カテゴリー: 起業

会社設立の手続き-定款-3-公証人の前に法務局で定款をチェックしてもらう

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立時の定款作成のポイントとして、法務局で定款をチェックしてもらうことについて説明します。

 

 

定款に記載する事業目的

定款に記載する事業目的は何でもいいわけではありません。適法性や明確性、営利性といった適格性を備えた記載が必要になります。

事業目的の記載例は、自分の事業と似ている上場会社の定款の事業目的をインターネットで調べたり、「○○業 定款 事業目的」で検索して、複数のページを見て参考にしてください。

 

 

法務局で定款の事業目的をチェックしてもらう

事業目的を含む定款全体の下書きが完成したら、法務局で定款の事業目的をチェックしてもらいましょう。

法務局は、設立登記する予定の会社の住所を管轄する法務局です。「会社の住所 法務局」で検索してみてください。

 

公証人は事業目的の内容までは細かくチェックしてくれません。
そのため、せっかく公証人に定款を認証してもらっても、定款に記載されている事業目的に問題があると、法務局で登記申請を行う際に、登記申請書類を受理してもらえないことになります。
このような事態を避けるために、定款を製本する前に、定款に記載する事業目的について、法務局でチェックしてもらいましょう。

 

法務局に行く際は、個人の認印でかまわないので印鑑を持って行ってください。それと定款の下書きも持参します。

 

 

法務局で定款全体をチェックしてもらう

事業目的をチェックしてもらうために法務局に行くのですが、その際は事業目的だけでなく、定款の全体について、チェックしてもらうことをおすすめします。

 

定款の認証は、法務局ではなく、公証役場で公証人がやることです。

しかし、公証人のOKが出ても、その後に法務局でNGが出てしまったら定款を作りなおさないといけません。二度手間にならないように、事業目的だけでなく定款の全体についても法務局でチェックしてもらいましょう。

 

 

類似の商号がないか調査する

定款をチェックしてもらうために法務局に行ったら、ついでに類似の商号の調査を行うと良いですよ。

同じ住所で同じ商号を登記することはできません。そのため会社設立の登記を行う際は、念のため、登記する予定の住所に登記する予定の商号がないかを法務局で調査します。

調査の方法は、法務局にある「商号調査簿閲覧申請書」に必要事項を記入して窓口に提出すると、登記されている会社名の一覧ファイルを借りることができます。そのファイルを見て同じ商号がないか調べてください。

 

 

おわりに

会社設立における定款については下記のページも参考にしてみてください。

会社設立の手続き-定款-1-定款とは?
会社設立の手続き-定款-2-定款の記載例

会社設立の手続き-定款-4-定款を製本する
会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
会社設立の手続き-定款-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ

 

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業して間もない経営者様の支援を得意としている若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとしてサポートさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

会社設立の手続き-登記-2-資本金の払い込みと払込証明書の書き方

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立登記手続きに必要になる、資本金の払い込みと払込証明書の書き方について説明します。

 

 

資本金の払い込み

公証人に定款を認証してもらったら、会社設立の手続きとして次に行うことは、資本金の払い込みです。

 

1.発起人の個人の銀行口座を用意します。

まずは、資本金の振込先となる発起人の「個人」の銀行口座を用意します。一般的な普通預金口座でかまいませんが、ネット銀行などの通帳がない口座ではなく、通帳がある口座を用意してください。資本金の払込証明証を作るのに通帳のコピーが必要になるからです。

定款の認証は終わりましたが、会社はまだないので、会社の銀行口座というものも作れません。会社の法人口座は、会社設立の登記が終わって会社が設立してから、作ることになります。

発起人が1人でなく複数名いる場合は、代表となる1名を決めて、その発起人の口座を使います。口座を新しく作る必要はありません。すでに持っている銀行口座でかまいません。

使うのは発起人の口座です。会社設立時の取締役の口座ではありません。発起人と設立時取締役が同一であれば問題ありませんが、別の場合は、まちがって取締役の口座を使わないように気をつけてください。

 

