カテゴリー: 消費税

個人事業主の特定期間による消費税の納税義務の判定

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、個人事業主の特定期間による消費税の納税義務の判定についてご説明したいと思います。

 

 

 

消費税の特定期間とは

消費税において、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合、その年またはその事業年度の消費税の納税義務は免除されません。

 

基準期間とは、
個人事業主の場合はその年の前々年の1月1日から12月31日、
のことをいいます。

 

特定期間とは、
個人事業主の場合はその年の前年の1月1日から6月30日、
のことをいいます。

ただし、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかによって判定する代わりに、特定期間の給与等の支払額が1,000万円を超えるかどうかで判定することができます。

なお、特定期間の給与等の支払額とは、役員報酬や給与、賞与などになります。未払給与や所得税が非課税の通勤手当などは含めません。

 

 

個人事業主の消費税の納税義務の判定

個人事業主の消費税の納税義務の判定は次のように行います。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した個人事業主の消費税の納税義務の判定

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した個人事業主の消費税の納税義務の判定

 

個人事業主の場合、

基準期間の課税売上高①が1,000万円以下であったとしても、
特定期間の課税売上高②と特定期間の給与等の支払額③の両方が1,000万円を超える場合は、消費税の課税事業者になります。

基準期間の課税売上高①が1,000万円以下で、
特定期間の課税売上高②または特定期間の給与等の支払額③のどちらか一方でも1,000万円以下になる場合は、消費税の免税事業者になることができます。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、会計や税金節税などについて解説します。

 

今回は、消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理について説明したいと思います。

逆に、
消費税の免税事業者から課税事業者になったときについてはこちら
消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

 

 

課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の問題

次のような例を考えてみてください。

 

会社設立して10期目、小売業を営んでいる乙社は、消費税の課税事業者として、消費税を納めていました。

課税期間における課税売上高が1,000万円以下になってしまったため、
(前期である9期の消費税抜きの売上高が1,000万円以下になってしまったため、)

来期11期は、消費税の免税事業者になります。

 

ところで乙社は、
当期の10期に商品Bを仕入れて、
来期の11期にその商品Bを販売することを考えています。

消費税の課税事業者である当期10期には、商品Bについての仕入税額控除を行う予定です。

消費税の免税事業者になる来期11期に、10期に仕入れた商品Bを販売した場合、免税事業者であるため、商品Bの販売について顧客から預かった消費税については、納めなくていいことになります。

 

このように、
仕入れについては、消費税の仕入税額控除を行ったのに、
販売については、預かった消費税を納めなくていいとなると、
消費税のバランスがとれなくなってしまい問題になります。

そこで、消費税法では次のように定められています。

 

 

課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

消費税の課税事業者が、消費税の免税事業者となった場合、

消費税の課税事業者であった課税期間の最終日時点で持っている棚卸資産のうち、課税期間において仕入れた棚卸資産に係る消費税は、
その課税期間の課税仕入れ等の税額の対象にすることはできません。

つまり上記の乙社の例では、
10期に仕入れた商品Bのうち、10期に販売せずに10期末の時点で在庫・棚卸資産として残っている商品Bについては、
10期における仕入税額控除の対象にはならないことになります。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、会計や税金節税などについて解説します。

 

今回は、消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理について説明したいと思います。

逆に、
消費税の課税事業者から免税事業者になったときについてはこちら
消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

 

 

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の問題

消費税の免税事業者から、新たに課税事業者となった場合、免税事業者の期間に仕入れた商品などの棚卸資産の取扱いが問題になります。

例えば、下記のように免税事業者であった期間に仕入れた商品を、課税事業者になった期間に売った場合を考えます。

甲社は会社設立して当期は3期目です。
1期、2期は消費税の免税事業者でしたが、1期の課税売上高が1,200万円であったため、3期からは消費税の課税事業者になります。
甲社は免税事業者であった2期に仕入れた商品Aを、課税事業者になった3期において販売しました。

