東京都港区の中小企業融資あっせん制度について-2

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

前回は、東京都港区の中小企業融資あっせん制度の概要についてお伝えしました。

今回は、広範囲に渡る融資あっせん制度を表形式で一覧できるように紹介します。こういった公的制度は利用しないと損です。創業支援融資など、港区で新たにフリーランス、個人事業主をはじめる、起業を考えているお方にマッチしている制度もありますので、ご参照下さい。

 

 

東京都港区の融資あっせん制度の一覧

東京都港区の融資あっせん制度の一覧の表になります。

平成24年4月1日現在
制度名 資金 融資限度額 本人 貸付 融資対象条件
使徒 負担率 期間
経営一般融資 運転 3,200万円以内
(2,800万円以内※1)
1.35%
(1.15%)
7年 建設機械、運輸・運送事業以外の車両購入の場合は、車種を問わず融資限度額は、原則として1台に対し300万円以内。(事業用とみなされない高級車は対象外)
設備資金の場合、リース費用は対象外。
設備 9年
短期融資 運転・設備 400万円以内 1%
(0.8%)
1年
小口零細
保証融資A
運転・設備 1,250万円以内 1.15% 7年 小規模企業者
この融資の保証を含め、保証協会の保証付き融資の合計残高が1,250万円以下
小口零細
保証融資B
運転・設備 500万円以内
(400万円以内※1)
0.60% 5年 東京信用保証対象業種を営む個人企業
すでに保証協会付で港区の融資を受けている場合は対象外
小口零細
セーフ
(7号・8号)
運転・設備 1,000万円以内 0.10% 5年 中小企業信用保険法第2条第4項第7・8号の認定を受けた小規模企業者
この融資の保証を含め、保証協会の保証付き融資の合計残高が1,250万円以下
緊急支援融資・セーフティネット7号・8号と併用する場合の融資限度額は1,000万円
中小商工業
団体融資
運転・設備 5,000万円以内 0.90% 7年 区内の中小企業者を会員とする商工業団体
団体成立後、1年以上経過し、かつ法人事業税と法人都民税を完納している
共同施設とは、事務所、街路灯、アーチ・アーケード、共同倉庫、共同防火設備、カラー舗装化等団体が共同で利用する設備をいう
共同設備 0.30%
受注拡大設備 設備工事 2,000万円以内 0.6%
(0.4%)
7年 港内の事業者が区内中小企業工事事業者を利用して工事を行う
工事事業者について概要書が必要
物品購入(自動車、コンピュータ機器等)は対象外
経営革新融資 運転・設備 2,000万円以内 0.6%
(0.4%)
7年 ★中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画に対する承認を都知事から受けた企業。
事業転換
多角化融資
運転・設備 2,000万円以内 0.6%
(0.4%)
7年 港内において事業転換または多角化を行うための確実な事業計画及び実施能力を有している (法人の場合は、登記簿に記載されていない事業を始める)
事業転換または多角化前に3年以上(港区内で1年以上)同一事業を営んでいる
事業計画を審査し、適当と認められる企業
事業承継融資 運転・設備 2,000万円以内 0.6%
(0.4%)
7年 事業承継時に、被承継者・承継者ともに保証協会の保証対象業種を3年以上(港区内で1年以上)継続して行っている
事業承継時に、被承継者は保証協会の保証対象業種において同一事業を3年以上(港区内で1年以上)引き続き営んでおり、承継者は被承継者のもとで3年以上従事している
事業計画書を審査し、適当と認められる企業
被承継者の事業資産及び経営権を承継者が対価を払って譲り受けること
IT設備融資 設備 2,000万円以内 0.6%
(0.4%)
7年 事業計画を審査し、適当と認められる企業
IT機器の導入により、経営の合理化・効率化、革新を図れる見込みのある企業
リースは対象外
創業支援融資 運転・設備 1,500万円以内
(1,000万円以内※2)
0.40% 7年 港区内に主たる事業所(法人は港区内に本店登記と実態がある)を創業、または創業して1年未満の方で次の条件に該当する場合
東京信用保証協会の保証対象業種の事業である
確実な事業計画があり、事業に必要な許可を受け、計画書を審査し適当と認められる企業
税金を完納している
環境対策融資
(公害防止)
環境対策融資
(アスベスト)
環境対策融資
(屋上・壁面緑化)
環境対策融資
(高反射率塗料)
環境対策融資
(新エネルギー機器等)
設備 2,000万円以内 0.10% 7年 ★環境・街づくり支援部環境課・各総合支所地区活動推進課との事前協議が必要。
東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に該当する車両、建設機械、その他の設備機器の購入、ディーゼル車への粒子状物質減少装置の装着、公害防止設備工事等に適用(営業用でも乗用車は対象外)
アスベスト対策工事費用・高反射率塗料工事費用(環境課からの助成金を除いた工事費用)、屋上・壁面緑化工事費用(環境課からの助成金を除いた工事費用)
太陽光発電システム・高効率空調機設置費用(環境課からの助成金を除いた設置費用)
緊急支援融資
(セーフティネット1~6号)
運転 2,000万円以内 0.10% 7年 中小企業信用保険法第2条第4項第1号~第6号の認定を受けた企業
東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第128条第1項第1号の規定に基づくり災証明及び認定並びに第2号の規定に基づく認定を受けた企業
災害関係保証に係るり災証明の発行を受けた企業
設備 8年
緊急支援融資
(セーフティネット7,8号)
運転・設備 1,000万円以内 0.30% 5年 中小企業信用保険法第2条第4項第7号及び8号の認定を受けた企業
港区長が特別に救済を必要と認める中小企業者
小規模企業特別融資(小口零細セーフ)を併用する場合の融資限度額は1,000万円
経営改善融資 運転・設備 1,000万円以内 0.3%
(0.1%)
5年 ★最近6ヶ月間の売上高合計が前年又は前々年の同期に比べて10%以上減少している
直近決算又は最近6ヶ月において経常損失又は営業損失が生じている
港区の経営相談により、経営改善計画を作成している
港クイック
(つなぎ)融資
運転 300万円以内 金融機関所定利率またはそこから0.2%優遇 2年 ★短期融資を除く港区の制度融資や東京都の制度融資のうち、東京信用保証協会の保証付き融資を利用しており、その融資の約定返済(元金返済)を1年以上継続して行っている(都制度の場合、制度名、協会の保証付き、1年以上継続して元金返済を行っていることがわかるものを提示する)
借換
一本化融資
運転 3,000万円以内 1.35%
(1.15%)
10年 ★短期融資を除く港区の制度融資や東京都の制度融資のうち、東京信用保証協会付き融資を複数利用している
保証付き融資の約定返済(元金)を1年以上継続して行っている
ただし、貸付期間(償還方法)で定める据え置き期間は約定返済に含める
債務の借入残高を一本化して借り替えることや、新たな資金と併せて一本化することにより、返済負担が軽減される場合
複数の金融機関にある借入を借入・一本化する場合、当制度で申込む取扱金融機関以外の金融機関の借換同意が必要
※1 代表者が港区民でない場合
※2 新規創業の場合は、自己資金の範囲内で1,000万円以内 本人負担率は、金融情勢によって変動
本人負担率の(  )は、セーフティネット1号から6号の認定、東日本大震災復興緊急保証に係る認定等を受けた場合の利率

