と推定されて、原則として所得税法における非居住者となります。

海外勤務などによって非居住者となった人について、海外に出発した後に日本国内にある持ち家マンションなどの不動産を賃貸して賃料収入を得ることで一定額以上の不動産所得が生じる場合など、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)がある場合は、日本において確定申告をする必要があります。

非居住者で確定申告が必要となる場合には、納税管理人を定めて、「所得税の納税管理人の届出書」を、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。
納税管理人とは、非居住者の代わりに確定申告書の提出や税金の納付などを行う人(個人または法人)のことです。

 

 

確定申告の期限

海外勤務となった方で確定申告が必要となる場合の確定申告書の提出期限は、出国までに「所得税の納税管理人の届出書」を提出したかどうかで異なってきます。

 

出国までに「所得税の納税管理人の届出書」を提出した場合

出国までに「所得税の納税管理人の届出書」を提出した場合は、
出国した年の年1月1日から出国する日までに生じたすべての所得と
出国した日の翌日から出国した年の12月31日までの間に生じた国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除く)について、
出国した年の翌年の2月16日から3月15日までの間に納税管理人を通して確定申告をします。

 

出国までに「所得税の納税管理人の届出書」を提出しなかった場合

出国までに「所得税の納税管理人の届出書」を提出しなかった場合は、出国した年の1月1日から出国する日までに生じた所得について、出国までに確定申告をする必要があります。
ただし、1月1日から3月15日までの間に出国する場合は、出国した年の前年の所得に係る確定申告についても出国までに行う必要があります。

 

出国前に生じた所得については上記のとおり出国までに確定申告を済ませる必要がありますが、出国後にマンション賃貸収入など一定額以上の不動産所得が生じる場合は、上記のとおり出国前に確定申告を済ませた場合であっても、
出国した年の1月1日から出国する日までの間に生じたすべての所得と
出国した日の翌日から出国した年の年12月31日までに生じた国内源泉所得(源泉分離課税となるものを除く)について、
出国した年の翌年の2月16日から3月15日までの間に改めて確定申告をしなければなりません。

この場合に納める税金の額は、出国した年の翌年の2月16日から3月15日までに提出した確定申告書において計算された納付すべき税額から、出国した年の出国までに行った確定申告書に記載された税額を控除した残額になります。この際、控除した残額がマイナスになる場合は還付されます。

 

 

おわりに

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海外勤務する法人役員の給与に対する税金 | 海外赴任の税金-3

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、日本の会社の海外支店など海外で勤務する(従業員ではなく)法人役員に支払う給与に対する税金についてご説明したいと思います。

 

 

海外勤務する従業員

日本の法人の海外支店などに1年以上の予定で勤務する給与所得者は、一般的には日本国内に住所がない者と推定されて、所得税法における非居住者になります。

この所得税法における非居住者が受け取る給与は、たとえその給与が日本にある本社から支払われているとしても、勤務地が日本ではなく外国である場合は、原則として日本の所得税はかかりません。

 

 

海外勤務する法人役員

しかし、同じように日本の法人の海外支店などに勤務する人であっても、日本の法人の役員の場合には、その日本法人から受け取る役員報酬などの給与については、上記の従業員の場合と取扱いが異なるので注意して下さい。

日本の法人の海外支店などに勤務する日本の法人の役員が、その日本の法人から受け取る役員報酬などの給与は、日本国内で生じたものとして、支払を受ける際に20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収(税金の天引き)されます。
なお、この日本の法人の海外支店などに勤務する日本の法人の役員には、例えば、取締役支店長など使用人として常時勤務している役員は含まれません。

また、法人の役員に支払われる給与に対する税金の取扱いについては、日本と多数の国との間で租税条約が結ばれており、その租税条約において上記と異なる取扱いがある場合は、租税条約における取扱いの方が優先されます。

 

 

おわりに

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納税管理人の選任 | 海外赴任の税金-2

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今回は、海外赴任などによって外国で勤務することになった場合の納税管理人の選任についてご説明したいと思います。

 

 

海外勤務になった場合の日本の税金

日本国内の会社に務めてお給料をもらっている方が、1年以上の予定で海外支店などに転勤する場合、一般的には日本国内に住所がないものと推定されて、所得税法上の非居住者となります。
非居住者の所得のうち、海外勤務によって受け取る給料にはその外国において所得税が課税されて日本の所得税はかかりませんが、日本国内で発生した不動産所得など一定の所得については、引き続き日本の所得税が課税されます。

例えば、海外勤務中に日本国内にあるマイホームを賃貸に出すことによってその賃貸料などの不動産所得が一定額以上ある場合、日本の所得税が課税されるため日本において確定申告をしなければなりません。

 

 

納税管理人の選任

上記のように非居住者が日本において確定申告をしなければならない場合などは、非居住者の確定申告書の提出や税金の納付といった納税の義務を果たすために納税管理人(個人または法人)を定める必要があります。

納税管理人を定めたときには、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に「所得税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。

この「所得税の納税管理人の届出書」を提出すると、税務署から送られてくる書類は、非居住者宛てではなく納税管理人に対して送付されます。
そして、納税管理人を選任した非居住者の確定申告書は、非居住者の納税地を所轄する税務署長に提出します。

 

 

おわりに

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所得税の精算 | 海外赴任の税金-1

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港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、海外赴任などによって外国で勤務することになった場合の所得税の精算についてご説明したいと思います。

 

 

所得税の精算が必要です

日本国内の会社に勤めて会社からお給料をもらっている方が、1年以上の予定で海外支店へ転勤したり海外子会社に出向したりする場合、この海外転勤や海外出向になった方は原則として所得税法における非居住者になります。

非居住者が日本国外での勤務によって受け取ったお給料やボーナスなどの給与には、原則として日本の所得税は課税されません。

そのため、非居住者となる時までに日本国内での勤務によって受け取った給与について、源泉徴収された所得税を精算する必要があります。

 

 

所得税の精算方法

会社からの給与以外には所得がない給与所得者の場合、所得税の精算方法は、毎年12月に行う年末調整と同じ方法によります。

 

この所得税の調整による精算は、海外勤務によって非居住者となる時までに会社において次の手順で行います。

海外勤務になる方が会社に「給与所得者の保険料控除申告書」を提出します。この調整で控除する保険料は、非居住者となる時の日までに支払った金額が対象になります。

海外勤務になる方がその年の初めに会社に提出した「給与所得者の扶養控除等申告書」について、その記載内容に変更がないかをチェックして、変更がある場合は会社に伝えます。
配偶者控除や扶養控除については、出国する時点での現況で判断します。また、配偶者や扶養親族に所得があるときは、海外勤務になる年の1年分の所得金額を出国する時点の現況で見積もって、配偶者控除や扶養控除が受けられるかどうかの判断をします。

海外勤務になる方が配偶者特別控除を受ける場合は「給与所得者の配偶者特別控除申告書」も会社に提出します。

 

海外勤務になる方から「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の扶養控除等申告書」「給与所得者の配偶者特別控除申告書」を提出してもらった会社は、これらをもとに年末調整と同様の方法で、海外勤務になる方の所得税の精算を行います。

 

 

おわりに

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