2.資本金を振り込みます。

1.で用意した発起人の銀行口座に、発起人の全員が資本金を振り込みます。各発起人からの振込の合計金額が資本金の金額と一致していることを確認します。

振込日は、公証人に定款を認証してもらった日よりも後の日付にしてください。まちがって定款認証の前に資本金を振り込んでしまうと、せっかく作成した会社設立の登記書類を法務局で受理してもらえません。まちがえてしまう人がとても多いポイントなので繰り返します。振込日は、公証人に定款を認証してもらった日よりも後の日付にしてくださいね。

公証人に定款を認証してもらった日よりも後の日付であれば、各発起人の振込日は別の日になっても問題ありません。

資本金を銀行口座に入れる際は、「預け入れ」ではなく「振り込み」で入金してください。「預け入れ」だと、入金した発起人の名前が通帳に記載されません。「振り込み」だと、入金した発起人の名前が通帳に記載されるため、その発起人からの入金であることを証明できます。

発起人が1名しかいない場合は、「預け入れ」でも「振り込み」でもどちらでもOKです。

 

 

通帳コピーの作成

資本金の振込が完了したら、次は資本金がちゃんと振り込まれたことを証明するために、資本金が振り込まれた銀行口座の通帳のコピーを作成します。

通帳のコピーが必要となるページは次の3ページです。

  • 表紙
  • 表紙をめくった表紙裏のページ(支店名や口座番号、口座名義人の名前、銀行印などがあるページ)
  • 資本金の振り込みが記帳されているページ

A4の大きさで作成する払込証明書と合わせるために、通帳のコピーはA4の用紙にすることをおすすめします。

通帳のコピーをとるときは拡大縮小を行わず原寸サイズでA4用紙にコピーしてください。

資本金の振り込みが記帳されているページのコピーについては、振込した発起人の名前と金額を蛍光ペンなどでマーカーすると分かりやすくて良いと思います。

 

 

払込証明書の作成

通帳のコピーが完了したら、次は払込証明書を作成します。用紙の大きさはA4がいいと思います。

支払証明書の記載例は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/07/7a629e768c3d140e8885500cda276c29.pdf

2ヶ所に会社代表者印を押印します。
会社代表者印とは会社の実印といわれるもので、一般的には外枠に会社名、内枠に「代表取締役之印」と書かれています。個人の名前が書かれている個人の実印ではないので注意してください。

左上に捨印として会社代表者印を押印します。左に寄せすぎるとホチキスで留めたときに隠れてしまうので、余裕をもたせてください。

代表取締役の名前の右にも会社代表者印を押印します。

「払込みがあった金額の総額」「払込みがあった株数」は定款の記載のとおりに記載します。
「1株の払込金額」は「払込みがあった金額の総額」を「払込みがあった株数」で割ったものになります。

日付は、通帳に記帳されている資本金が振り込まれた日以降の日付を記載します。発起人が複数いて、資本金が振り込まれた日付も複数ある場合は、もっとも遅い振込日以降の日付を記載してください。

「(本店)」には、会社の本店の住所を記載します。登記するとおりの住所を書いてください。

「(商号)」には、会社名を記載します。登記するとおりの会社名を書いてください。

代表取締役の名前を記載して、会社代表者印を押印します。

 

 

支払証明書と通帳コピーの製本

上から、支払証明書、通帳コピー(表紙)、通帳コピー(表紙の裏のページ)、通帳コピー(振込記帳ページ)の順番に揃えて、左端から1cmくらいのところに2ヶ所ホチキスで留めます。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した払込証明書1

ホチキスで留めたら、各ページを開いて、ページとページの境目の真ん中あたりに会社代表者印を押印します。これを契印といいます。契印とは、文書が複数ページある場合に、それが同一の文書であることを表して、ページが差し替えられるのを防ぐために行われる押印のことをいいます。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した払込証明書2

これで払込証明書と通帳コピーの製本は完了です。

 

 

