税務調査-概要-3

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

税務調査-概要-1税務調査-概要-2に引き続き、色々な税務調査についてご説明します。
今回は反面調査と強制調査、そして調査の時期と調査対象となる期間についてお話します。

 

反面調査

反面調査とは、税務調査において、自分ではなく、調査対象である自分と関係がある取引先や金融機関に対しても調査することをいいます。

取引先や金融機関に反面調査が入ることで、その企業は信用を失い、取引先にも迷惑が掛けてしまう恐れがあります。取引先や金融機関に対する信用は非常に大切な資産です。反面調査が行われるのは、会社の説明不足や不正の可能性がある場合などなので、調査官に疑われそうな取引はちゃんと説明できるように帳簿や証拠を整備しておきます。

判例によると、税務署が反面調査をするには下記の3要件が必要となってきます。

  1. 資料紛失などで納税者の調査だけでは内容が分からない、納税者が他の方法で事実証ができない場合
  2. 納税者の同意を得ること
  3. 問題となっている必要範囲内に限ること

上記のように納税者本人の同意に加えて、取引先の承諾を得てから、反面調査は行えると考えられます。もし、双方に同意を得ないまま、税務署が反面調査を行うようなことがあれば、抗議して反面調査が拡大しないようにする必要があります。

 

強制調査

強制調査とは、税務署ではなくその上の組織である国税局の査察部が、脱税の疑いがある納税者に対して強制的に行う調査です。

納税者はこの調査を拒絶できません。強制捜査には裁判所の礼状が必要であり、資料を押収できる権限を持ち、脱税行為が特定されると検察庁に告発され、刑事事件として処理され、実刑になる場合もあります。脱税額が1億円を超え、かつ悪質な仮装隠蔽工作がなされたと想定される事案が対象となり、年間200件ほどの調査が行われています。

皆さんには映画「マルサの女」で知られていることろですね。一般の会社には縁がないと思います。

 

税務調査の時期

税務署は年始から3月15日までの確定申告時期は大変忙しく、また7月の人事異動では約25%の職員が異動となります。この期間を除いた3月~5月、8月~12月が税務調査のシーズンといえます。

7月の人事異動が落ち着いた9、10月は税務署もスケジュールが立てやすく税務調査が一番多い時期です。税務署も時間的余裕があるので、念入りに調査してガッツリと税金を取ろうと考えいます。4、5月も税務調査が多いですが、6月中に調査をまとめて7月の人事異動に備えなといけないため、あまり厳しく調査せずに件数を稼ぐというスタンスのようです。

 

税務調査の対象となる期間

調査対象となる年度は一般的に法人は直近5期分、個人事業主は3年分です。不正の事実があれば7期分まで拡大します。

まだ申告を行っていない調査日現在の年度の調査が行われることもあります。例えば調査日時点での現金残高と現金出納帳を確認する、直近数日分のレジの売上レシートペーパーを調査するといったもので、現金商売の納税者に対して行われております。

調査する税金の種類は、法人は法人税と消費税、個人事業主は所得税と消費税で、源泉所得税の調査や印紙税の調査なども行われます。なお、法人への調査の場合、社長個人の所得税は基本的には調査対象にはなりません。そのため社長個人の財産や帳簿等を調査する権限はありません。しかし、会社内に保管してある私物、会社の帳簿や書類が置かれている自宅の保管場所、会社と社長との間に取引や借入貸付がある場合の通帳などは、提示して説明する必要があります。

 

 

税務調査の関連ページ

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おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。