財産の所有と債権者の保護 | 有限責任事業組合LLP-8

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)における財産の所有と債権者の保護について説明したいと思います。

 

 

LLPの財産所有

LLPの所有する不動産や動産、知的財産などといった財産は、LLP組合員の全員の合有財産になります。

民法上の共有(狭義の共有)は財産をいつでも自由に単独所有に分割することが可能です。
一方、合有は財産を自由に分割したり持分を処分することはできません。

つまり、LLPの財産は各組合員に持分権はありますが、組合員が自分の持分だからといって勝手に分割したり処分することはできないことになります。

 

また、LLP法(有限責任事業組合契約に関する法律)では、LLPの所有する財産の安定性を高めるために次のような措置が講じられています。

  • LLP組合員の固有の債務に対する債権者は、LLPの財産を差押えすることはできない。
  • 不動産登記制度上、分割禁止の合有財産であることを公示するため、共有物分割禁止の登記を行い、かつ、LLPの組合契約に基づく不動産である旨を表示できるようにする。

 

 

債権者保護

LLPは制度としてその組合員の全員に有限責任制を導入しています。

その一方で、この組合員全員の有限責任性によって、LLPの債権者に過度なリスクが転嫁されないように、株式会社など他の有限責任の組織と同様に債権者を保護するための措置が講じられています。

 

具体的には、次のようなことがLLP法において規定されています。

  • LLPと取引を行う相手方の予見可能性を高めるために、組合契約を登記することの義務付けや財務データの開示を行う。
  • 組合財産を確保するために、組合設立時における出資の全額払込みの義務付けや、債務超過時の分配を禁止する。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。