はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。
今回は、未上場株式(非上場株式)の配当を受け取った場合の税金について説明したいと思います。
未上場株式の配当にかかる源泉徴収
平成25年1月1日以後に未上場株式の配当を受ける場合は、20.42%の税率によって所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。地方税である住民税は徴収されません。
例えば、Aさんが甲社から8万円の配当金を受け取る場合、
80,000円 ✕ 20.42% = 16,336円 が甲社によって源泉徴収(天引き)されて、
80,000円 - 16,336円 = 63,664円 がAさんの手取りとして入金されます。
源泉徴収されたAさんの税金である16,336円は、Aさんに代わって甲社が税務署に納めます。
未上場株式の配当にかかる確定申告
受け取った未上場株式の配当金は、原則として確定申告の対象になります。
確定申告を行う場合は、サラリーマンの給与所得や個人事業主の事業所得など他の所得と合算して税金を計算することになります(総合課税)。
源泉徴収として天引きされている税金については、確定申告によって精算します。
確定申告で計算された税金が源泉徴収された税金よりも多ければ、その差額を追加で納めます。
逆に、確定申告で計算された税金が源泉徴収された税金よりも少なければ、その差額を返してもらえます(還付)。
また、確定申告を行う場合は、配当控除を受けることができます。
未上場株式の配当にかかる確定申告不要制度
上記のとおり未上場株式の配当は、原則として確定申告の対象になります。
しかし、受け取った未上場株式の配当について、一回で受け取る配当金が、次の金額以下である場合には、確定申告をしなくてもよくなります(確定申告不要制度)。
10万円 × 配当計算期間の月数 ÷ 12ヶ月
年1回の配当の場合は10万円、年2回(中間配当と年度配当)の場合は5万円です。
配当計算期間が1年を超える場合は、12ヶ月として計算します。
配当計算期間に1ヶ月未満の端数がある場合は、1ヶ月として計算します。
選択制なので、上記に当てはまる場合であっても確定申告しても構いません。
1回に支払を受けるべき配当ごとに、次の選択をすることができます。
- 確定申告不要制度を適用して源泉徴収だけで済ませる
- 他の所得と合算して確定申告を行う
ただし、確定申告不要制度を選択した配当に係る源泉徴収税額は、所得税額から差し引くことはできません。
未上場株式の配当にかかる住民税
いままでは、税務署に納める国税である所得税のお話でした。
ここからは、地方税である住民税のお話になります。
住民税には、未上場株式の配当にかかる特別徴収(天引き)制度がありません。
住民税には、少額の未上場株式の配当についての申告不要制度がありません。
そのため、住民税については、未上場株式の配当を受け取った場合に申告をする必要があるので注意してください。
おわりに
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。