税務調査-心構え

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

税務調査が入ったら、どのように対応したらいいのでしょうか。特に初めての税務調査では、右往左往してしまうことでしょう。そこで今回は、税務調査における心構えや対応方法についてご説明したいと思います。

 

税務調査は怖くない

脱税など税金を不当に減少させていなければ、税務調査は怖くありません。普段から税理士にしっかりと経理を見てもらって、きちんと申告して納税をしていれば、大丈夫です。無料で会社の税金についての処理や管理体制をチェックしてもらって、アドバイスまでもらえると考えることもできます。また、時には従業員の横領が見つかることもあります。経理処理のうっかりミスによる追加の税金はそんなに多額になることはありません。不正や脱税などやましいことをしていないのであれば胸をはって調査を受けましょう。

そもそも、脱税ほど割の合わないことはありません。税務署の調査官は優秀です。脱税は見つかります。見つかってしまったら、脱税で得ていたキャッシュインがなくなるのはもちろん、それを大きく超えたキャッシュアウトは避けられません。普段から適正な会計処理、税務申告を心がけます。

 

税務調査を受ける際のスタンス

税務調査を受ける際のスタンスは、強気に出て対決姿勢を見せたり、その逆に弱腰になって避けるのではなく、あくまで平常心を保ち正面から正攻法で受け答えすることが大切です。調査を早く終わらせてもらうためには、調査官が必要とする資料の提出や、質問には積極的に協力していく姿勢が重要です。
調査官からの質問にはシンプルはっきり明確に答えます。余計な尾ひれ、ムダ話や関係ない話題など、質問に関係ことを話してしまうことで、新たな問題を起すことがないようにすることが大切です。

質問に対して即答することは調査官の信用につながりますが、必ず即答しなければいけない訳ではありません。あいまいな受け答えではかえって信用を落としてしまいます。自信を持って即答できない場合は「よく調べてからご返答します」と、いったんは保留して、ちゃんと調べてから答えることです。調査官が関心を持った事項というのは、大きな問題に発展する場合も少なくありません。税理士にも相談して、しっかりと対策を練ります。

 

コーヒー通達

調査官への飲食などの接待については、「コーヒー通達」といわれる通達があります。一般的に考えてコーヒーくらいはお出ししても良いです。コーヒーやお茶などを超えたものは控えて、基本的には出来る限りの儀礼的な態度で対応するようにします。丁寧に対応することはもちろん大切ですが、度を超えた対応は、調査官が不信感抱くことになります。

 

指摘事項は改善する

調査で指摘された事項は、忘れずに改善します。次の調査で改善されているかどうかを必ず調べられます。改善されていない場合は、意図的に改善していないと思われて調査官の心証がかなり悪くなってしまいます。

 

納税者と税務署は利益相反の関係

税務調査への対応として、特殊なテクニックや手段があるわけではありません。普段からの正しい会計処理、資料の整理整頓が基本となります。 しかし調査というものは、税金を取りたい税務署と税金を払いたくない納税者といった利益相反の関係にあるため、主張の差異は避けられません。この差異を出来るだけ小さくして、速やかに調査を終えてもらうことを目指します。

 

調査官の判断基準

調査官の判断は、税法や通達、税務署の立場に基づいて行われます。対して税務調査を受ける側の会社の方は税務的な解釈よりも会社の都合や常識を優先しがちです。在庫評価損の計上、債権の貸倒損失、会社と役員の取引など、会社側の基準に比べて税務署は厳しく定義しているので衝突してしまいます。意見の対立から感情的な対立に発展することは避けるべきです。こちらの正当な主張は説明する必要はありますが、全てにおいて突っぱねるのではなく、税務署の立場も考えることです。良い機会として教えを受けるという態度を持つことです。そうして、少しでも会社が有利となる妥協点を目指します。

 

証拠が重要

税務調査では証拠が重要です。どんなに口で説明して、帳簿に書かれていても、証拠がなければ調査官は納得しません。証拠となる契約書、見積書、注文書、納品書、請求書、領収書などは普段から整理整頓して管理する必要があります。

 

 

税務調査の関連ページ

税務調査につきましては、下記の関連ページも参照ください。

 

 

 

おわりに

以上、税務調査における心構えについて簡単に説明させて頂きました。繰り返しになりますが、脱税ほど割に合わないものはありません。日頃から適正な会計処理、書類の整理整頓を行って、税務調査がいつ入っても構わないという体制を整えておくことが理想ですね。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。