会社設立登記申請の必要書類

会社設立登記の概要につきましては、「会社設立の手続き-登記-1-会社設立登記とは」を参照ください。

会社設立の登記を申請するときには、多くの書類が必要になります。

主な必要書類は下表のとおりです。各書類の詳細な説明につきましては、リンク先のページを参照ください。

会社設立登記申請の必要書類
書類名 必要な場合 詳細を説明したページ
株式会社設立登記申請書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-3-株式会社設立登記申請書の書き方
認証を受けた定款 必ず必要 会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
本店所在地決定書 定款に地番までの記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-4-本店所在地決定書の書き方
払込証明書 必ず必要 「会社設立の手続き-登記-2-資本金の払い込みと払込証明書の書き方」
資本金の額の計上に関する証明書 金銭以外での出資がある場合  「会社設立の手続き-登記-5-資本金の額の計上に関する証明書の書き方
設立時発行株式に関する発起人の同意書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-6-設立時発行株式に関する発起人の同意書の書き方
設立時取締役選任決議書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時監査役選任決議書 監査役を置く場合で定款に定めない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時代表取締役選定決議書 場合による  「会社設立の手続き-登記-8-設立時代表取締役選定決議書の書き方
設立時取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時代表取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時監査役の就任承諾書 監査役を置く場合  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
取締役全員の印鑑証明書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-10-印鑑証明書
登記すべき事項を記録した磁気ディスク 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-11-「登記すべき事項」の提出(CD-R)
印鑑届書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-12-印鑑届書の書き方
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

書類を作成したら、登記申請書類の製本をします。

製本については、「会社設立の手続き-登記-13-株式会社設立登記申請書の製本」を参照ください。
登記申請については、「会社設立の手続き-登記-14-法務局で登記の申請を行う」を参照ください。

 

 

おわりに

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業の支援を得意としている公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとしてサポートさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

会社設立の手続き-定款-2-定款の記載例

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立時の定款作成について、その記載例を紹介します。

 

 

会社設立時の定款の記載例

会社設立時の定款の記載例として、

  • 取締役が1人または少人数
  • 取締役会を設置しない
  • 監査役を設置しない

上記のすべてに当てはまるような、会社の組織構造が単純な場合のものを紹介します。

 

株式会社インテグリティ 定款

第1章 総則

(商号)
第1条 当会社は、株式会社インテグリティと称する。

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

1.財務および会計に関するコンサルティング
2.経営に関するコンサルティング
3.上記各号に附帯関連する一切の事業

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都港区に置く。

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

 

第2章 株式

(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、1,000株とする。

(株券の不発行)
第6条 当会社の株式については、株券を発行しない。

(株式の譲渡制限)
第7条 当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない。

(株主名簿記載事項の記載等の請求)
第8条 当会社の株式取得者が株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請求するには、当会社所定の書式による請求書に株式取得者とその取得した株式の株主として株主名簿に記載され、もしくは記録された者またはその相続人その他一般承継人が記名押印し、共同して提出しなければならない。法務省令の定める事由による場合は、株式取得者が単独で請求することができ、その場合には、その事由を証する書面を提出しなければならない。

(質権の登録及び信託財産の表示)
第9条 当会社の株式につき質権の登録又は信託財産の表示を請求するには、当会社所定の書式による請求書に当事者が署名又は記名押印し、提出しなければならない。その登録又は表示の抹消についても同様とする。

(手数料)
第10条 前2条の定める請求をする場合には、当会社所定の手数料を支払わなければならない。

(基準日)
第11条 当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利行使すべき株主とする。

 

第3章 株主総会

(招集)
第12条 当会社の定時株主総会は、事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し、必要がある場合には、臨時株主総会をいつでも招集することができる。
(議長)
第13条 株主総会は、取締役社長が議長となる。社長に事故があるときは、あらかじめ取締役社長の定めた順序により他の取締役が議長となる。

(決議)
第14条 株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合のほか、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2 会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。

(議決権の代理行使)
第15条 株主が代理人によってその議決権を行使しようとするときは、その代理人は1名とし、当会社の議決権を有する株主であることを要する。

 

第4章 取締役及び代表取締役

(員数)
第16条 当会社の取締役は、1名以上とする。

(選任および解任の方法)
第17条 当会社の取締役は、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の決議によって行う。
2 取締役の選任については、累積投票によらないものとする。

(任期)
第18条 取締役の任期は、その選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 補欠又は増員により選任された取締役は、選任時に在任する取締役の任期の残存期間と同一とする。

(代表取締役)
第19条 当会社の取締役が2名以上ある場合には、そのうち1名を代表取締役とし、株主総会の決議によってこれを定める。
2 代表取締役は社長とする。

 