 

 

おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

東京都港区の中小企業融資あっせん制度について-1

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、東京都港区のフリーランス、個人事業主、起業家の皆さんに、港区にある融資あっせん制度をご紹介します。対象となる範囲も広いので、借入を考えている方はぜひ検討してみてください。

 

 

東京都港区の融資あっせん制度の概要

東京都港区内のフリーランス、個人事業主、中小企業の皆さんが事業に必要となる資金を借入れるときに、港区が契約している金融機関に対して融資のあっせんをする制度があります。港区が利息の一部を負担してくれるので、低利で借入れることができます。あっせん制度であるため、あっせんしても融資が受けられない、希望金額のとどかない場合があることにはご留意下さい。

 

 

対象となるフリーランス・個人事業主、中小企業の範囲

下記の株式会社などの法人、フリーランス・個人事業主といった個人が対象範囲となります。

  • 小規模事業者…従業員数が20人(卸売業、小売業、サービス業は5人)以下の法人または個人で、質屋業、金融業、保険業以外の事業を営む企業
  • 中小企業者…資本金が1,000万円以下または従業員100人(小売業、卸売業、サービス業は30人)以下で東京信用保証協会の保証対象業種を営む企業

東京信用保証協会の保証の対象外となる業種はこちらを参照ください。

 

 

制度の申込みから融資までの流れ

港区の融資あっせん制度について、申込みから融資実行までの流れは下記のとおりです。

流れ 内容
お申込の前に 港区中小企業融資あっせん制度の取扱い金融機関の一覧から、融資の窓口になってもらう金融機関を決めます。
取扱い金融機関の一覧はこちらになります。
お申込 申込みは電話で予約して、必要書類を持って港区役所3階の産業振興課経営相談担当のところに出向きます。
創業支援融資の場合は中小企業診断士と1時間ほど面談することになります。
面談後に金融機関への「あっせん書」が渡されます。
金融機関へ融資の申込み 渡された「あっせん書」を金融機関に提出します。
融資の条件(保証協会の有無・保証人・担保等)はこの制度の範囲内で金融機関と相談して決めることになります。
融資の実行 融資の実行まで時間がかかる場合があります。

