はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
みなさんの会社にある小口現金、経理担当の方は細かい経費精算や毎日の残高チェックに貴重な時間を割かれていることだろうと思います。あたりまえですが、管理するものが少なければ手間は減ります。
今回は、仕事の効率化シリーズとして、そんな小口現金の廃止を提案したいと思います。
小口現金とは
小口現金とは、日々の細かな支払いや、従業員の経費精算などのために手もとに用意しておく現金のことで、手提げ金庫の中に数万円程度ストックしておくものです。手提げ金庫の中の小口現金は、入出金のたびにその内容を出納帳に書き込み、毎日の業務終了後は残高を数えて会計帳簿と一致しているかを確認しなければいけません。何10円か合わなくて、もう一度数え直したり、領収書とチェックしたりと、僅かな額のためにどれだけの時間を費やしたのかと苦い思い出がある方も多いことでしょう。
このように小口現金の管理は、経理担当者のけっこうな量の手間と時間を取っているのです。経理担当者だけでなく、その他の従業員にとっても、そのつど小口現金で経費精算をするのは非常に面倒です。盗難や紛失のリスクもあるでしょう。そして考えたくはないですが従業員の横領も起きるかもしれません。
手間と時間がかかり、面倒で、しかも盗難や紛失、横領のリスクがある小口現金なんか廃止しましょう、というのが今回の提案です。
小口現金を廃止するメリット
小口現金を廃止することで下記のようなメリットが生まれます。
- 毎日業務の終了後に、小口現金残高を数えて帳簿と一致していることを確認しなくて済む
- 従業員の経費精算を1ヶ月分まとめてすることで、経理担当者と従業員双方の効率化につながる
- 小口現金の盗難や紛失、横領というリスクから開放される
小口現金を廃止する方法
会社の小口現金を廃止するということは、従業員が経費精算したくてもその場でできません。また会社に集金が来たときに現金払いで支払う必要のある経費についても従業員がいったん立て替えて後日精算することになります。
この従業員が立て替えている経費の精算のために、従業員に1ヶ月分の経費精算をまとめて経費精算明細に記入させ提出させます。そして給料と一緒に精算額を支払うのです。
具体的にはこのようやります。
- 従業員が経費の支払いを会社に代わって立て替え払いします。
- 従業員は1日~31日までの1か月の間に立て替えた経費を経費精算明細に記入して、翌月あたまに領収書とともに会社に提出します。
- 会社は、従業員が立て替えた経費を給料とともに支払います。
はじめは経費精算明細を書くのが面倒でしょう。しかし毎月決まった支払いがあるものは経費精算明細のフォーマットに落とし込むなど、どんどん経費精算明細のフォームをカスタマイズしていけば、いずれは驚くほど簡単になると思います。
そして、クレジット払いや銀行振込ができる支払いはそちらに移行して、そもそもの現金払いを減らすことも大切です。
小口現金廃止のデメリット
小口現金を廃止するデメリットは、従業員が立て替えて払った経費の精算が遅くなってしまうことです。この点は従業員を説得するしかないのですが、どうしてもダメなら従業員に一定額を前渡ししておくという方法もあります。
おわりに
小口現金の廃止に興味をもたれたでしょうか。慣れないうちは少し大変かもしれません。小口現金を廃止した私のお客様で、「小口現金を廃止しなければ良かった」と言っているお客様は1社もありません。ぜひチャレンジしてみてください。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。