カテゴリー: 有限責任事業組合LLP

取引先との契約および銀行口座開設 | 有限責任事業組合LLP-9

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)における取引先との契約および銀行口座の開設について説明したいと思います。

 

 

取引先との契約

LLPは、組合員の肩書き付きの名義で、取引先等との契約を締結することになります。

例えば、A有限責任事業組合の組合員として甲社、乙社、丙社の3社がいて、そのうち甲社の代表取締役のXさんがA有限責任事業組合の職務執行者として契約を行う場合、
「 A有限責任事業組合 組合員甲社 職務執行者X 」 の名義で契約を締結することになります。

 

この場合、その契約の効果は当該組合員のみでなくLLPの全組合員に及ぶことになります。

 

取引先との契約には、売買契約、雇用契約、業務委託契約、ライセンス契約などといったLLPの事業に必要な様々な契約が該当します。

なお、LLPだけでなく、建設共同企業体(JV)、映画製作委員会、弁護士事務所などの民法上の組合は、業務執行者の肩書き付き名義で各種の契約を締結しています。

 

 

銀行口座の開設

民法上の組合では、組合の業務執行者の肩書き付き名義で銀行等の金融機関に口座を開設でき、LLPも同様の取扱いになります。ただ、金融機関や支店によってはLLPの口座開設に対応していいない場合があるので、各金融機関窓口にお問い合わせ下さい。

また、融資条件にかなえば、金融機関からLLPの事業について融資を受けることも可能です。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

財産の所有と債権者の保護 | 有限責任事業組合LLP-8

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)における財産の所有と債権者の保護について説明したいと思います。

 

 

LLPの財産所有

LLPの所有する不動産や動産、知的財産などといった財産は、LLP組合員の全員の合有財産になります。

民法上の共有(狭義の共有)は財産をいつでも自由に単独所有に分割することが可能です。
一方、合有は財産を自由に分割したり持分を処分することはできません。

つまり、LLPの財産は各組合員に持分権はありますが、組合員が自分の持分だからといって勝手に分割したり処分することはできないことになります。

 

また、LLP法(有限責任事業組合契約に関する法律)では、LLPの所有する財産の安定性を高めるために次のような措置が講じられています。

  • LLP組合員の固有の債務に対する債権者は、LLPの財産を差押えすることはできない。
  • 不動産登記制度上、分割禁止の合有財産であることを公示するため、共有物分割禁止の登記を行い、かつ、LLPの組合契約に基づく不動産である旨を表示できるようにする。

 

 

債権者保護

LLPは制度としてその組合員の全員に有限責任制を導入しています。

その一方で、この組合員全員の有限責任性によって、LLPの債権者に過度なリスクが転嫁されないように、株式会社など他の有限責任の組織と同様に債権者を保護するための措置が講じられています。

 

具体的には、次のようなことがLLP法において規定されています。

  • LLPと取引を行う相手方の予見可能性を高めるために、組合契約を登記することの義務付けや財務データの開示を行う。
  • 組合財産を確保するために、組合設立時における出資の全額払込みの義務付けや、債務超過時の分配を禁止する。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

LLP組合員の加入と脱退、LLPの組織変更と解散 | 有限責任事業組合LLP-7

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)における組合員の加入と脱退、そして組織変更と解散について説明したいと思います。

 

 

組合員の加入と脱退、地位の譲渡

LLPに新しい組合員が加入する場合は、LLPでは組合員の能力や個性が重視されることから、既存の組合員の全員による一致で決定します。

LLP組合員が任意に脱退する場合は、原則としてやむを得ない事由がある場合にのみ可能となります。

また、LLPでは組合員の地位を第三者に譲渡することは想定されていません。
しかし、他の組合員の全員による一致を得ることができれば、その地位を第三者に譲渡して、新しい組合員として加入させることはできます。

 

 

LLPの組織変更

LLPは民法上の組合の特例制度でありLLP自体は法人格を持っていません。
そのため、株式会社など法人格のある会社形態へ組織変更することはできません。

LLPで事業を始めたが途中で株式会社などに組織変更したい場合は、いったんLLPを解散して、新たに法人を設立することになります。

 