東京都港区の融資あっせん制度

 

 

融資の対象とならない資金の使い道

融資の対象とならない資金の使い道の一例にはこのようなものがあります。

  • 生活費など事業に関係しないもの
  • 移転、移動にかかる費用
  • 借入金の返済
  • リースによる設備投資
  • 税金の支払
  • 資本金に充てる

 

 

おわりに

港区の融資あっせん制度の概要について紹介しました。金融機関から融資を受ける場合と比べて、1クッション手間がかかりますが、使い勝手も良い制度なので、ぜひ活用して下さい。

次回は、東京都港区の中小企業融資あっせん制度の一覧をご紹介します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-3

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

3回にわたってフリーランス個人事業主法人(株式会社)のメリットとデメリット、そしてフリーランス・個人事業主から会社設立するタイミングを考えてみたいと思います。

 

今回は、フリーランス、個人事業主から株式会社設立(法人化)するタイミングについてです。

 

 

フリーランス・個人事業主と法人(株式会社)の比較まとめ

フリーランス・個人事業主と法人(株式会社)の比較について簡単にまとめたのが下表になります。

 

個人事業主 株式会社
設立手続き 簡単 難しい
設立費用 不要 30万円程度
組織構成 自由 取締役1名以上
責任 無限責任 有限責任
信用 低い 高い
融資 不利 有利
帳簿 簡単(白色申告) 複雑(複式簿記)
社会保険 国民健康保険、国民年金 健康保険、厚生年金
事業継続 事業主死亡で終了 継続可能
税務メリット 小さい 大きい
作成:東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

会社設立(法人化)するタイミング

起業して事業をはじめた時の組織の形態としては、個人事業主として開業するのが7割、株式会社などの法人として開業するのが3割とのデータもあります。

 

昔は株式会社を設立するためには資本金として1,000万円を用意する必要があったので、まずは手軽に始められる個人事業主としてスタートして、事業が軌道に乗った段階で会社を設立するという手法がとられていました。また、消費税の免税メリットを最大限に享受するためにも個人事業主からスタートするという考えもあるでしょう。

しかし、会社法が施行されて法人設立が容易(資本金は1円で設立可能)になってきた現在では、最初から法人にしても大きなデメリットはないと言えます。

また、取引先の要請(個人とは取引しない会社も少なくない)でやむを得ず法人に移行する場合もあります。

 

どのタイミングで法人化するべきかということですが、

 

金銭面からの観点では、フリーランス・個人事業の年間の利益(売上ではない)が1,000万円程度見込める場合が、フリーランス・個人事業主から株式会社設立(法人化)する目安と考えます。(税率だけ見れば年間利益400万あれば節税効果はありますが、法人化による設立、維持コストを勘案すると1,000万円程度が理想です)

 

リスク遮断の観点では、事業の細部まで目が行き届くのであれば個人事業主のままでも問題ありませんが、事業がある程度拡大して、現場作業や事務作業を従業員に任せることが多くなってきたら法人化することをオススメします。

 

金銭的には多少の損をしても、信用や人材の確保といったソフト面を重視して、初めから会社設立をする人も多くいらっしゃいます。

 

 

おわりに

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-1」では、フリーランス・個人事業主のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-2」では、法人(株式会社)のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-2

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

3回にわたってフリーランス・個人事業主と法人(株式会社)のメリットとデメリット、そしてフリーランス・個人事業主から会社設立するタイミングを考えてみたいと思います。

 

今回は、法人成り、法人(株式会社)のメリットデメリットについてまとめてみます。

 

 

