消費税がかかる課税取引-資産の貸付け

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、消費税がかかる課税取引のうち資産の貸付けについて説明したいと思います。

 

消費税がかかる課税取引

下の4つの条件をすべて満たす取引が、消費税がかかる課税取引になります。

  1. 国内において
  2. 事業者が事業として
  3. 対価を得て行う
  4. 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供

このうち4の資産の貸付けについて説明します。

 

資産の貸付け

日本国内において事業者が事業として対価を得て、つまり有償で行う資産の貸付けは、消費税の課税の対象になるので、消費税がかかる課税取引になります。

この資産の貸付けは、事務所やテナントの賃貸借やレンタカー(自動車の貸付け)など賃貸料を受け取るなどの一般的な資産の貸付けだけでなく、資産に係る権利の設定、他人に資産を使用させる一切の行為が含まれます。

事業として行われる資産の貸付けは、通常の貸付けだけでなく、使用させることや利用させることも含まれて、対価を得て行えば消費税がかかる課税取引になります。

対価を得て行われる資産の貸付けが消費税のかかる対象になるので、タダや無料など無償の貸付けで対価を受け取らない資産の貸付けについては消費税がかかりません。

資産の貸付けを行うとき、使用や利用をさせるときに、権利金や保証金などの名目でお金を受け取ることがあります。賃借料や利用料、使用料以外に受け取るこれらのお金のうち、契約終了時に返還する必要のないものについては、対価を得て行う資産の貸付けに含まれるので消費税の課税の対象になります。約終了時に返還されるものについては、対価を得て行う資産の貸付けに含まれないので消費税はかかりません。

自動車などの有形資産の貸付けのほか、特許権、実用新案権、ノウハウといった無形資産を利用させるものについても、消費税がかかる課税取引になります。

保養所などの福利厚生施設を割安な料金で社員に利用させる場合や音楽、デザインなどの著作物を使用させる場合も、消費税がかかる課税取引になります。

事務所の貸付けは消費税がかかりますが、住宅の貸付けは原則として消費税はかかりません。

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。フリーランス・個人事業主として新規に開業したら、起業や法人成りで株式会社などの法人を設立したら、税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税がかかる課税取引-資産の譲渡

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、消費税がかかる課税取引のうち資産の譲渡について説明したいと思います。

 

消費税がかかる課税取引

下の4つの条件をすべて満たす取引が、消費税がかかる課税取引になります。

  1. 国内において
  2. 事業者が事業として
  3. 対価を得て行う
  4. 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供

このうち4の資産の譲渡について下記で説明します。

 

資産の譲渡

日本国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡は、課税取引として消費税がかかる取引になります。

資産とは、販売用の商品、事業等に用いている建物、機械、備品などの有形資産、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの無体財産権など、取引の対象になるほとんどのものをいいます。

そして、この資産の譲渡とは、資産の同一性を保持しながら、自分から他の人に移転させることをいいます。

例えば、売買や代物弁済、交換、現物出資などによって、資産の所有権を他人に移転することが該当します。

資産の譲渡は、その原因を問いません。

通常の商取引だけでなく、例えば、他人の債務の保証を履行するために行う資産の譲渡、強制換価手続により換価される場合の資産の譲渡などについても、消費税の課税の対象になります。

しかし、相続や時効などによって財産が移転した場合は、資産の譲渡には当たりません。そのため消費税の課税の対象にもなりません。

 

みなし譲渡

資産の譲渡をしていなくても、資産の譲渡をしたとみなされる取引があります。

個人事業者が、自分の販売する商品や事業に用いている資産を家庭で使用したり消費した場合

法人が、自社の製品などを自社の役員に対して贈与した場合

上の2つに該当する場合は、その時点で時価で資産を譲渡したものとみなされて、消費税の課税の対象になるので注意してください。

無償、つまりタダでなくても安い金額で譲渡した場合も、みなし譲渡に該当して時価で譲渡したものとみなされます。ただし、仕入れ金額以上、かつ、販売価格の50%以上の金額で譲渡した場合は、みなし譲渡の適用はありません。

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。フリーランス・個人事業主として新規に開業したら、起業や法人成りで株式会社などの法人を設立したら、税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

納めるべき消費税の金額を計算するもとになる課税標準とは-売上にかかる消費税

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、納めるべき消費税の金額を計算するもとになる課税標準と売上にかかる消費税について説明したいと思います。

 

消費税の課税標準額とは

消費税の課税標準とは、納めるべき消費税の金額を計算する際の基礎となる金額のことをいいます。

そして、この課税標準を合計したものを課税標準額といいます。

 

