はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。
今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつであるオプション取引について具体的なイメージで説明したいと思います。
オプション取引の基礎については下記ページを参照下さい。
オプション取引-1-オプション取引とは | デリバティブの基礎-4
オプション取引の具体的なイメージ
乙社の株式(現在の株価は100万円)を買いたいと思っているAさん、その頭の中はこうなっています。
- 乙社の株価は1年後には上がるだろうから、すぐにでも乙社の株式を買わないと機会を逃してしまうぞ。
- とはいえ1年も先の話、乙社の株価は下がるかもしれないし、100万円も投資するのは心配だなあ。
そこでAさんは、
「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を5万円(オプション料、プレミアム)で買うことにしました。
Aさんが買うのは乙社株式の現物ではなく「権利」なので、1年後の乙社株価がどうなっていようとも、乙社株式を100万円で買うこともできるし、買わなくてもかまいません。
1年後の乙社の株価はどうなったでしょうか。
乙社の株価が上がった場合
100万円だった乙社の株価は、1年後には150万円に上がっていました。
Aさんは「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を行使して、100万円で乙社株式を買って、すぐに株式市場で150万円で売りました。
Aさんの儲けは
150万円-100万円-5万円=45万円
になりました。
もし、Aさんが「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を買わずに乙社株式を現物で買っていた場合の
Aさんの儲けは
150万円-100万円=50万円
になっていました。
乙社の株価が下がった場合
100万円だった乙社の株価は、1年後には50万円に下がっていました。
Aさんは「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を行使しないで放棄しました。
Aさんの損失は、権利代金であるオプション料の5万円だけで済みました。
もし、Aさんが「1年後に乙社株式を100万円で買うことができる権利」を買わずに乙社株式を現物で買っていた場合の
Aさんの損失は、
50万円-100万円=▲50万円
になっていました。
オプション取引の損益
オプション取引で権利を買ったAさんは、
- 乙社の株価が上がったときには権利を行使して45万円儲けることができて
- 乙社の株価が下がったときには権利を放棄して損失をオプション料(5万円)に限定することができました。
もし権利を買わずに現物取引で乙社株式を買っていたらAさんは、
- 乙社の株価が上がったときには50万円の儲けが出て
- 乙社の株価が下がったときには50万円の損失が生じていました。
このようにオプション取引は、
- 儲けはオプション料の分だけ現物取引より減ってしまいますが、
- 損失は最大でもオプション料にとどまります。
オプション取引は、損失を限定して利益を追求する取引であるといえます。
おわりに
コールオプション(買う権利)の売買、プットオプション(売る権利)の売買については下記ページを参照ください。
オプション取引-3-コールオプションとは | デリバティブの基礎-6
オプション取引-4-プットオプションとは | デリバティブの基礎-7
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。