源泉徴収税額表の「甲欄」「乙欄」「丙欄」「日額表」「月額表」の違い

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、源泉徴収税額表の種類、「甲欄」「乙欄」「丙欄」「日額表」「月額表」の違いについて説明したいと思います。

 

 

源泉徴収税額表の種類

従業員やアルバイト・パートなどを雇って給料を支払うときに源泉徴収する金額は、給料の支払いの度に、源泉徴収税額表を使って計算します。

源泉徴収する金額を計算するのに使う源泉徴収税額表には、次の3種類があります

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

 

そして、

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」には、「甲欄」と「乙欄」があります。
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」には、「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」があります。
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表には、「甲欄」と「乙欄」があります。

 

なお、源泉徴収月額表には、(平成27年分)などと年が記載されています。昨年のものを使いまわすのではなく、年が変わったら源泉徴収税額表も新しい年のものを使って下さいね。

 

 

給与所得の源泉徴収税額表「月額表」

給与所得の源泉徴収税額表「月額表」は、従業員などに支払う給料が、月を単位として支払う場合に使います。

月を単位とする以外にも、10日ごと、半月ごと、隔月ごと、四半期ごと、半年ごとなどで給料を支払う場合も、「月額表」を使います。

 

「甲欄」と「乙欄」のどちらを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。

 

 

給与所得の源泉徴収税額表「日額表」

給与所得の源泉徴収税額表「日額表」は、従業員などに支払う給料が、働いた日ごとに給料を支払うという日を単位としている場合に使います。
働いた日ごとに支払う場合以外にも、一週間ごとに給料を支払う場合や、給料を日割りで計算して支払う場合も、「日額表」を使います。

 

「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」のいずれを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。
  • 日雇いの人や短期間雇用のパート・アルバイトなどに給料を支払う場合は、「丙欄」を使います。なお、「丙欄」は「日額表」だけにあります。

 

 

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表は、従業員などに賞与・ボーナスを支払う場合に使います。

従業員などに賞与・ボーナスを支払う場合でも、

  • 賞与・ボーナスを支払った月の前月に給料を支払っていない場合
  • 賞与・ボーナスの金額が、賞与・ボーナスを支払った月の前月の給料の10倍を超える場合

上記のどちらかに当てはまる場合は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表ではなく、給与所得の源泉徴収税額表「月額表」を使うので注意してください。

 

「甲欄」と「乙欄」のどちらを使うのかは、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。

 

 

「甲欄」「乙欄」「丙欄」の違い

「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」の使い分けについては上記にも記載してありますが、

  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっている場合は、「甲欄」を使います。
  • 従業員などから、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらっていない場合は、「乙欄」を使います。
  • 日雇いの人や短期間(2ヶ月以内)雇用のパート・アルバイトなどに給料を支払う場合は、「丙欄」を使います。なお、「丙欄」は「日額表」だけにあります。

 

源泉徴収税額表にある「甲欄」「乙欄」「丙欄」のどれを使うかによって、源泉徴収する金額が変わってきます。

例えば、給与所得の源泉徴収税額表「月額表」の場合、

「甲欄」では給料(社会保険料等控除後)が月額88,000円未満であれば源泉徴収する金額はゼロ円ですが、
「乙欄」では給料(社会保険料等控除後)が月額88,000円未満であっても、給料の約3%の金額を源泉徴収しなければなりません。

 

 

おわりに

パート・アルバイトの方についての「甲欄」「乙欄」の適用間違いが結構あります。従業員だけでなく、パート・アルバイトの方からも、なるべく「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してもらうようにしてくださいね。

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。