印紙税・収入印紙の基礎 | 収入印紙の仕訳・経理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区のベンチャー企業や起業家様、経営者様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方フリーランス・個人事業主などの個人の方が納めることになる税金について解説します。

 

今回は、身近な税金である印紙税と収入印紙の基礎として、収入印紙を購入したときの仕訳・経理処理について説明したいと思います。

 

 

 

収入印紙の仕訳・経理処理

収入印紙の仕訳・経理処理の方法は2通りあります。

  1. 収入印紙を購入した時に租税公課(費用)として経理処理する方法
  2. 収入印紙を購入した時に貯蔵品(資産)として経理処理する方法

お好きな方法を選んで構いませんが、1の購入時に租税公課を用いる方法が一般的だと思います。

 

消費税の処理についても、収入印紙を購入した場所によって2通りあります。

  1. 郵便局や法務局、コンビニエンスストアなどの印紙売さばき所で購入した場合は、消費税の非課税取引になります。会計ソフトで入力する際は、非課税仕入にしてください。
  2. 金券ショップやチケット屋さんなどで購入した場合は、消費税の課税取引になります。会計ソフトで入力する際は、課税仕入にしてください。

 

 

収入印紙を購入時に租税公課(費用)で処理

収入印紙を購入した時に租税公課(費用)として経理処理する方法における、具体的な仕訳・経理処理です。

収入印紙は使った分しか費用にできないので、期末に収入印紙が残っている場合は、貯蔵品に振り替えます。

 

郵便局や法務局、コンビニエンスストアなどの印紙売さばき所で購入した場合

1. 郵便局で200円の収入印紙を50枚 ( 1枚200円(消費税は非課税です)で1万円の支払い ) 購入した
2. 200円の収入印紙を領収書に貼ってお客様に渡した
3. 期末決算日に200円の収入印紙が10枚 ( 2千円分 ) 残っていた
借方 貸方
1. 租税公課 10,000円 現金 10,000円
2. 仕訳なし
3. 貯蔵品 2,000円 租税公課 2,000円
東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

金券ショップやチケット屋さんなどで購入した場合(消費税率は10%と仮定)

1. 金券ショップで200円の収入印紙を50枚 ( 1枚198円(税抜180円)で9,900円の支払い ) 購入した
2. 200円の収入印紙を領収書に貼ってお客様に渡した
3. 期末決算日に200円の収入印紙が10枚 ( 税抜180円 × 10枚 = 1,800円 ) 残っていた
借方 貸方
1. 租税公課 9,000円 現金 9,900円
仮払消費税 900円
2. 仕訳なし
3. 貯蔵品 1,800円 租税公課 1,800円
東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

 

収入印紙を購入時に貯蔵品(資産)で経理

収入印紙を購入した時に貯蔵品(資産)として経理処理する方法における、具体的な仕訳・経理処理です。

収入印紙を使用の都度、貯蔵品から租税公課に振り替えます。

 

郵便局や法務局、コンビニエンスストアなどの印紙売さばき所で購入した場合

1. 郵便局で200円の収入印紙を50枚 ( 1枚200円(消費税は非課税です)で1万円の支払い ) 購入した
2. 200円の収入印紙を領収書に貼ってお客様に渡した
3. 期末決算日に200円の収入印紙が10枚 ( 2千円分 ) 残っていた
借方 貸方
1. 貯蔵品 10,000円 現金 10,000円
2. 租税公課 200円 貯蔵品 200円
3. 仕訳なし
東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

金券ショップやチケット屋さんなどで購入した場合(消費税率は10%と仮定)

1. 金券ショップで200円の収入印紙を50枚 ( 1枚198円(税抜180円)で9,900円の支払い ) 購入した
2. 200円の収入印紙を領収書に貼ってお客様に渡した
3. 期末決算日に200円の収入印紙が10枚 ( 税抜180円 × 10枚 = 1,800円 ) 残っていた
借方 貸方
1. 貯蔵品 9,000円 現金 9,900円
仮払消費税 900円
2. 租税公課 180円 貯蔵品 180円
3. 仕訳なし
東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

 

収入印紙の税務調査

税務調査の際には、収入印紙について下記のような調査が行われる可能性があります。

  • 契約書などに収入印紙がキチンと貼られているか
  • 期末間際に大量に購入した収入印紙について、使っていないのに費用処理していないか
  • 収入印紙の購入状況と使用状況、残高に整合性があるか
  • 売上に伴う領収書の発行状況に見合った収入印紙の購入があるか(お客様に渡す領収書にキチンと収入印紙を貼っているか)

また収入印紙は、従業員の不正にも利用されることがあります。普段からしっかりと在庫管理をしてくださいね。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、起業をお考えの方や起業して間もない方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。