日本国内の取引の場合は、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準になります。

課税資産の譲渡等の対価の額とは、資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供の対価として受け取る金額、受け取るべき金額のことをいいます。お金以外の権利や経済的利益を受け取る場合も含まれます。

課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税やたばこ税などの個別消費税は含まれますが、消費税と地方消費税は含めません。

おおざっぱに言うと、課税取引の売上高の税抜き額が課税標準額になります。

 

輸入取引の場合は、
関税課税価格(CIF)+個別消費税+関税=課税標準
になります。

 

売上にかかる消費税とは

納めるべき消費税の金額は、預かった消費税(売上にかかる消費税)から支払った消費税(仕入れにかかる消費税)を差し引いた残額になります。

売上にかかる消費税を計算するためには、
まずは売上を、消費税がかかる課税取引、消費税がかからない免税取引、非課税取引、不課税取引に分けます。
その次に課税取引となる売上を集計して、売上にかかる消費税を計算します。

この売上にかかる消費税を計算するのに、課税標準額を使うのです。

 

売上にかかる消費税の計算方法

まずは課税標準額を計算します。

税率は消費税+地方消費税の税率です。

会計帳簿をつけるときに税抜きで処理している場合
課税標準額 = ( 課税取引の売上高の合計+仮受消費税 ) × 1 / ( 1 + 税率 )

会計帳簿をつけるときに税込みで処理している場合
課税標準額 = 課税取引の売上高の合計 × 1 / ( 1 + 税率 )

次に、課税標準額に税率を乗じます
売上にかかる消費税 = 課税標準額 × 税率

 

消費税の課税売上高と課税標準額の違い

消費税の課税売上高と課税標準額の違いは、免税取引(輸出取引等)の取り扱いが異なります。

課税標準額には免税取引を含めません。課税標準額は、納めるべき消費税の金額を計算する際に使います。

対して課税売上高には免税取引を含めます。課税売上高は消費税の課税事業者になるか免税事業者になるかの判定や、課税売上割合の計算に使います。

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。フリーランス・個人事業主として新規に開業したら、起業や法人成りで株式会社などの法人を設立したら、税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税を納める義務が成立する日

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

フリーランス・個人事業主の方については年末年始前後の取引、株式会社などは決算日前後の取引について、その取引にかかる消費税がどの年度の消費税になるのかで、その年に納める消費税の額が変わってきます。

今回は、そんな消費税を納める義務が成立する日について説明したいと思います。

 

日本国内の取引における消費税の納税義務が成立する時期

日本国内の取引の場合は、課税資産の譲渡、課税資産の貸付け、役務の提供をした時に、消費税を納める義務が成立します。課税資産の譲渡、課税資産の貸付け、役務の提供をした時とは、その取引の種類に応じて、資産の引渡しの時、役務の提供の時になります。

法人税や所得税における収益の計上する日とほぼ同じ取り扱いになるなので、基本的には普段の会計処理を行っている日と、消費税の成立の日を分ける必要はありません。

なお、消費税の納税義務は取引ごとに成立しますが、消費税の申告や納付は課税期間ごとに行います。

 

消費税の納税義務が成立する具体的な日

日本国内の取引の消費税の納税義務が成立する日を、取引の種類別に具体的に例示すると下記のようになります。

取引の種類 納税義務が成立する日
資産の譲渡 棚卸資産の販売 引渡しのあった日
固定資産の譲渡 引渡しのあった日
資産の貸付け 使用料などの支払日が定められているもの 定められている支払日
使用料などの支払日が定められていないもの 実際に支払いを受けた日
役務の提供 モノの引渡しが必要となる請負契約 モノのすべてを完成して引き渡した日
モノの引渡しが必要ない請負契約 役務のすべての提供を完了した日
請負を除いた人的役務の提供 人的役務のすべての提供を完了した日

 

長期割賦販売などで延払基準を適用している場合、工事の請負などで工事進行基準を適用している場合は、それらの基準によって売上計上する日を、消費税の納税義務が成立する日にすることができます。

課税資産の引渡しや役務の提供が行われる前の段階で前受金を受け取る場合には、前受金を受け取る日ではなく、実際に課税資産の引渡しや役務の提供等をした日が、課税資産の譲渡等をした日、すなわち消費税の納税義務が成立する日になります。