 

LLPの解散

LLPは、LLP法(有限責任事業組合契約に関する法律)において定められている解散事由や、そのLLPにおけるLLP契約書に記載された解散事由が生じたことによって解散します。

LLPを解散する場合は、株式会社など他の組織を解散する場合と同様に、清算人を置いて債権者との調整を行ったり、出資者(組合員)に対して残余財産を分配することとなります。

LLPを解散するにあたっては、まずは法務局において解散の登記と清算人の登記を行います。そして、清算の手続が完了した後に、清算が結了した旨を登記することで、解散の手続きは完了となります。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

LLPにおける権限分配と損益分配 | 有限責任事業組合LLP-6

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)における権限分配と損益分配について説明したいと思います。

 

 

LLPにおける権限の分配

LLPにおいては、組織の前提となる共同事業要件として次の2つが強制されています。

  • 重要な意思決定について組合員の全員による一致
  • 組合員の税員による業務執行への全員参加

上記の2要件を満たす範囲において、各組合員による業務分担や権限分配について柔軟に決めることができます。

この業務分担や権限分配については、組合員の全員による合意のもと、LLP契約書(有限責任事業組合契約書)に記載することも可能ですし、LLP契約の詳細事項について組合員間における規約などに定めることも可能です。

 

 

LLPにおける損益の分配

民法上の組合(任意組合)では出資比率とは異なる損益の分配をすることができます。

民法上の組合の特例制度であるLLPにおいても、民法組合と同様に出資比率とは異なる柔軟な損益の分配をすることができます。

 

出資比率とは異なる柔軟な損益分配を定める場合は、

  • 組合員の全員による同意により、
  • 書面によって分配の割合を定めて、
  • 分配の割合を定めた書面において、このような分配の割合を定めた理由について記載する

こととしており、その分配割合を定めた書面を適切に保存する必要があります。

 

なお、損益分配の取り決めをしない場合は、出資比率に応じて損益を分配することになります。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

LLPの業務執行 | 有限責任事業組合LLP-5

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の有限責任事業組合(LLP)を支援する公認会計士・税理士が、LLPの税金や会計について解説します。

今回は、LLP(有限責任事業組合)の業務執行について説明したいと思います。

 

 

LLPの業務執行

LLP(有限責任事業組合)の組合員は、その全員が業務を執行する権利を持っているとともに、業務を執行する義務を負います。

よって、すべての組合員は何らかの形で、業務執行に携わらなければなりません。
そのため、営業担当、開発担当、財務担当などのように業務執行を各組合員で分担することはできますが、業務執行の全部を他の組合員に任せることはできません。

 

 

業務執行とは

LLPにおける業務執行とは、例えば、
契約の締結などのLLPの営業に関する行為や、その契約を締結のための交渉、
具体的な研究開発計画の策定・設計、組合の経理、商品管理、使用人の指揮監督など、
有限責任事業組合の事業を運営、組織として活動する上で重要な部分が含まれています。

 

 

業務執行の全員参加の原則

LLP(有限責任事業組合)の組合員は、なぜその全員が業務執行に参加しなければならないのでしょうか。
業務執行には参加せずに、お金だけ出すような出資のみの組合員はなぜ認められないのでしょうか。

LLPは有限責任事業組合契約に基づいて、組合員の全員がそれぞれの個性や能力、得意分野を活かしながら、組合の共通目的を達成するために主体的に組合の事業活動に参加するというニーズに基づいて導入された制度です。このため、組合員の全員が業務執行に参加することを義務とする規定が定められているのです。

また、LLPの組合員全員の業務執行への参加義務、重要な意思決定の組合員全員による同意は、損失の取込だけを目論んで租税回避を目的として組合に参加するような悪用を防ぐ効果もあります。

 

 

おわりに

東京で有限責任事業組合(LLP)の設立をお考えの方で税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。有限責任事業組合(LLP)に関する会計や税務に強い公認会計士・税理士がお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。