お給料を2社以上からもらっている役員・従業員などの源泉徴収税額

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、お給料を2社以上からもらっている役員・従業員などの源泉徴収について説明したいと思います。

 

 

主たる給与と従たる給与

会社の役員をやっている人などの中には、2以上の会社から給与をもらっている場合も少なくありません。

例えば、複数の会社を経営している人や席を置いている会社以外の会社にも携わっている人などです。

このような場合には、その人に支払う役員報酬・給料といった給与が

  • 主たる給与に該当するのか
  • 従たる給与に該当するのか

を確認する必要があります。

 

主たる給与

主たる給与とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に対して支払う給与をいいます。

主たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「甲欄」を使って計算します。一般的にはこちらを使うことが多いと思います。

 

従たる給与

従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与をいいます。

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」を使って計算します。

なお、従たる給与については原則として年末調整できません。
そのため、従たる給与をもらっている人は、自分で確定申告を行って所得税と復興特別所得税の精算を行う必要があります。

 

 

従たる給与についての扶養控除等申告書

扶養控除等申告書には、一般的に用いられる「給与所得者の扶養控除等申告書」の他に、「従たる給与についての扶養控除等申告書」というものがあります。

 

2ヶ所以上から給与をもらう人のうち、
主たる給与の支払者から受け取るその年中の給与の金額(給与所得控除後の給与等の金額)が、下記の1と2の金額の合計額未満になると見込まれる人が、
従たる給与の支払者(主たる給与の支払者以外の給与の支払者)のもとで配偶者控除や扶養控除を受けるために提出するものが「従たる給与についての扶養控除等申告書」になります。

  1. 主たる給与の支払者から受け取る給与から控除される社会保険料等の額
  2. その人の障害者控除額、寡婦(寡夫)控除額、勤労学生控除額、配偶者控除額、扶養控除額及び基礎控除額の合計額

 

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」を使って計算しますが、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している人については、「乙欄」を使って計算した源泉徴収税額から下記の金額を差し引きます。

  • 月額表を使う場合は、「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など1人につき1,610円
  • 日額表を使う場合は、「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など1人につき50円

 

2ヶ所以上から給与をもらう人のうち、上記の条件に当てはまる人は稀だと思いますが、上記の条件に当てはまる場合は、源泉徴収税額が少なくなるのでご検討ください。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。