カテゴリー: 消費税

基準期間相当期間の課税売上高が5億円超とは | 特定新規設立法人-3

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、特定新規設立法人の要件である基準期間相当期間の課税売上高についてご説明したいと思います。

 

特定新規設立法人の概要についてはこちら
新設法人でも消費税の納税義務が免除されない場合があります | 特定新規設立法人-1

特定新規設立法人を支配するという特定要件についてはこちら
特定新規設立法人の判定における支配とは |特定新規設立法人-2

 

 

基準期間相当期間とは

基準期間相当期間とは、資本金の額または出資の金額が1,000万円未満の新規設立法人を支配する者(個人または法人)の、その新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間のことを言います。

基準期間相当期間は、原則として新規設立法人の基準期間がない事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までに終了した事業年度になります。

この基準期間相当期間における課税売上高が5億円を超える場合、その新規設立法人は基準期間がない事業年度であっても消費税の納税義務は免除されません。

 

 

特定新規設立法人の具体例

A株式会社は新たにB株式会社を設立しました。A株式会社はB株式会社の株式を50%超保有しています。

A株式会社の決算日は12月末です。
20X4年1月1日から20X4年12月31日の事業年度における課税売上高は5億円超です。
20X5年1月1日から20X5年12月31日の事業年度における課税売上高も5億円超です。

B株式会社の決算日は3月末です。
20X6年4月1日に設立されたので第1事業年度は20X6年4月1日から20X7年3月31日になります。

 

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した基準期間相当期間の課税売上高

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した基準期間相当期間の課税売上高

 

B株式会社の第1事業年度にかかるA株式会社の基準期間相当期間は、B株式会社の第1事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までに終了した事業年度であるため、20X4年1月1日から20X4年12月31日の事業年度になります。

同様に、B株式会社の第2事業年度にかかるA株式会社の基準期間相当期間は、B株式会社の第2事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までに終了した事業年度であるため、20X5年1月1日から20X5年12月31日の事業年度になります。

 

A株式会社はB株式会社の株式の50%超を保有しており、
かつ、
A株式会社の20X4年1月1日から20X4年12月31日の事業年度における課税売上高は5億円超であるため、
B株式会社においては第1事業年度における消費税の納税義務は免除されません。

同様に、
A株式会社の20X5年1月1日から20X5年12月31日の事業年度における課税売上高も5億円超であるため、
B株式会社においては第2事業年度における消費税の納税義務も免除されません。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

特定新規設立法人の判定における支配とは | 特定新規設立法人-2

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、消費税の納税義務が免除されない特定新規設立法人における支配についてご説明したいと思います。

 

 

 

支配とは

資本金や出資の金額が1,000万円未満の新規設立法人であっても、次の要件をすべて満たす場合は、特定新規設立法人に該当して、基準期間がなくても消費税の納税義務が免除されません。

  • 他の者(個人または法人)によって新規設立法人が支配されている(特定要件)
  • 当該他の者(個人または法人)の基準期間相当期間における課税売上高が5億円超である

 

支配とは、実質的に支配しているかどうかで判断されるため、株式の50%超を直接保有するという場合だけに限られず、次のような場合も該当します。

  • 新規設立法人の発行済株式等の50%超を直接または間接保有している
  • 新規設立法人の議決権の50%超を直接または間接保有している
  • 新規設立法人の社員数の50%超を直接または間接に占めている(合名会社や合資会社、合同会社など)

 

他の者には、他の者(個人または法人)の100%支配法人(子会社)、孫会社、ひ孫会社も含まれます。ただし、生計を別にしている親族などの完全支配法人は除かれます。

他の者(個人)には、その親族や使用人、内縁者なども含まれます。よって支配判定を行う場合はこれらの者が保有する株式等も含めて行います。

議決権とは、合併や分割などの組織再編、役員の選任・解任、役員報酬などに関する議決権のことをいいます。

 

 

おわりに

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新設法人でも消費税の納税義務が免除されない場合があります | 特定新規設立法人-1

はじめに

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今回は、新設法人でも消費税の納税義務が免除されない特定新規設立法人についてご説明したいと思います。

 

特定新規設立法人を支配するという特定要件についてはこちら
特定新規設立法人の判定における支配とは |特定新規設立法人-2

基準期間相当期間についてはこちら
基準期間相当期間の課税売上高が5億円超とは | 特定新規設立法人-3

 

 

新設法人の消費税

資本金1,000万円未満で新たに設立された法人については基準期間(原則としてその事業年度の前々事業年度)が存在しないため、設立1期目と2期目は原則として消費税の免税事業者となります。

ただし、基準期間が存在しなくても、特定期間(原則として前事業年度の上半期)における課税売上高または給与等支払額が1,000万円を超えた場合は、その課税期間から消費税の課税事業者になります。

 

 

