カテゴリー: 税金と節税

個人事業主が加害者として支払った損賠賠償金は必要経費になるか

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、個人事業主が加害者として支払った損賠賠償金は必要経費になるかについて説明したいと思います。

 

 

 

個人事業主が損賠賠償金を支払った場合

個人事業主やその従業員が交通事故などを起こしてしまい、被害者に損害賠償金などを支払った場合( この場合の損害賠償金には、慰謝料、示談金、見舞金などを問わず、他人に与えた損害を補てんするために支払うことになる全てのものが含まれます )、この損害賠償金が事業所得の必要経費になるかどうかは次の2つから判定されます。

  • その事故が業務に関連して起こったものであるのかどうか
  • その事故の原因に故意または重大な過失があったかどうか

 

 

支払った損害賠償金が必要経費になるかどうかの判定

まずは、その事故が業務に関連して起こったものでない場合は必要経費になりません。
次に、その事故が業務に関連して起こったものであるが、その事故原因に故意または重大な過失があった場合も必要経費になりません。

なお、重大な過失があったかどうかは、加害者の職業、地位、事故当時の周囲の状況、侵害した権利の内容及び取締法規の有無といった具体的な事情を考慮して、加害者が本来払うべきであった注意を払ったかどうかによって判定されます。
交通事故を例に挙げると、無免許運転、スピード違反、酒気帯び運転、信号無視などによって起こった交通事故は、原則として重大な過失があったものとされます。

このように、個人事業主が加害者として被害者に支払った損害賠償金が事業所得の必要経費になるのは、商品の配送や売掛金などの集金の途中など業務に関連した事故で、かつ、故意または重大な過失がない場合など、限定されます。

 

 

従業員の損害賠償金を事業主が負担した場合

従業員が起こした事故などにかかる損害賠償金を事業主が負担した場合は、次のようになります。

従業員が起こした事故について、事業主に故意または重大な過失がある場合には、たとえ事故を起こした従業員に故意または重大な過失がなかったとしても、事業主の必要経費になりません。

従業員が起こした事故について、事業主に故意または重大な過失がない場合、事故を起こした従業員に故意または重大な過失があったかどうかは問わず、
その事故が業務に関連して起こったものであれば事業主の必要経費になり、
その事故が業務に関連して起こったものでなくても、事故を起こした従業員(家族従業員は除く)の雇用主としての立場からやむを得ず負担したものは必要経費になります。
上記以外は必要経費になりません。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

国民年金、厚生年金、共済年金などに対する税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金等に対する税金について説明したいと思います。

 

 

公的年金等に対する税金

国民年金、厚生年金、共済年金などについては、1月1日から12月31日までの1年間の「年金の収入金額の合計額」から、「公的年金等控除」という控除額を差し引いた残額が、「公的年金等に係る雑所得」として所得税と住民税が課税されます。

「年金の収入金額の合計額」 - 「公的年金等控除」 = 「公的年金等に係る雑所得」

 

 

公的年金等控除

公的年金等控除は、次の表により算出します。

公的年金等控除の計算
年齢 A 公的年金等の収入金額 公的年金等控除
65歳未満 130万円未満 70万円
130万円以上 410万円未満 A × 0.25 + 37.5万円
410万円以上 770万円未満 A × 0.15 + 78.5万円
770万円以上 A × 0.05 + 155.5万円
65歳以上 330万円未満 120万円
330万円以上 410万円未満 A × 0.25 + 37.5万円
410万円以上 770万円未満 A × 0.15 + 78.5万円
770万円以上 A × 0.05 + 155.5万円

年金を受け取る人のその年の12月31日における年齢が、65歳未満であるか65歳以上であるかによって分けられ、公的年金等の収入金額の合計額に応じて計算します。

 

 

公的年金等からの源泉徴収

1年間で、65歳未満の場合は108万円、65歳以上の場合は158万円を超える公的年金を受け取るときは、所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます(受け取る年金から税金が天引きされます)。

年金事務所(日本年金機構)から11月くらいに「扶養控除等申告書」が送られてくると思います。こちらに必要事項を記載して提出することで、源泉徴収される金額に、公的年金等控除や配偶者控除、扶養控除などが反映されるので、忘れずに提出してくださいね。

 

 

公的年金等の確定申告

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じたすべての所得の金額と、その所得に対する所得税の金額を計算して、申告期限までに税務署に確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。