商品Aを売った3期の時点では、課税事業者なので、商品Aの販売にかかる消費税を顧客から預かりますが、
商品Aを仕入れた2期の時点では、免税事業者なので、商品Aの仕入れにかかる消費税について仕入税額控除はできないのでしょうか。

 

もし、仕入税額控除ができないとなると、商品Aについては顧客から預かった消費税をまるまる納めなければならなくなります。

この点について消費税法では次のように定められています。

 

 

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

新たに課税事業者となる日の前日において持っている商品などの棚卸資産のなかに、免除事業者の期間に仕入れた棚卸資産がある場合、その棚卸資産に係る消費税額は、課税事業者の期間の課税仕入れ等の税額とみなされ、仕入税額控除の対象になります。

つまり、上記の例では、仕入税額控除ができることになります。

 

 

仕入税額控除の対象になる棚卸資産

この仕入税額控除の対象となる棚卸資産は、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵中の消耗品などで、新たに課税事業者となる日の前日の時点において所有しているものをいいます。

 

 

この適用を受けるために

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の仕入税額控除の適用を受けるためには、その棚卸資産の明細を作成して、その課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から、7年間保存する必要があります。

 

 

おわりに

売上高が1,000万円前後で推移して、免税事業者である期間と課税事業者である期間を行ったり来たりする場合は、特に注意してくださいね。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税の税務調査 原則課税の場合

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方、フリーランス・個人事業主などの個人の方の税金や節税について解説します。

今回は、消費税の計算を原則課税で行っている場合の税務調査について説明したいと思います。

 

 

消費税の原則課税とは

消費税の納税額の計算は、原則として原則課税という方式で行います。
原則課税では、下記の計算式で納税額(地方消費税含む)を計算します。

売上高(税抜き課税売上高) × 8% - 仕入高(税込みの課税仕入高) × 8/108

売上が5,000万円以下の事業者で消費税の納税額の計算を簡易課税で行っている場合は下記ページを参照ください。
消費税の税務調査 簡易課税の場合

 

 

消費税の税務調査

消費税の税務調査は、原則課税であっても簡易課税であっても原則的には、法人税や所得税の税務調査と同時に行われます。しかし、消費税の還付申告を行った場合や、赤字であった場合などは、消費税だけが調査されることもあります。

消費税の税務調査では、特に簡易課税ではなく原則課税の場合は、必ずと言っていいほど誤りを指摘されてしまいます。消費税はキチンと計算するのがなかなか難しい税金であるといえます。

 

 

消費税の区分

税務調査で消費税について指摘される誤りのほとんどは、
「消費税がかかる取引なのか、消費税がかからない取引なのか」の
区分を間違っていることによるものになります。

 

消費税がかかる取引のことを課税取引といいます。

消費税がかからない取引は、さらに非課税取引、免税取引、不課税取引に区分されます。

  • 本来であれば消費税がかかる取引であるが政策的に課税しない取引のことを非課税取引といいます。
  • 輸出取引など消費税が免除される取引を免税取引といいます。
  • そもそも消費税の対象にならない取引のことを不課税取引といいます。

 

税務調査では取引について、消費税の区分を課税取引、非課税取引、免税取引、不課税取引に正しく区分されているかが細かくチェックされるのです。

例えば、経費を支払ったときに、消費税がかからない取引であるのに、消費税がかかる取引であると会計ソフトに入力してしまったとすると、納める消費税の金額が少なくなってしまいます。

 

 

 

原則課税の税務調査

消費税を原則課税で計算している場合は、次のようなポイントを中心に税務調査で調べられます。
原則課税の税務調査は、仕入れや経費についての消費税を調査する必要があるので、簡易課税の税務調査に比べるとボリュームが多くなります。

 

