会社設立の手続き-登記-8-設立時代表取締役選定決議書の書き方

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立登記を申請する手続きとして、申請書類のひとつである「設立時代表取締役選定決議書」の書き方について説明します。

 

 

設立時代表取締役選定決議書が必要となる場合

「設立時代表取締役選定決議書」は、会社設立の登記申請において、必ず作成しなければならない書類ではありません。

 

会社設立時に代表取締役を置くことに決めたけど、定款において代表取締役を定めない場合に、会社設立の登記申請において「設立時代表取締役選定決議書」が必要になります。

 

代表取締役を置かない場合は、「設立時代表取締役選定決議書」は必要ありません。

定款において設立時代表取締役を定めた場合も、「設立時代表取締役選定決議書」は必要ありません。

 

 

代表取締役

取締役が1名の場合は、その取締役が会社の代表権を持ちます。

会社の機関として取締役会を設置する場合は、取締役会において会社の代表権を持つ代表取締役を決めます。

 

会社の機関として取締役会を設置しないで、かつ、代表取締役を定めない場合は、すべての取締役が会社の代表権を持つことになります。つまり、取締役のそれぞれが会社を代表して単独で契約などの行為を行うことができるのです。

しかし、取締役の全員が代表権を持つことはガバナンス上問題があるため、取締役が複数人いる場合は、一般的には代表取締役を定めて、代表権を持つ取締役を限定しています。

会社設立時の代表取締役を定める方法は、次の2つがあります。

  • 定款において定める
  • 「設立時代表取締役選定決議書」において定める

 

 

設立時代表取締役を定款において定める

定款において設立時代表取締役を定める場合の、定款の記載例は下記のようになります。

 

(設立時代表取締役)

第○条 当会社の設立時代表取締役は次のとおりとする。

設立時代表取締役  港区美子

 

設立時取締役と合わせて記載する場合の、定款の記載例は下記のようになります。

 

(設立時代表取締役及び設立時代表取締役)

第○条 当会社の設立時取締役及び設立時代表取締役は次のとおりとする。

設立時取締役    港区美子
設立時取締役    渋谷区美代
設立時取締役    新宿区美江

設立時代表取締役  港区美子

 

 

設立時代表取締役を「設立時代表取締役選定決議書」において定める

設立時代表取締役を「設立時代表取締役選定決議書」において定める場合の、「設立時代表取締役選定決議書」の書き方、記載例は下記のようになります。

 

⑤ ㊞ ㊞ ㊞

 

設立時代表取締役選定決議書

 

平成○年○月○日、東京都港区西麻布1丁目1番○号の株式会社ウーマンスタートアップ創立事務所において、発起人全員が出席し、その全員の一致の決議により、次のように設立時代表取締役を選定した。なお、被選定者は即時その就任を承諾した。

 

設立時代表取締役 港区美子

 

上記設立時代表取締役の選定を証するため、発起人の全員は、次のとおり記名押印する。

 

 

平成○年○月○日

 

株式会社ウーマンスタートアップ

 

発起人 港区美子  ④ ㊞

発起人 渋谷区美代 ④ ㊞

発起人 新宿区美江 ④ ㊞

 

日付

日付は、払込証明書の日付を記載します。

 

本店所在地

会社の本店の住所を省略しないで正確に記載してください。
○ 東京都港区西麻布1丁目1番○号
✕ 東京都港区西麻布1-1-○

 

会社名

定款に記載している商号を省略しないで正式名称で記載してください。
○ 株式会社ウーマンスタートアップ
✕ (株) ウーマンスタートアップ

 

発起人の押印

発起人個人の印鑑登録してある実印で押印します。

 

発起人の押印(捨印)

発起人個人の印鑑登録してある実印で捨印を押印します。

 

決議文章

発起人が複数ではなく1人の場合は、このような記載になります。
「発起人が出席し、次のように設立時代表取締役を選定した。」

 

代表取締役就任の承諾

「なお、被選定者は即時その就任を承諾した。」という文章を入れ、かつ、選ばれた代表取締役が発起人として実印を押印している場合は、「代表取締役就任承諾書」の作成が不要になります。特に問題がなければ、この文章を入れることをおすすめします。

 

 

会社設立登記申請の必要書類

会社設立登記の概要につきましては、「会社設立の手続き-登記-1-会社設立登記とは」を参照ください。

会社設立の登記を申請するときには、多くの書類が必要になります。

主な必要書類は下表のとおりです。各書類の詳細な説明につきましては、リンク先のページを参照ください。

会社設立登記申請の必要書類
書類名 必要な場合 詳細を説明したページ
株式会社設立登記申請書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-3-株式会社設立登記申請書の書き方
認証を受けた定款 必ず必要 会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
本店所在地決定書 定款に地番までの記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-4-本店所在地決定書の書き方
払込証明書 必ず必要 会社設立の手続き-登記-2-資本金の払い込みと払込証明書の書き方
資本金の額の計上に関する証明書 金銭以外での出資がある場合  「会社設立の手続き-登記-5-資本金の額の計上に関する証明書の書き方
設立時発行株式に関する発起人の同意書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-6-設立時発行株式に関する発起人の同意書の書き方
設立時取締役選任決議書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時監査役選任決議書 監査役を置く場合で定款に定めない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時代表取締役選定決議書 場合による  「会社設立の手続き-登記-8-設立時代表取締役選定決議書の書き方」
設立時取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時代表取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時監査役の就任承諾書 監査役を置く場合  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
取締役全員の印鑑証明書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-10-印鑑証明書
登記すべき事項を記録した磁気ディスク 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-11-「登記すべき事項」の提出(CD-R)
印鑑届書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-12-印鑑届書の書き方
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

書類を作成したら、登記申請書類の製本をします。

製本については、「会社設立の手続き-登記-13-株式会社設立登記申請書の製本」を参照ください。
登記申請については、「会社設立の手続き-登記-14-法務局で登記の申請を行う」を参照ください。

 

 

おわりに

この設立時代表取締役選定決議書の記載例は一例です。会社の実情に合わせて作成してくださいね。

 

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業して間もない経営者様の支援を得意としている若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の支援をさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。