アビリーンのパラドックス

はじめに

アビリーンには行かない東京都港区の税理士です
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、ビジネスの教訓としてもつかえるアビリーンのパラドックスを紹介します。

 

アビリーンのパラドックスとは

夏のとある暑い日、アメリカのテキサス州にあるコールマンという田舎町、僕は妻の実家に夫婦で帰省していました。この猛暑のなか、どこにも出かけずにエアコンの効いた自宅でトランプでもしているのが最良の過ごし方であると、自分、妻、妻の両親の4人だれもが思っていました。

そんな昼下がりのひととき、皆が退屈そうにしていると思った義父は気を利かせて(本当は行きたくないけど)こう提案しました。
「娘夫婦が遊びにきてくれているのだから、これからアビリーンまでドライブして、そこでディナーでも食べないかい?」

ここからアビリーンまでは80kmの長丁場、車のエアコンも故障中です。誰も賛成しないだろうと義父は思ってました。

僕は思いました。
『お義父さん、勘弁して下さいよ。エアコンがない車で遠出なんて・・・しかもアビリーンでディナーと言ってもファミレスしかないのは皆知っているでしょう。まあ、お義母さんも妻も反対しますよ』

ところが妻は言いました。
「そうねえ、せっかくだし久しぶりに行くのも悪くないかもね。」

義母も言いました。
「あなたたちが行きたいのであれば、私もかまわないわよ。」

僕はこう言うしかありませんでした。
「僕も賛成ですよ。」

こうして4人は太陽が照りつけるなか、アビリーンへと出発したのでした。
車内では暑さのため会話も弾まず、ファミリーレストランで食事を終えて、帰宅したときには、皆ぐったりしていました。

ここで義母がポロリと言いました。
「本当は家でのんびりしていたかったけど、皆が行きたそうにしていたから重い腰を上げたのよ。」

妻も続いて
「せっかくパパが提案してくれたんだから、断ると悪いと思って。」

義父も負けじと
「皆が退屈そうにしていたから提案してみただけで、俺だって行きたくはなかった。」

僕も言いました。
「皆さんが賛成しているのに、僕だけ反対するなんてできません。」

4人とも家でのんびりと過ごしたかったのに、他の人のことを思って行きたくないアビリーンへ行って、せっかくの休日を台無しにしてしまったというお話でした。

 

アビリーンに向かっていませんか?

KY(空気が読めない)という用語が流行しましたが、空気しか読まないのも困りますね。会議の際やプロジェクト進行中には、ぜひこのお話を思い出してみて下さい。
「アビリーンに向かっていませんか?」

 

おわりに

こちらのパラドックスも合わせてお読みになってみてください。
イカロスのパラドックス

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。