はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、経営に役立つビジネス手法やファイナンスについて解説します。
今回は、仕事だけでなく日々の生活においても役に立つ機会費用という考え方について説明したいと思います。
機会費用とは
機会費用(opportunity cost)とは、ある行動を選ぶことによって失われてしまう、他の行動を選んでいたら得られたであろう経済的価値のことをいいます。
費用という言葉を使いますが、実際にお金が出ていくわけではないので、目に見えるものではありません。そのため少々理解しづらくなっています。
下記で機会費用の具体例をいくつか紹介しますので、それを読んで頂ければなんとなく理解できると思います。
人気タレントの移動手段
あなたは人気タレントをかかえる芸能事務所の社長です。この人気タレントは1時間あたり10万円を稼いでくれます。人気タレントの移動手段は何を使わせるべきでしょうか。
- 1時間かけて電車で移動させる。電車賃は1,000円
- ハイヤーを手配して30分で移動させる。ハイヤー料金は1万円
1. の場合は、電車賃1,000円の実際費用と、1時間仕事をしたら稼いでくれたであろう10万円の機会費用が発生します。よって、合計の費用は10万1,000円になります。
2. の場合は、ハイヤー料金1万円の実際費用と、30分仕事をしたら稼いでくれたであろう5万円の機会費用が発生します。よって、合計の費用は6万円になります。
芸能事務所の社長としては、合計の費用が少ない 2. のハイヤーを選んだほうがお得になりますね。加えて、ハイヤーを選んだほうが人気タレントも気持ちよく仕事をしてくれて、さらに長時間働いて稼いでくれるかもしれません。
会社の朝礼
従業員100名のとある会社では、従業員全員が参加する朝礼を毎日30分行っています。従業員のお給料を時給に換算すると時給3,000円です。
この会社では朝礼に対して毎日15万円(時給3,000円×0.5時間×100名)という機会費用が発生していることになります。朝礼に15万円の価値があるのかどうか検討する必要がありますね。
会議を行うときにはコストがかかっているということを常に意識します。会議が有益なのか、それとも無駄なのかを判断するためには機会費用を考えてみてください。
専業主婦
独立行政法人労働政策研究・研修機構の統計によると、正社員として定年まで働いた場合の女性の生涯賃金は約2億円とのことです。
一度も働かずに専業主婦になった場合は、働いていれば得られたであろう2億円が機会費用になります。出産や子育てなどで退職する場合は、2億円から今まで稼いだ分を差引いた金額が機会費用になります。
若い方を中心に最近また専業主婦志向が高まっているようですが、このように具体的な金額が出てくると判断が変わってくるかもしれません。
おわりに
機会費用が発生するのは時間というものが限りあるためです。すべての行動は機会費用の上になりたっている、ということを理解していると有意義に過ごせるかもしれませんね。
機会費用以外にも、ビジネスだけでなく生きる上で役に立つ考え方として下記ページも参照ください。
ビジネスも人生もサンクコスト(埋没費用)に振り回されないように
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。