はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が資金調達について解説します。
今回は、金融機関から融資してもらえる決算書として自己資本比率について説明したいと思います。
金融機関が融資したい会社
あなたがお金を貸すとしたら、どんな人にお金を貸したいですか。返済期限を守ってちゃんと返してくれる人ではないでしょうか。これは銀行など金融機関の融資担当者にももちろん当てはまります。
そこで、自分が「返済期限を守ってちゃんと返してくれる会社」であることを金融機関に説明する道具として、自己資本比率という財務指標が使われるのです。
この自己資本比率は、金融機関が一番重要視する数値といっても過言ではありません。
自己資本比率とは
自己資本比率とは総資本のうち自己資本が占める比率をいいます。
自己資本比率は会社の全財産に対して返済する必要がない自己資本がどのくらいあるのかを示し、自己資本比率が高いほど会社の財務的な安定性は高いといえます。
決算書の貸借対照表の項目から次のように計算します。
自己資本比率
= 純資産合計 ÷ 資産合計
= 純資産合計 ÷ ( 負債合計 + 純資産合計 )
自己資本比率は何%必要なのか
自己資本比率は業種にもよりますが、30%が平均的な値で、40%を超えると財務安定性が高い優良企業とみられます。
金融機関から融資してもらうためには、自己資本比率は最低でも30%、できれば40%は欲しいところです。
自己資本比率を高めるには
自己資本比率の計算式をもう一度見てみましょう。
自己資本比率
= 純資産合計 ÷ 資産合計
= 純資産合計 ÷ ( 負債合計 + 純資産合計 )
この式から、自己資本比率を高めるには次の3つの方法があることになります。
資産合計を減らす
- 滞留している売掛金や不良債権を処理する
- 余分な在庫を処分する
- 不要な固定資産を処分する
- 不要な投資を現金化する
純資産合計を増やす
- 増資をして資本金を増やす
- 儲けを出して内部留保(利益剰余金)を増やす
負債合計を減らす
- 不要資産を処分したお金で借入金の返済をすすめる
- 仕入債務(買掛気や支払手形)を減らせば(支払いイトを短くすれば)負債が減るが、資金繰りが悪化してしまうので注意
役員借入金がある場合
会社に役員からの借入金がある場合は、実質的には自己資本(純資産)として考慮される場合があります。特に中小企業などにおいては会社と社長は一体と考えられるためです。
とはいえ、役員借入金を資本金に変えてしまえば(デッドエクイティスワップ)、よりきれいな決算書になるのでご検討してみてください。
おわりに
自己資本比率を高めることは金融機関対策になるだけでなく、資金繰りがよくなるなど会社自身にとても良い影響をもたらします。自己資本比率の改善は容易ではありませんが、見返りも大きいのでぜひ実践してください。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。