はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
税務調査における個別の調査項目について具体的に説明します。
今回は、概況、現金及び預金の調査についてです。
概況
税務調査における概況の調査とは、税務署に提出した事業概況説明書の中身が調査項目となります。
- 販売、仕入、外注費の月次推移の異常、前期からの変動
- 利益率の変動
- 役員や従業員数の変化
基本は過年度との比較です。大きな変化がある場合は、その理由を調査するので、資料に基づき具体的な数値を示して説明できるように準備します。
現金
税務調査において、現金は真っ先に調査される項目です。現金残高と現金出納帳が合っているかチェックされます。合っていないと、普段の管理状態に問題がある、売上を抜いているのでは、私用の経費を会社経費にしているのではと疑われてしまいます。
また現金出納帳が赤字になっていたり、多額の残高が長期間残っていないか、どんぶり勘定になっていないかなどがチェックされます。
現金の管理がしっかりしていないと、他の帳簿もしっかりしていないと思われて、より念入りに調査されることになってしまいます。調査日現在まで現金出納帳はしっかり記入しておく必要があります。
社長個人の現金などが金庫に保管されていないようにします。社長と会社の財布は分けます。
領収証発行日と支出日は一致しているか確認します。領収証は、現金預金払いのほか手形払いなどでも受取る証拠書類です。領収証の内容が不明確なものはないか、住所の書かれていない、市販の領収書用紙で社名も手書き、宛名が上様になっている、などの領収書は調査官も厳しくチェックします。領収書のない支出についても理由を問われます。
預金
預金も重要な税務調査項目です。帳簿や預金通帳から入出金の内容を調査するだけでなく、反面調査として銀行に出向いて調査をすることもあります。
預金通帳、残高証明書、帳簿残高が合っているかを確認したり、多額の入出金や取引銀行の変更などは説明を求められます。毎月末に帳簿と通帳残高の一致をチェックするのはもちろん、期末には銀行から残高証明書を取り寄せて期末残高を確定させます。利息の記入モレはよくあるので気をつけます。
未取付小切手や未渡し小切手がないか整理して、小切手帳のミミも保管します。個人名義の通帳や印鑑を一緒に保管しないように気をつけます。
はっきり言って税務署の調査能力はスゴいです。国内金融機関はもとより海外口座、海外金融機関をつかった利益隠しなどの不正についてもしっかりと目を光らせています。
税務調査の関連ページ
税務調査につきましては、下記の関連ページも参照ください。
税務調査-概要-1
税務調査-概要-2
税務調査-概要-3
税務調査-流れ
税務調査-調査結果
税務調査-延滞税と加算税
税務調査-心構え
税務調査-税務署はこんな納税者が好き
税務調査-概況、現金、預金の調査
税務調査-受取手形、支払手形、売掛金、買掛金、貸倒損失、在庫、棚卸資産
税務調査-仮払金,仮受金,貸付金,有形固定資産
税務調査-借入金,預り金,取引の流れ,売上,仕入
税務調査-人件費,役員給与,役員賞与,役員退職金,従業員給料
税務調査-会社とオーナーの取引,交際費,消費税など
税務調査-調査対象の決め方,目をつけられる会社-1
税務調査-調査対象の決め方,目をつけられる会社-2
税務調査-対応の仕方
おわりに
すべての取引はcash(現金預金)に帰結します。不正が行われると、現金預金残高のつじつまを合わせるために更なる不正が行われます。普段から現金預金の管理をしっかり行ってください。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。