特定新規設立法人の消費税

上記のように資本金1,000万円未満で新たに設立された法人は、原則として設立1期目と2期目は原則として消費税の免税事業者となります。

 

しかし、資本金1,000万円未満で新たに設立された法人であっても、下記いずれにも該当する新設法人(特定新規設立法人)の場合は、設立1期目と2期目についても消費税の課税事業者となり消費税の納税義務が免除されません。

  • 新規設立法人が「他の者」に支配されている(特定要件)
  • 上記の「他の者」および当該「他の者」と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の基準期間相当期間(新規設立法人の基準期間)における課税売上高が5億円を超えている

 

特定要件にある支配とは、株式等の50%超を直接または間接に保有されるなどが該当します。

例えば、課税売上高が5億円を超えるような大規模企業が新たに子会社を作る場合などは注意して下さい。

なお、特定新規設立法人に該当する場合は、「消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書」を税務署に提出する必要があります。

 

 

おわりに

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消費税の納税義務判定のフローチャート

はじめに

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今回は、消費税の納税義務判定についてご説明したいと思います。

 

 

フローチャート

消費税の納税義務判定のフローチャートは下記のとおりです。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した消費税の納税義務判定のフローチャート

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した消費税の納税義務判定のフローチャート

 

 

消費税の納税義務の判定では、

 

まずは基準期間が「ある」か「ない」かで分岐します。

基準期間が「ある」場合で基準期間における課税売上高が1,000万円を超える場合は、消費税の課税事業者になります。

 

基準期間が「ある」場合で基準期間における課税売上高が1,000万円以下の場合と、
基準期間が「ない」場合は、
特定期間における課税売上高で判定します。

 

特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合で、特定期間における給与等の支払額も1,000万円を超える場合は、消費税の課税事業者になります。

特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合であっても、特定期間における給与等の支払額は1,000万円以下の場合は、消費税の免税事業者になります。

特定期間における課税売上高が1,000万円以下の場合は、消費税の免税事業者になります。

 

なお、直前期が7ヶ月以下の法人の場合は、原則として特定期間による判定は不要です。
ただし、直前期が7ヶ月以下の法人であっても、当期開始の日前1年間に開始した前々期がある場合などはこの限りではありません。

 

 

おわりに

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新設法人の特定期間による消費税の納税義務の判定

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消費税の特定期間とは

消費税において、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合、その年またはその事業年度の消費税の納税義務は免除されません。

 

基準期間とは、
法人の場合はその事業年度の前々事業年度、
のことをいいます。
なお、法人の基準期間の課税売上高は年換算します。

 

特定期間とは、
法人の場合は原則としてその事業年度の前事業年度の上半期、
のことをいいます。

ただし、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかによって判定する代わりに、特定期間の給与等の支払額が1,000万円を超えるかどうかで判定することができます。

なお、特定期間の給与等の支払額とは、役員報酬や給与、賞与などになります。未払給与や所得税が非課税の通勤手当などは含めません。

 

 

月の途中で法人を新規設立した場合の特定期間

月の途中で設立した法人の場合の特定期間は、前事業年度の開始の日から6ヶ月の期間の末日の属する月の前月末日までの期間を特定期間の6ヶ月の期間とみなして、納税義務の判定を行います。

 

具体例でもう少しわかりやすく説明します。

 

前年の20X1年5月20日に決算日が3月31日の法人を新規設立した場合、
前事業年度は20X1年5月20日から20X2年3月31日になります。
前事業年度の開始の日である20X1年5月20日から6ヶ月の期間の末日は20X1年11月19日になります。
前事業年度の開始の日から6ヶ月の期間の末日である20X1年11月19日の属する月の前月末日は20X1年10月31日になります。
よって、当期の特定期間は20X1年5月20日から20X1年10月31日になります。

20X1年5月20日から20X1年10月31日の期間中の課税売上高と給与等の支払額の両方が1,000万円を超える場合は当期(20X2年4月1日から20X3年3月31日)は消費税の課税事業者になります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した新設法人の特定期間による消費税の納税義務の判定

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した新設法人の特定期間による消費税の納税義務の判定

 

 

設立事業年度が7ヶ月以下の場合

前事業年度に法人を設立して、その事業年度の前事業年度である設立初年度の月数が7ヶ月以下の場合は、原則としてその事業年度における特定期間がないことになります。

よって、資本金1,000万円未満の新設法人で、法人を設立した初年度の月数を7ヶ月以下に設定すれば、原則として設立事業年度とその翌事業年度は消費税の納税義務は免除されることになります。

なお3期目においては、
基準期間である設立事業年度の課税売上高を年換算して判定、
かつ、特定期間である2期目上半期の課税売上高と給与等の支払額で判定(年換算はしない)します。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した設立事業年度が7ヶ月以下の場合

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した設立事業年度が7ヶ月以下の場合

 

 

おわりに

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