公的年金等は、上記のとおり雑所得として課税の対象となっており、一定金額以上の年金を受け取るときには所得税が源泉徴収されますので、確定申告を行って税金の過不足を精算する必要があります。

しかし、公的年金等の収入金額(控除する前の額面の金額)が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告は必要ありません。これを確定申告不要制度といいます。多くの年金受給者につきましては、この確定申告不要制度が適用されることになると思います。

なお、確定申告不要制度が適用される方であっても、社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除などの適用を受けて源泉徴収された税金を還付してもらう場合は、確定申告をする必要があります。
確定申告を行う場合は、源泉徴収票の原本の添付が必要になるので捨てずに保管しておいてくださいね。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

所得補償保険の税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、所得補償保険の税金について説明したいと思います。

 

 

所得補償保険とは

所得補償保険とは、被保険者が病気やケガによる入院や自宅療養のために働けなくなった場合、その期間における給与や収益といった所得の補てんとして保険金が支払われる損害保険契約になります。

医療保険が病気やケガの治療にかかる医療費に対して保険金が支払われるのに対して、
所得補償保険は病気やケガによって働けなくなったことによる所得の減少に対して保険金が支払われる、
という違いがあります。

医療保険が医療費に備えて入る保険であるのに対して、所得補償保険は収入の減少に備えて入る保険といえます。

 

 

所得補償保険の必要性

会社勤めのサラリーマンなどは、病気やケガによる入院や自宅療養で会社を休んでいる間、会社独自の保障を受けられる場合がありますし、会社から十分な保障が受けられない場合であっても、加入している健康保険から被保険者とその家族の生活を保障するために傷病手当金が支給されます。
そのため、所得補償保険の必要性はそれほど高くないかもしれません。

対して、自営業といった個人事業主の場合はこのような保障がないため、サラリーマンに比べて所得補償保険の必要性は高いといえます。

 

 

所得保障保険の保険金に対する税金

所得補償保険の保険金は、身体の損害に基因して支払を受ける保険金に該当するため、非課税として所得税などの税金はかかりません。

なお、個人事業主が自分を被保険者とする所得補償保険に加入して保険料を支払った場合、その所得補償保険の保険料は家事費 ( プラーベートな支出 ) であるため、個人事業主が営む業務について生じた費用とはいえません。
よって、個人事業主の所得金額の計算における必要経費にすることはできないので注意してください。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

個人が満期保険金を受け取った場合の税金 | 生命保険の税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、個人が生命保険から満期保険金を受け取った場合の税金について説明したいと思います。

 

 

生命保険金の種類

生命保険から受け取る保険金には、保険契約にもよりますが主に次の2種類があります。

  • 死亡保険金・・・被保険者が死亡した場合に支払われる保険金
  • 満期保険金・・・被保険者が死亡することなく生存したまま保険契約の満期を迎えた場合に支払われる保険金

死亡保険金、満期保険金ともに、下記の保険契約の関係者がそれぞれ誰であるかによって税金が異なってくるので注意してください。

  • 契約者(保険料を支払っている人)
  • 被保険者(保険の対象になる人)
  • 保険金受取人(保険金を受け取る人)

 

今回は満期保険金について説明します。

 

 

満期保険金にかかる税金

病気や事故などによって被保険者がお亡くなりになることなく、生命保険契約が満期になって保険金受取人が満期保険金を受け取った場合には、契約者(保険料を支払っていた人)、保険金受取人(満期保険金を受け取る人)が、誰であるのかによって、所得税・住民税または相続税が課税されます。

満期保険金と税金の関係
保険料負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
Aさん だれでも Aさん 所得税・住民税
Aさん だれでも Bさん 贈与税
具体例
保険料負担者  被保険者 保険金受取人 税金の種類
だれでも 所得税・住民税
だれでも 贈与税

 

 

所得税・住民税が課税される場合

保険料を支払っている人と満期保険金の受取人が同一人物の場合は、満期保険金に所得税と住民税が課税され、受け取り方によって一時所得と雑所得に分けられます。

 

満期保険金を一時金として一括で受け取った場合には、一時所得として所得税と住民税が課税されます。

次の式で計算した金額が課税対象になります。
( 受け取った死亡保険金 - 支払った保険料の総額 - 50万円 ) / 2

 

満期保険金を年金として分割で受け取った場合には、雑所得(公的年金以外)として所得税と住民税が課税されます。

次の式で計算した金額が課税の対象になります。
その年中に受け取った年金 - その年中に受け取った年金に対応する払込保険料(掛け金)