第5章 計算

(事業年度)
第20条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

(剰余金の配当)
第21条 当会社は、株主総会の決議によって、毎事業年度末日現在における株主名簿に記載された株主又は質権者に対して剰余金の配当を行う。

(剰余金の配当等の排斥期間)
第22条 当会社が、株主に対し、剰余金の配当の支払提供をしてから満3年を経過したときは、当会社はその支払の義務を免れるものとする。

 

第6章 附則

(設立に際して出資される財産の価額)
第23条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金100万円とする。

(最初の事業年度)
第24条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から平成27年3月31日までとする。

(発起人)
第25条 当会社の発起人の氏名、住所および発起人が割当てを受ける設立時発行株式数および設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額は次のとおりである。

住所 東京都港区南青山1丁目1番○号
発起人 税理士太郎
割当てを受ける普通株式 100株
払い込む金銭の額 金100万円

(定款に定めのない事項)
第26条 本定款に定めのない事項は、すべて会社法その他の法令の定めるところによる。

(設立時取締役および設立時代表取締役)
第27条 当会社の設立時取締役および設立時代表取締役は次のとおりとする。

東京都港区南青山1丁目1番○号
設立時取締役 税理士太郎
設立時代表取締役 税理士太郎

以上、株式会社インテグリティ設立のため、この定款を作成し、発起人が次に記名押印する。

平成26年7月7日

東京都港区南青山1丁目1番○号
発起人 税理士太郎 ㊞

 

 

おわりに

取締役が少人数、取締役会なし、監査役なしのシンプルな組織構造の会社設立における定款の記載例をご紹介しました。

会社設立における定款については下記のページも参考にしてみてください。

会社設立の手続き-定款-1-定款とは?

会社設立の手続き-定款-3-公証人の前に法務局で定款をチェックしてもらう
会社設立の手続き-定款-4-定款を製本する
会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
会社設立の手続き-定款-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ

 

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業におけるスタートアップの支援を得意としている公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の頼れる右腕としてサポートさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

会社設立の手続き-定款-1-定款とは?

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立時の定款作成のポイントとして、そもそも定款とは何かなど定款の基礎について説明します。

 

 

定款とは

定款とは、会社の憲法のようなものといわれています。定款において、その会社が活動するための基本となる規則を定めています。

会社を設立するためには、定款を作成して、公証人の認証を受けなければなりません。この会社設立時に作成する定款のことを原始定款といいます。

定款の内容は、定款変更の手続きを経ることで、変更することができます。定款変更の内容を加えた、現時点での定款のことを現行定款といいます。

 

 

定款に記載する内容

定款に記載する内容は、

  1. 絶対的記載事項
  2. 相対的記載事項
  3. 任意的記載事項

の3つに分けられます。

 

 

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない事項のことをいいます。この絶対的記載事項が定款にない場合は、定款として認めてもらえないため、会社を設立することができなくなるので注意してください。

絶対的記載事項の一覧は下表のとおりです。

絶対的記載事項の一覧
項目 内容
目的 会社の事業内容を記載します
商号 会社の名称を記載します
本店所在地 会社の住所を記載します
設立に際して出資される財産の価額またはその最低額 出資額または出資最低額を記載します
発起人の氏名又は名称及び住所 発起人の氏名又は名称、住所を記載します
発行可能株式総数 発行可能とする株式の総数を記載します

 

 

相対的記載事項

相対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない事項ではありませんが、定款に記載しないとその効力が生じない事項のことをいいます。

相対的記載事項の主なものは下表のとおりです。

相対的記載事項の一覧
項目 内容
株式の譲渡制限 定款に記載することで、株式の譲渡を制限します
取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、委員会、代表取締役の設置 定款に記載することで、会社の機関として、左記のものを設置します
取締役の任期伸長 定款に記載することで、取締役の任期を延ばします
設立に際して出資される財産の価額またはその最低額 出資額または出資最低額を記載します

「株式の譲渡制限」は記載することをおすすめします。
詳細は、「会社設立時の定款作成-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ」を参照ください。

上記以外にも相対的記載事項はたくさんありますが、設立する会社の状況に応じて記載してください。

 

 

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款へ記載しても記載しなくてもどちらでもよい事項のことをいいます。定款へ記載してもしなくても、その項目の効力には影響しませんが、定款に記載することで、その内容を簡単には変更することができなくなります。変更するには定款変更の手続きを経なければなりません。