法人(株式会社)のメリット

フリーランス・個人事業主と比較した場合の、法人(株式会社)主なメリットは下記のとおりです。

  1. 社会的信用があります。
  2. 有限責任です。1人で設立した株式会社だとしても建前上は所有と経営が分離されているため、倒産しても、法律上は負う責任が出資した範囲に限定されます。(しかし、融資には社長の個人保証が必須であったり、信用問題として実質的に無限責任を負う場合が大半ですけど。)
  3. 事業か継続します。社長が亡くなった場合でも事業は継続するので、会社の継続的な成長が可能です。
  4. 家族を従業員とすることにより、報酬を分散して節税することが容易です。
  5. 優良な人材が確保しやすくなります。
  6. 資金調達がしやすくなります。
  7. 決算期の選択が自由です。自社の繁忙期を避けて設定すると決算対策の時に助かります。
  8. 受けられる助成金等の幅が広がります。
  9. 会社の株式は相続の対象になりますが、会社の財産は相続の対象になりません。財産を会社保有とすることで、相続税の対策に幅が広がります。個人事業の場合、事業で得た財産も全て個人のものなので相続対象になります。
  10. co.jpのアドレスを取得できます。
  11. 保険料の計上に上限がありません。全額損金計上できない場合もありますが。
  12. 税金面に有利な場合があります。
  • 法人税率が所得税率より低くなる場合があります。個人事業の年間の利益が400万円程度あると、法人化して個人事業の利益を給与として受け取ることで給与所得控除を利用して所得税・住民税の節税ができます。
  • 賃貸住宅にお住まいの場合、法人化して役員社宅とすることで、家賃の50%~を法人の損金にすることができます。
  • 事業主が生命保険に加入する予定がある場合、法人化することで経営者の生面保険料の50%~全額が法人の損金にすることができます。(個人事業では4万円の上限があります)
  • 事業主の出張が多い場合、法人化すると経営者に支給した出張日当が法人の損金になります。
  • 事業主に退職金を支給したいと考えている場合、法人化すると経営者に支給した退職金が法人の損金になります。(退職金の税率はかなり優遇されています)
  • 個人事業の昨年または2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合、法人化することで消費税が最大2事業年度免税となります。
  • 青色欠損金を7年間控除できる。青色申告をしていれば、赤字がでた場合でも7年間はその赤字を翌期に繰越ができます。(個人事業の場合は3年)
  • 減価償却費の計上を任意でできます。(個人事業は強制的に償却)

 

 

法人(株式会社)のデメリット

フリーランス・個人事業主と比較した場合の、法人(株式会社)主なデメリットは下記のとおりです。

  1. 会社勤めで週末起業の場合、登記簿から会社にバレる可能性があります。
  2. 会社の役員となると失業手当の給付が受けられません。
  3. 会社設立に手間とお金がかかります。(株式会社の場合、定款の認証、登録免許税、手数料で30万円ほどかかります。)
  4. 赤字でも法人住民税均等割という税金の負担があります。(年間7万円~)
  5. 面倒な複式簿記での帳簿の作成が強制されます。
  6. 接待交際費を経費にできる額に上限があります。
  7. 従業員のいない社長が一人だけの会社であっても社会保険に加入しなければなりません。(個人事業の場合5名以上)

 

 

 

おわりに

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-1」では、フリーランス・個人事業主のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

また、「フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-3」では、フリーランス・個人事業主から株式会社設立(法人化)するタイミングについて書いていますので、こちらも合わせて参照ください。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-1

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

3回にわたってフリーランス個人事業主と法人(株式会社)のメリットとデメリット、そしてフリーランス・個人事業主から会社設立するタイミングを考えてみたいと思います。

 

今回は、フリーランス、個人事業主のメリットデメリットについてまとめてみます。

 

なお、法人形態には株式会社以外にも合同会社などがありますが、株式会社以外での法人化は考えなくていいと個人的には思っています。理由は株式会社以外の知名度が圧倒的に低いためです。そのため以下では会社設立(法人化)とは、株式会社のみを指すことにします。

 

 

フリーランス・個人事業主のメリット

法人(株式会社)と比較した場合の、フリーランス・個人事業主の主なメリットは下記のとおりです。

  1. 会社設立のためには登記申請という面倒な法的手続きが必要ですが、フリーランス・個人事業主として事業をはじめる場合は、それらの面倒な手続きは不要です。
  2. 会社設立のためには数十万円もの費用がかかり、法人組織を維持するのにも費用がかかりますが、フリーランス・個人事業主の場合は費用が少なくて済みます。
  3. 法人に比べて会計処理が簡単・容易です。また、白色申告の場合は複式簿記でない会計帳簿が認められています。

 

 

フリーランス・個人事業主のデメリット

法人(株式会社)と比較した場合の、フリーランス・個人事業主の主なデメリットは下記のとおりです。

  1. フリーランス・個人事業主の場合は事業が継続しません。個人事業では、事業は事業主に依存しており事業主が亡くなってしまうと、当然に事業は終了してしまいます。対して法人の場合は、代表取締役が亡くなっても会社が無くなるわけではありません。
  2. フリーランス・個人事業主の場合は、その事業について無限責任を負うので、事業で失敗すると自己破産になりかねません。対して法人の場合は、有限責任のため、会社が倒産しても、建前として株主や取締役が負債を肩代わりすることはありません。
  3. フリーランス・個人事業主の場合は、保険料の経費計上に上限があります。対して法人の場合は、原則として全額を会社の経費にすることができます。
  4. 所得(税金計算上の利益)が大きくなると、所得税率が法人税率よりも高くなります。

 

 

おわりに

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-2」では、法人(株式会社)のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

また、「フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-3」では、フリーランス、個人事業主から株式会社設立(法人化)するタイミングについて書いていますので、こちらも合わせて参照ください。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

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