 

なお、一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のもの、保険期間等が5年を超えるものであっても5年以内に解約されたものは、上記によらず、源泉分離課税されるので注意してください。

源泉分離課税される場合は、満期保険金と払込保険料との差額である保険差益に対して20.315%の税金がかかり、保険会社はその税金を満期保険金から差し引いた残額を保険金受取人に支払います。
保険会社が税金を天引きして税務署に納めるので、保険金受取人が受け取った満期保険金について確定申告をして税金を納める必要はありません。
源泉分離課税される20.315%の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%になります。

 

 

贈与税が課税される場合

保険料を支払っていた人と満期保険金の受取人が異なる場合は、満期保険金に贈与税が課税されます。

満期保険金に贈与税が課税される場合は、受け取った満期保険金から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた残額が課税対象になります(暦年課税の場合)。

 

 

おわりに

同じ額の満期保険金であっても税金の額は、「 所得税 < 贈与税 」となることが多いと思います。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

個人が死亡保険金を受け取った場合の税金 | 生命保険の税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、税金や節税について解説します。

今回は、個人が生命保険から死亡保険金を受け取った場合の税金について説明したいと思います。

 

 

生命保険金の種類

生命保険から受け取る保険金には、保険契約にもよりますが主に次の2種類があります。

  • 死亡保険金・・・被保険者が死亡した場合に支払われる保険金
  • 満期保険金・・・被保険者が死亡することなく生存したまま保険契約の満期を迎えた場合に支払われる保険金

 

死亡保険金、満期保険金ともに、下記の保険契約の関係者がそれぞれ誰であるかによって税金が異なってくるので注意してください。

  • 契約者(保険料を支払っている人)
  • 被保険者(保険の対象になる人)
  • 保険金受取人(保険金を受け取る人)

 

今回は死亡保険金について説明します。

 

 

 

死亡保険金にかかる税金

病気や事故などによって被保険者がお亡くなりになり、保険金受取人が死亡保険金を受け取った場合には、契約者(保険料を支払っていた人)、被保険者(亡くなった保険の対象者)、保険金受取人(死亡保険金を受け取る人)が、誰であるのかによって、相続税、贈与税、所得税のいずれかが課税されます。

死亡保険金と税金の関係
保険料負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
Aさん Aさん Bさん 相続税
Bさん Aさん Cさん 贈与税
Bさん Aさん Bさん 所得税・住民税
具体例
保険料負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
相続税
贈与税
所得税・住民税

 

 

相続税が課税される場合

保険料を支払っている人と亡くなった被保険者が同一人物の場合は、死亡保険金に相続税が課税されます。

  • 保険金受取人が被保険者の相続人である場合、死亡保険金は相続によって取得したものとみなされます。
  • 保険金受取人が被保険者の相続人以外の人である場合、死亡保険金は遺贈により取得したものとみなされます。

 

なお、死亡保険金に相続税が課税される場合で、保険金受取人が亡くなった被保険者の法定相続人である場合は、死亡保険金から 「 500万円 ✕ 法定相続人 」 が控除されます。

例えば、死亡保険金が4,000万円で法定相続人が3人いた場合は、1,500万円が控除されて、2,500万円だけが相続税の課税対象になります。

 

 

贈与税が課税される場合

保険料を支払っていた人、亡くなった被保険者、保険金受取人がすべて異なる場合は、死亡保険金に贈与税が課税されます。

死亡保険金に贈与税が課税される場合は、受け取った死亡保険金から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた残額が課税対象になります(暦年課税の場合)。

 

 

所得税・住民税が課税される場合

保険料を支払っていた人と保険金受取人が同一人の場合は、死亡保険金に所得税と住民税が課税され、受け取り方によって一時所得と雑所得に分けられます。

死亡保険金を一時金として一括で受け取った場合には、一時所得として所得税が課税されます。
次の式で計算した金額が課税対象になります。
( 受け取った死亡保険金 - 支払った保険料の総額 - 50万円 ) / 2

死亡保険金を年金として分割で受け取った場合には、雑所得(公的年金以外)として所得税が課税されます。
次の式で計算した金額が課税の対象になります。
その年中に受け取った年金 - その年中に受け取った年金に対応する払込保険料(掛け金)

 

 

おわりに

同じ額の死亡保険金であっても税金の額は、「 相続税 < 所得税 < 贈与税 」となることが多いと思いますので、このことも念頭に置いて保険契約を考えてくださいね。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。