記載しても記載しなくてもよくて、変更するのも面倒なら何も記載しない方がいいのではと思われるかもしれません。しかし、あえて定款に記載することで、会社の規則を明確に示すとともに、会社の運営を安定させる効果があります。

一般的によく記載される事項としては下表のような項目があります。

任意的記載事項の一覧
項目 内容
定時株主総会の招集時期 定時株主総会をいつ開催するのかを記載します
株主総会の議長 だれが株主総会の議長になるのかを記載します
事業年度 何月何日から何月何日までを事業年度にするのかを記載します
公告の方法 決算などの公告をする方法を記載します
取締役の人数 取締役を置く人数を記載します

 

 

おわりに

会社設立における定款については下記のページも参考にしてみてください。
会社設立の手続き-定款-2-定款の記載例
会社設立の手続き-定款-3-公証人の前に法務局で定款をチェックしてもらう
会社設立の手続き-定款-4-定款を製本する
会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
会社設立の手続き-定款-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ

 

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとしてサポートさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

会社設立の手続き-定款-6-株式の譲渡は制限するのがおすすめ

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区を中心とした東京23区の起業家様の会社設立を支援してきた経験から、会社を設立するときのポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立時の定款作成の注意点として、株式の譲渡制限について説明します。

 

 

株式の譲渡を制限するのがおすすめです

本来、株式会社の株主が持っている株式を譲渡することは自由です。しかし株式を自由に譲渡できるとなると、会社にとって好ましくない人物が株主になってしまう可能性があります。最悪の場合、株式を買い占められて会社を乗っ取られてしまうかもしれません。

「家族や親しい仲間内だけが株主になって会社を設立するから大丈夫」と思われる方もいると思います。株主が皆仲良く時が過ぎていくことに越したことはありませんが、将来どうなるかは誰にも分かりません。仲良くしていても、だまされて良からぬ人物に株式が渡ってしまう恐れもあります。

そのような事態になるのを防ぐためにも、会社を設立する段階で株式の譲渡を制限することをおすすめします。株式の譲渡を制限するためには、定款にその旨を記載すればOKです。

 

 

株式譲渡制限会社とは

定款において、全部の株式についてその譲渡を制限している会社のことを株式譲渡制限会社といいます。この株式譲渡制限会社には下記のようなメリットがあります。

 

① 取締役会を設置しなくてもいい
株式譲渡制限会社でない場合は、取締役会を設置することが義務付けられています。取締役会を設置するためには、取締役が3名以上必要になります。
対して、株式譲渡制限会社の場合は、取締役会を設置しなくてもよくなります。取締役会を設置しなくていいので、取締役は1名以上いればいいのです。

 

② 取締役の任期を延長することができる
取締役の任期は2年が原則ですが、株式譲渡制限会社の場合は、任期を10年まで延長することができます。

 

③ 取締役の資格を株主に限定することができる
株式譲渡制限会社の場合は、取締役の資格を株主に限定することができます。

 

 

株式譲渡制限するための会社設立時の定款の記載例

会社を設立する際に、株式の譲渡を制限する場合の定款の記載例については、下記を参考にしてください。

 

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない。

取締役会を設けない会社の場合は、「取締役会」の代わりに「株主総会」または「代表取締役」と記載してください。

 

(相続人等に対する株式の売渡請求)
第○条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対して、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。

定款で株式の譲渡を制限している場合であっても、株主であった被相続人から、相続人がその株式を相続するのに、取締役会などの承認は必要としません。そのため相続人が会社にとって好ましくない人物の場合は、困ってしまいますね。

このような事態を防ぐために、定款で上記のように定めておけば、相続人に対して相続した株式を会社に売り渡すように請求することができるようになります。

 

 

おわりに

会社設立における定款については下記のページも参考にしてみてください。

会社設立の手続き-定款-1-定款とは?
会社設立の手続き-定款-2-定款の記載例
会社設立の手続き-定款-3-公証人の前に法務局で定款をチェックしてもらう
会社設立の手続き-定款-4-定款を製本する
会社設立の手続き-定款-5-定款の認証

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、株式会社など法人の設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとして支援させて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。