はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。
今回は、一定の基準を満たす方に対して、その方が保有する財産と債務についての調書の提出を求める「財産債務調書」の提出制度についてご説明したいと思います。
財産債務調書の提出制度の趣旨
平成27年度の税制改正において、所得税や相続税の申告の適正性を確保する観点から、「財産及び債務の明細書」を見直し、一定の基準を満たす方に対して、その方が保有する財産と債務についての調書の提出を求める「財産債務調書」の提出制度が創設されました。
平成26年分までは「財産及び債務の明細書」でしたが、
平成27年分からは「財産債務調書」になります。
財産債務調書を提出する必要がある方
下記の3つ全てに当てはまる方は、その財産の種類、数量、価額、債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を税務署に提出する必要があります。
- 所得税等の確定申告書を提出しなければならない方
- その年分の総所得金額および山林所得金額の合計額※1が2千万円を超える方
- その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産またはその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産※2を有する方
※1
申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除後の所得金額の合計額を加算した金額になります。
ただし、次の繰越控除を受けている場合はその繰越控除を適用した後の金額になります。
- 純損失や雑損失の繰越控除
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
- 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
- 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
- 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
- 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
※2
国外転出特例対象財産とは、
- 所得税法第60条の2第1項に規定する有価証券等
- 所得税法第60条の2第2項に規定する未決済信用取引等
- 所得税法第60条の2第3項に規定する未決済デリバティブ取引に係る権利
をいいます。
財産債務調書における財産の価格
財産の価額とは、その年の12月31日における時価(または時価に準ずるものとしての見積価額)になります。
財産債務調書提出の期限
財産債務調書は、その年の翌年の3月15日までに所得税の納税地の税務署に提出します。
なお、法施行後の最初の財産債務調書の提出期限は、平成28年3月15日になります。
おわりに
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。