はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
ITやインターネット、ソフトウェア関連企業に強い公認会計士・税理士が、業界に特有な会計処理や経理、税金について解説します。
今回は、デジタルコンテンツの会計処理について説明したいと思います。
会計におけるコンテンツ
会計におけるコンテンツとは、ソフトウェアが処理をする対象である電子データである情報の内容のことを指します。
- データベースソフトウェアが処理をする対象であるデータ
- 映像ソフトウェアが処理をする対象である画像データ
- 音楽ソフトウェアが処理をする対象である音楽データ
一方、会計におけるソフトウェアとは、コンピュータに一定の仕事を行わせるためのプログラム ( システム仕様書やフローチャート、マニュアルなどプログラムに関連する文書も含まれます ) のことを指します。
このように会計上は、コンテンツとソフトウェアを分けており、原則としてそれぞれに異なった会計処理が求められます。
コンテンツとソフトウェアを分けられない場合
原則としては、コンテンツとソフトウェアを分けて会計処理することになりますが、コンテンツとソフトウェアを分けることが難しい場合はけっこう多いと思います。
コンテンツとソフトウェアが経済的・機能的に一緒になっていて分けることができないような場合は、それらを一緒にして判断して、コンテンツが主要な性格であるならばコンテンツとして会計処理、ソフトウェアが主要な性格であるならばソフトウェアとして会計処理することになります。
コンテンツの制作費の会計処理
コンテンツの制作費の会計処理は、各社の業態や実情によって様々な方法が考えられますが、棚卸資産として処理する一般的な方法をお伝えします。
コンテンツの制作費は、原価計算を行って人件費や外注費、経費といったものを個々のコンテンツごとに集計します。
- コンテンツが未完成の制作途中のものは、この集計した費用を仕掛品(棚卸資産)として計上します。
- コンテンツとして完成したものは、この集計した費用を原価(費用)として計上します。
また、コンテンツを有形のモノとして考えて有形固定資産として会計処理する方法や、著作権など無形資産としての価値を重視して無形固定資産として会計処理する方法などもあります。
コンテンツの売上の会計処理
コンテンツの売上を計上するタイミングは、コンテンツを販売・配信した時点です。
コンテンツを販売・配信にかかる入金があった時点ではありません。
コンテンツの売上計上は、特に決算日前後の取引について、今期の売上になるのか、来期の売上になるのかを注意してくださいね。
おわりに
コンテンツの会計処理は、公認会計士や税理士といった会計の専門家であっても判断が難しいものです。コンテンツビジネスを行っている会社さんは、この業界に詳しい公認会計士や税理士にご相談ください。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。