源泉徴収する時期 | 源泉所得税・源泉徴収

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様、経営者様を支援してきた経験から、フリーランス・個人事業主などの個人の方、株式会社などの法人の方が納めることになる税金について解説します。

今回は、所得税を源泉徴収する時期について説明したいと思います。

 

 

源泉徴収する時期

所得税と復興特別所得税を源泉徴収する時期は、実際に源泉徴収の対象となる給料や報酬などを支払う時になります。そのため、給料や報酬などを支払うことが決まっていたとしても、実際に支払われずに未払いとなっている場合は、原則として源泉徴収する必要はありません。

源泉徴収する際の「支払」には、実際に現金を渡したり、預金口座に振り込んだりすることの他にも、給料や報酬などの支払債務が消滅する行為が含まれます。

このように、基本的には、実際に給料や報酬などを”支払った”時期に源泉徴収するとこになります。

 

 

一部未払いの場合の源泉徴収

給与など、その一部を支払って、残額が未払となる場合には、支払うべき給与等の金額に対する所得税・復興特別所得税のうち、実際に支払った給与等の金額に対応する部分の所得税・復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。

具体的な数値例として、給料を20万円支払うところを、資金繰りの都合で15万円だけ支払って、残りの5万円を未払いにしたとします。

  1. まずは、その月に支払うべきであった給料の金額(20万円)を「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめて所得税・復興特別所得税の額を計算します。実際に支払った給料(15万円)に「給与所得の源泉徴収税額表」を当てはめるのではないので注意してください。
  2. 1で計算した所得税・復興特別所得税の額に、支払うべきであった給料の金額(20万円)を分母、実際に支払った給料の金額(15万円)を分子とした割合を掛けます。
  3. 2で計算した所得税及び復興特別所得税の額が、実際に支払った給料(15万円)から源泉徴収する税額です。

 

年末調整を行う際に、未払になっている給与等が残っている場合は、

  • その未払分の給与等も年間の給与等の支払金額の総額に含めるとともに、
  • その未払給与等に対応する所得税及び復興特別所得税の額も年間の所得税及び復興特別所得税の額の総額に含めて、

年末調整を行います。

 

 

源泉徴収する時期の例外

源泉徴収する時期の例外として、配当や役員賞与、組合契約事業から生じた利益の配分については、実際に支払っておらず未払いとなっている場合であっても、未払いのまま一定期間が過ぎると、たとえ未払いであっても税務上は支払ったものとみなされ、源泉徴収する必要があります。

役員賞与の場合は、支払確定日から1年経過しても、その支払がされない場合には、支払確定日から1年経過した日に支払があったものとみなされ、役員賞与が未払いであっても源泉徴収することになります。

 

 

必要経費や損金にする時期

源泉徴収する時期と混同しやすいものとして、必要経費や損金にする時期があります。

フリーランス・個人事業主の必要経費、株式会社など法人の損金(税金を計算するうえでの経費や費用)については、実際に支払っておらず未払いであっても、条件を満たせばその年に計上することができます。

 

 

おわりに

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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。