フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-3

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

3回にわたってフリーランス個人事業主法人(株式会社)のメリットとデメリット、そしてフリーランス・個人事業主から会社設立するタイミングを考えてみたいと思います。

 

今回は、フリーランス、個人事業主から株式会社設立(法人化)するタイミングについてです。

 

 

フリーランス・個人事業主と法人(株式会社)の比較まとめ

フリーランス・個人事業主と法人(株式会社)の比較について簡単にまとめたのが下表になります。

 

個人事業主 株式会社
設立手続き 簡単 難しい
設立費用 不要 30万円程度
組織構成 自由 取締役1名以上
責任 無限責任 有限責任
信用 低い 高い
融資 不利 有利
帳簿 簡単(白色申告) 複雑(複式簿記)
社会保険 国民健康保険、国民年金 健康保険、厚生年金
事業継続 事業主死亡で終了 継続可能
税務メリット 小さい 大きい
作成:東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

会社設立(法人化)するタイミング

起業して事業をはじめた時の組織の形態としては、個人事業主として開業するのが7割、株式会社などの法人として開業するのが3割とのデータもあります。

 

昔は株式会社を設立するためには資本金として1,000万円を用意する必要があったので、まずは手軽に始められる個人事業主としてスタートして、事業が軌道に乗った段階で会社を設立するという手法がとられていました。また、消費税の免税メリットを最大限に享受するためにも個人事業主からスタートするという考えもあるでしょう。

しかし、会社法が施行されて法人設立が容易(資本金は1円で設立可能)になってきた現在では、最初から法人にしても大きなデメリットはないと言えます。

また、取引先の要請(個人とは取引しない会社も少なくない)でやむを得ず法人に移行する場合もあります。

 

どのタイミングで法人化するべきかということですが、

 

金銭面からの観点では、フリーランス・個人事業の年間の利益(売上ではない)が1,000万円程度見込める場合が、フリーランス・個人事業主から株式会社設立(法人化)する目安と考えます。(税率だけ見れば年間利益400万あれば節税効果はありますが、法人化による設立、維持コストを勘案すると1,000万円程度が理想です)

 

リスク遮断の観点では、事業の細部まで目が行き届くのであれば個人事業主のままでも問題ありませんが、事業がある程度拡大して、現場作業や事務作業を従業員に任せることが多くなってきたら法人化することをオススメします。

 

金銭的には多少の損をしても、信用や人材の確保といったソフト面を重視して、初めから会社設立をする人も多くいらっしゃいます。

 

 

おわりに

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-1」では、フリーランス・個人事業主のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-2」では、法人(株式会社)のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。