未収金についても代金を決済する日に関係なく、課税資産の引渡しや役務の提供をした日が、税資産の譲渡等をした日、すなわち消費税の納税義務が成立する日になります。

ただし、青色申告者で所得税法における現金主義の適用を受けている小規模事業者は、上記の前受金と未収金にかかわらず、対価であるお金を受け取った日を、消費税の納税義務が成立する日にすることができます。

繰り返しになりますが、基本的には売上計上の時期と消費税の納税義務が成立する時期は同じになるので、消費税の納税義務の成立の時期についてあまり細かく考える必要はありません。

 

輸入取引における消費税の納税義務が成立する時期

輸入取引の場合、保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の納税義務は、課税貨物を保税地域から引き取る時に成立します。

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。フリーランス・個人事業主として新規に開業したら、起業や法人成りで株式会社などの法人を設立したら、税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

なぜスポーツジムには週1回の定休日があるのか

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

皆さんはスポーツジムに通っていますか?

私は東京都港区の某スポーツジムに通っていますが、そこは週1回定休日があります。過去に通っていたスポーツジムはどこも週1回の定休日がありました。

個人的には、1日行ったら2日休むという中2日のペースでスポーツジムに通いたいのですが、週1回の定休日があると、残念ながらそのペースでは通えません。

週1回の定休日がある理由は、施設のメンテナンスのためなどとなっていますが、本当の理由は何なのでしょうか。

今回は、なぜスポーツジムには週1定休日があるのかをビジネス的に考えてみたいと思います。

 

スポーツジムはストックビジネス

スポーツジム、スポーツクラブ、フィットネスクラブと呼び方は色々ありますが、これらのビジネスモデルはストック型のビジネスモデルとなっています。

ストックビジネスとは、簡単に言うと、売上が定期的に発生するビジネスのことをいいます。

スポーツジムは、会員から毎月決まった会費を受け取ることができます。スポーツジムに月に何回行っても、まったく行かなくても会費は変わりません。

スポーツジム以外の例では、携帯電話会社、私たち税理士の顧問契約などもストックビジネスに該当します。

ストックビジネスに対する用語としてフロービジネスがあります。フロービジネスとは、売上が定期的ではなく、1回こっきりのものを積み上げるビジネスモデルのことをいいます。例えば、飲食店や弁護士(顧問契約を除く)などが該当します。

 

スポーツジムにとっての良いお客

スポーツジムの経営者にとっての良いお客は、幽霊会員です。会費だけ払ってくれてスポーツジムに顔を出さないお客が重宝されます。

 

なぜ週1回の定休日があるのか

前置きが長くなってすみません、本題に入りますね。

スポーツジムには、なぜ週1回の定休日があるのでしょうか。

売上から費用を差し引いた残りが利益になります。
売上 - 費用 = 利益

 

スポーツジムの主な売上は

会費 × 会員数

定休日があっても、売上は変わりません。

 

スポーツジムの主な費用は

固定費(毎月固定的に発生する費用):家賃、正社員の人件費など
定休日があっても、固定費は変わりません。

変動費(操業の度合いによって変動する費用):水道光熱費、パート・アルバイトなど時給制の人件費など
定休日があると、変動費は減ります。

 

定休日があっても売上は減りませんが、定休日の日数分の変動費は減ります。減った変動費だけ、利益が増えるのです。

週1日の定休日というとそんなに多く感じませんが、週1日定休日を定めるだけで、変動費の実に14%以上も削減できるのです。しかも売上を減らすことなく。

これが、スポーツジムに週1回の定休日がある理由なのです。

それでは、週2回定休日を作ったほうがもっと利益が増えるのではとお考えの方もいると思いますが、週に2回も定休日があるとさすがに会員が集まらないそうです。週1回の定休日というのが、会員も許容することができる絶妙なバランスのようです。

ちなみにフロービジネスの商売は、定休日が減少傾向にあります。飲食店や美容室など、昔は定休日があるのが普通でしたが、最近は休みがないお店も増えてきています。休んだ分だけ売上が減ってしまいますからね。

 

おわりに

フロービジネスは、安定していませんが、お客をつかむのは比較的容易です。

ストックビジネスは、安定していますが、お客をつかむのが大変です。

ストックビジネスである、私たち税理士業界もお客様を獲得するのが非常に大変なビジネスです。もちろん弊社も例外ではありませんが、ありがたいことに最近はご紹介以外にもホームページからのお問合せも増えてきました。今後も勇往邁進して行きたいと思います。

 

スポーツジムつながりで、よろしかったら下記ページも参照ください。
スポーツクラブの会費は経費にできるか?
返金保証のダイエットジムに思うこと
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