新規に開業したフリーランス・個人事業主の消費税

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

会社勤めの時は給料から天引きされて所得税や住民税を納めていましたね。フリーランス・個人事業主として開業した場合も所得税や住民税を納める必要がありますが、新たに事業税や消費税も納めなくてはいけなくなります。

今回は、そんな新規に開業したフリーランス・個人事業主の消費税について説明したいと思います。

 

開業1年目、2年目の消費税

フリーランス・個人事業主として開業した1年目(開業日からその年の12月31日まで)と2年目(開業した年の翌年1月1日から12月31日まで)は原則として消費税を納める必要はありません。

開業して2年目までは、基準期間の課税売上高がないので消費税の納税義務が免除されます。基準期間や課税売上高については「売上1,000万円-消費税の納税義務が免除」を参照ください。

 

開業3年目の消費税

フリーランス・個人事業主として開業した3年目の消費税については、3年目の基準期間にあたる、前々年の開業1年目(開業日からその年の12月31日まで)の課税売上高の大きさで判定することになります。

開業1年目の課税売上高が1,000万円以下ならば、開業3年目は消費税の免税事業者となり、消費税の納税義務は免除されるので、消費税を納める必要はありません。

開業1年目の課税売上高が1,000万円を超えるならば、開業3年目は消費税の課税事業者となり、消費税を納める必要があります。

例えば、9月1日に開業して、開業1年目(9月1日から12月31日までの3ヶ月間)の課税売上高が800万円だったとしても、3年目は消費税の納税義務は免除されます。3ヶ月間で800万円の売上だったのだから12ヶ月なら2,400万円の売上になるだろうと1年分に換算する必要はありません。あくまで開業日から12月31日までの課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判断することになります。開業1年目が何日あったかは関係ありません。

 

開業4年目以降

開業4年目以降の消費税については、基準期間となる前々年の課税売上高の大きさで判定することになります。

前々年の課税売上高が1,000万円以下ならば、その年は消費税の免税事業者となり、消費税の納税義務は免除されるので、消費税を納める必要はありません。

前々年の課税売上高が1,000万円を超えるならば、その年は消費税の課税事業者となり、消費税を納める必要があります。

 

特定期間

その年の基準期間である前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合は、基本的にはその年の消費税の納税義務は免除されます。

しかし、その場合であっても特定期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合は、消費税の納税義務は免除されません。

フリーランス・個人事業主の方の特定期間とは、その年の前年の1月1日から6月30日の半年間のことをいいます。

例えば・・・
前々年の課税売上高が900万円であっても、前年の1月1日から6月30日の間の課税売上高が1,200万円あった場合は、基準期間の課税売上高は1,000万円以下ですが、特定期間の課税売上高は1,000万円を超えることになります。
よって、その年は消費税の課税事業者となり、消費税を納める必要があります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した基準期間と特定期間の図-1

 

おわりに

税理士に頼らずに自分で確定申告しているフリーランス・個人事業主の方もいらっしゃると思います。そんな方でも、売上が1,000万円を超えて、消費税の課税事業者になり消費税を納める必要が出てきたら、税理士に相談してみてください。消費税は税金のプロである税理士でも間違えることがある厄介な税金です。税理士に相談して消費税で損をしないようにしましょう。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。