はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
今回は、ビジネスの教訓としてもつかえるイカロスのパラドックスを紹介します。
イカロスのパラドックスとは
ギリシャ神話のお話です。
クレタ島のミノス王の怒りをかってしまったダイタロスとその息子イカロスはラビリンスに閉じ込められてしまいました。(なぜ王の怒りをかってしまったのかは、アテネとクレタ島の戦争、テセウスによるミノタウロスの退治のお話など長くなってしまうので割愛します。)
ダイタロスはラビリンスから脱出するためのアイデアを思いつきました。木の枝に蜜ロウを使って鳥の羽根を貼り付け大きな翼を作ったのです。そして、この翼を息子のイカロスにさずけました。
ダイタロスは言いました。
「この翼を使って、ラビリンスを脱出するのだ。しかし、危険だから高く飛びすぎるなよ。」
はじめは恐る恐る翼を羽ばたかせていたイカロスですが、コツを掴んてどんどん上昇して、あっという間にラビリンスからの脱出に成功しました。
しかし、空を飛ぶ楽しさに心を奪われたのか、ますます高く飛んで、だんだんと太陽に近づいてしまい、蜜ロウが溶け始めました。しかしイカロスは空を舞うことに夢中でそれには気づかず、ついには羽根が溶け落ち、最期には大地に叩きつけられてこの世を去るのでした。
イカロスは自分の成功の源である翼に自惚れてしまい、太陽に近づいてしまうという危険に気づくことができずに、最期には成功の源であった翼によって命が絶たれたのです。これはイカロスのパラドックスと呼ばれており、欧米などで教訓として広く語られています。
ビジネスにおけるイカロスのパラドックス
これは個人や会社、もちろん大企業にも当てはまることがあります。特定の分野で成功した会社が、自信過剰になり過去の成功体験にとらわれてしまい、重大なリスクに気がつかないで転落してしまう事例に事欠きません。
このお話をぜひ記憶の片隅にでも置いて下さい。
余談ですが、このお話を聞いたとき、私は少し違和感を感じました。私の記憶ではイカロスは勇敢な人だったからです。皆さんの中にも小学生の頃にこの歌を聴いたり歌ったりした経験がもしかしたらあるのではないでしょうか。
作曲 越部信義むかしギリシャのイカロスは
ろうで固めた鳥の羽根
両手に持って飛び立った
雲より高くまだ遠く
勇気一つを友にして丘はぐんぐん遠ざかり
下に広がる青い海
両手の羽根をはばたかせ
太陽目指し飛んでいく
勇気一つを友にして赤く燃えたつ太陽に
ろうで固めた鳥の羽根
みるみるとけてまい散った
つばさうばわれイカロスは
墜ちて生命を失っただけどぼくらはイカロスの
鉄の勇気を受けついで
明日へ向かい飛び立った
ぼくらは強く生きて行く
勇気一つを友にして
おわりに
こちらのパラドックスも合わせてお読みになってみてください。
「アビリーンのパラドックス」
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。