会社設立の手続き-登記-11-「登記すべき事項」の提出(CD-R)

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立登記を申請する手続きとして、「登記すべき事項」の提出(CD-R)について説明します。

 

 

「登記すべき事項」の提出

会社設立の登記申請を行う場合、「登記すべき事項」を提出する必要があります。

「登記すべき事項」の提出方法には、

  • 磁気ディスクに記録して提出する方法
  • オンラインで提出する方法
  • OCR用紙に印刷して提出する方法

があります。このなかでは、磁気ディスクに記録して提出する方法をおすすめします。

 

磁気ディスクに記録して提出する方法とは、「登記すべき事項」を記載したテキストファイルを格納したCD-Rなどによって、「登記すべき事項」を提出する方法をいいます。

 

オンラインで提出する方法とは、その言葉どおりオンラインによって「登記すべき事項」を提出する方法をいいます。会社設立の登記申請を司法書士に依頼する場合は、オンラインで提出する方法がとられることが多いです。しかし、自分で登記申請を行う場合に、オンライン提出の設定をするのは手間がかかるのであまりおすすめしません。

 

OCR用紙に印刷して提出する方法とは、OCR用紙と呼ばれる専用の用紙に「登記すべき事項」を印刷して提出する方法をいいます。以前は法務局でこのOCR用紙を無料で配っていましたが、オンライン提出やCD-Rなどによる提出が可能になったことから、東京法務局をはじめ全国の法務局では順次OCR用紙の配布を終了しています。そのため、OCR用紙を入手する手間やWordの各種設定の面倒を考えると、この方法もおすすめしません。

 

 

磁気ディスクに記録して提出する方法の注意点

磁気ディスクに記録して提出する方法には、いくつかの注意点があります。

 

磁気ディスクの種類

使用できる磁気ディスクは下記の種類に限られます。

  • CD-R(120mm、JIS X 0606形式)
  • CD-ROM(120mm、JIS X 0606形式)
  • フロッピーディスク(2HD、1.44MB、MS-DOS形式)

CD-RWやDVDなどでは提出できません。

 

記録の方法

文字コードは、シフトJISを使用して、文字は全て「全角」を使います。数字やローマ字だけでなくカギカッコなどの記号もすべて全角です。なお、シフトJISであっても、JIS X208に含まれないIBM拡張文字、NEC選定IBM拡張文字及びWindows外字は使えません。

文字フォントは、「MS明朝」か「MSゴシック」を使用します。

ファイルは、テキスト形式(ウィンドウズのメモ帳で作成する拡張子が.txtのファイルです)で作成します。

ファイル名は、「商号(会社の名前).txt」としてください。例えば「株式会社インテグリティ.txt」などです。

使用する文字は、Microsoft(R) Windows(R)の端末で内容を確認することができるもので作成します。OSが異なると文字化けすることがあるので注意してください。

タブ(Tab)は使用しないでください。

字下げや文字の区切り等で空白が必要な場合は、全角スペース(半角スペースはダメ)を使用します。

数式中で使用する分数の横線は、「─」(シフトJISの0X849F(区点:0801))を使用します。

磁気ディスクの中にはフォルダを作成しないでください。

1枚の磁気ディスクの中には、1件の申請に係る「登記すべき事項」のみを記録してください。

磁気ディスクには、シールの会社名(商号)をはり付けてください。

数字を入力する際、アラビア数字と「万、億」を使います。「十、百、千、カンマ(,)」は使わないでください。
○1億2500万円
✕1億2,500万円
✕1億2千500万円
✕1億2千5百万円

商号や住所、氏名を入力する際、スペースを入れないでください。
○設立太郎
✕設立 太郎
○株式会社インテグリティ
✕株式会社 インテグリティ
○東京都港区南青山1丁目1番△号あおやまビル101号室
✕東京都港区南青山1丁目1番△号 101号室

 

 

テキストファイルへの入力例

CD-Rに格納するテキストファイルの入力例は下記のようになります。

定款に記載のあるものについては定款と一言一句同じ文言で記載します。

繰り返しになりますが、カタカナも数字もローマ字も記号も、文字は全て全角で入力してください。

 

「商号」株式会社起業支援
「本店」東京都港区南青山1丁目1番○号
「公告をする方法」官報に掲載してする。
「目的」
1 経営コンサルタント業
2 ウェブデザイン業
3 前各号に附帯する一切の事業
「発行可能株式総数」1000株
「発行済株式の総数」300株
「資本金の額」金300万円
「株式の譲渡制限に関する規定」
当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
「株券を発行する旨の定め」
当会社は株券を発行する。
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」港区一郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」渋谷区太郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」新宿区之助
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」東京都港区北青山1丁目1番○号
「氏名」港区一郎
「登記記録に関する事項」設立

 

 

会社設立登記申請の必要書類

会社設立登記の概要につきましては、「会社設立の手続き-登記-1-会社設立登記とは」を参照ください。

会社設立の登記を申請するときには、多くの書類が必要になります。

主な必要書類は下表のとおりです。各書類の詳細な説明につきましては、リンク先のページを参照ください。

会社設立登記申請の必要書類
書類名 必要な場合 詳細を説明したページ
株式会社設立登記申請書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-3-株式会社設立登記申請書の書き方
認証を受けた定款 必ず必要 会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
本店所在地決定書 定款に地番までの記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-4-本店所在地決定書の書き方
払込証明書 必ず必要 会社設立の手続き-登記-2-資本金の払い込みと払込証明書の書き方
資本金の額の計上に関する証明書 金銭以外での出資がある場合  「会社設立の手続き-登記-5-資本金の額の計上に関する証明書の書き方
設立時発行株式に関する発起人の同意書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-6-設立時発行株式に関する発起人の同意書の書き方
設立時取締役選任決議書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時監査役選任決議書 監査役を置く場合で定款に定めない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時代表取締役選定決議書 場合による  「会社設立の手続き-登記-8-設立時代表取締役選定決議書の書き方
設立時取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時代表取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時監査役の就任承諾書 監査役を置く場合  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
取締役全員の印鑑証明書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-10-印鑑証明書
登記すべき事項を記録した磁気ディスク 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-11-「登記すべき事項」の提出(CD-R)」
印鑑届書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-12-印鑑届書の書き方
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

書類を作成したら、登記申請書類の製本をします。

製本については、「会社設立の手続き-登記-13-株式会社設立登記申請書の製本」を参照ください。
登記申請については、「会社設立の手続き-登記-14-法務局で登記の申請を行う」を参照ください。

 

 

おわりに

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業して間もない経営者様の支援を得意としている若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の支援をさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。