売上高

課税売上高がもれなく集計されているかどうかが調査されます。
売上高だけでなく、受取賃料など営業外利益や特別利益に含まれるものについても課税取引に該当するものは課税売上高に含めなければなりません。
また、車や備品など資産を売った場合の収入も課税売上高になります。下取りがある場合は、その下取り価格が課税売上高になるので注意してください。

 

仕入や経費

仕入や経費などについても消費税の区分を正しく行っているか、特に消費税がかからない非課税取引や不課税取引を、消費税がかかる課税取引として処理していないかが調査されます。

消費税区分の誤りが多い下記の勘定科目が重点的に調査されます。

  • 給料
  • 交際費
  • 会議費
  • 福利厚生費
  • 旅費交通費
  • 通信費

 

課税売上割合

課税売上割合の計算が正しく行われているかが調査されます。
課税売上割合が95%未満の場合は、課税売上割合の数値が変動すると納付する消費税の金額も変動します。

 

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違うことが多い税金です。消費税について迷ったり困ったことがあったら、ぜひ税理士に相談してみてくださいね。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税の税務調査 簡易課税の場合

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方、フリーランス・個人事業主などの個人の方の税金や節税について解説します。

 

今回は、消費税の計算を簡易課税で行っている場合の税務調査について説明したいと思います。

 

 

消費税の簡易課税とは

消費税の納税額の計算は、原則として原則課税という方式で行います。この原則課税は非常に手間がかかり事務的負担が大きくなってしまいます。そこで、そこまで規模が大きくない事業者(個人と法人)に対しては、事務的負担を減らしてもう少し簡単に消費税が計算できるように簡易課税という方式が用意されています。

 

消費税の簡易課税とは、
売上高(正確には基準期間の課税売上高)が5,000万円以下の事業者で、
税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出している場合に認められる、
消費税の納税額の計算を簡便的に行うことができる制度をいいます。

 

簡易課税では、下記の計算式で消費税の納税額を計算します。

売上高(税抜き課税売上高) × 8% - 売上高(税抜き課税売上高) × みなし仕入率× 8%

みなし仕入率は業種によって定められています。

 

 

消費税の税務調査

消費税の税務調査は、簡易課税であっても原則課税であっても原則的には、法人税や所得税の税務調査と同時に行われます。しかし、消費税の還付申告を行った場合や、赤字であった場合などは、消費税だけが調査されることもあります。

消費税の税務調査では、特に簡易課税ではなく原則課税の場合は、必ずと言っていいほど誤りを指摘されてしまいます。消費税はキチンと計算するのがなかなか難しい税金であるといえます。

 

 

簡易課税の税務調査

消費税を簡易課税で計算している場合は、税務調査において次のようなポイントを中心に調べられます。

簡易課税の税務調査は、仕入れや経費についての消費税を調査しなくていいので、原則課税の税務調査に比べるとボリュームが少なくなります。

 

簡易課税の適用

そもそも簡易課税を適用できるのかどうかを調査されます。

  • 基準期間の課税売上高(ざっくり言うと、2年前の売上のうち消費税がかかる売上の税抜き売上)が5,000万円以下かどうか
  • 「消費税簡易課税制度選択届出書」を期限内に提出しているかどうか

 

課税売上高

課税売上高がもれなく集計されているかどうかが調査されます。
売上高だけでなく、受取賃料など営業外利益や特別利益に含まれるものについても課税取引に該当するものは課税売上高に含めなければなりません。
また、車や備品など資産を売った場合の収入も課税売上高になります。下取りがある場合は、その下取り価格が課税売上高になるので注意してください。

 

みなし仕入率

簡易課税で用いる「みなし仕入率」は、業種によってその割合が異なり、また複数の業種を営んでいる場合は特殊な計算が必要になります。そこで、正しい「みなし仕入率」を使っているかどうかを調査されます。

 

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違うことが多い税金です。消費税について迷ったり困ったことがあったら、ぜひ税理士に相談してみてくださいね。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。