はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
今回は確定申告をしなければいけない方について説明します。
確定申告をしなくてもいいけど、確定申告をすると得する方については、「確定申告をすると得をする方」を参照ください。
確定申告とは
確定申告とは、その言葉どおり、
納める税金を自分で計算して「確定」させ
税金をこれだけ納めますよ、と税務署に「申告」する
ことです。
確定申告をしなければいけない方の一例
所得については色々と区分が分かれていますが、儲かったら確定申告する必要がある、ただし例外あり、と覚えてください。迷ったら税理士や税務署に相談してみましょう。
所得税の確定申告をしなければならない方の一例は以下とおりです。
利子所得があった方
利子所得があった方については、預貯金や公社債などは利子を受け取る時点で税金が引かれるので、基本的に確定申告をする必要はありません。
ややこしいですが貸付金の利息については、利子所得ではなく雑所得や事業所得になるので確定申告しなければならない場合があります。
配当所得があった方
株式の配当、投資信託の収益分配金をもらうなどで配当所得があった方は確定申告をする必要があります。
証券会社の口座を特定口座(源泉徴収あり)の確定申告不要制度を選んでいる方は確定申告をする必要はありません。
不動産所得があった方
土地や建物など不動産を貸して、不動産所得があった方は確定申告をする必要があります。
山林所得があった方
山林を伐採して譲渡したり、立木のまま譲渡するなどで山林所得があった方は確定申告をする必要があります。
事業所得があった方
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業をやっていて事業所得があった方は確定申告をする必要があります。
不動産を貸している方は、事業所得ではなく不動産所得になります。
給与所得があった方
一般的に、会社から給料をもらっている方など給与所得のみの方の場合は、会社がやってくれる源泉徴収と年末調整で済むので、確定申告をする必要はありません。
ただし、下記に当てはまる方などは給料だけをもらっている方であっても確定申告が必要になります。
- 給与の収入金額が2,000万円を超える方
- 給与を1つの会社からもらっていて、給与所得と退職所得を除いた所得が20万円を超える方
- 給与を2つ以上の会社からもらっていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、給与所得と退職所得を除いた所得が20万円を超える方
退職所得があった方
普通は退職金をもらった時に会社が源泉徴収して税金を納めてくれるので、退職所得については、基本的には確定申告は不要です。源泉徴収されないもの(外国企業からもらうなど)については、確定申告が必要です。
譲渡所得があった方
資産を譲渡して譲渡所得があった方は確定申告をする必要があります。
有償無償は問わないのでタダであげたとしても、譲渡所得が発生する場合があるので注意してください。ここでいう資産とは、土地、建物、株式等、金地金、宝石、書画、骨とう、特許権、著作権などが含まれます。家具、通勤用の自動車、衣服など生活に通常必要な動産は含まれません。
土地や建物など不動産を譲渡した場合は、様々な節税方法があるので税理士に相談することをオススメします。
なお、株式等の譲渡には配当所得と同様に申告不要制度があります。
一時所得があった方
一時所得があった方は確定申告をする必要があります。
例えば、
懸賞や福引に当たった方、公営ギャンブルで儲けた方
生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金をもらった方
会社から金品をもらった方(注:人から金品をもらったら贈与税の申告が必要となります)
などなど、労力を要せず偶然儲かった場合をイメージしてください。
雑所得があった方
上記のいずれにも該当しなくても、所得があった場合には、雑所得として確定申告をする必要があります。
例えば、
事業に至らない程度の事業による所得があった方(税務署が事業と認めてくたら事業所得、認めてくれなければ雑所得になります)
年金をもらっている方
本業ではないアフィリエイトやネットオークション、原稿料や講演料などによる所得があった方
確定申告をしないと税務署にバレる?
確定申告をしないと、税務署にバレるのでしょうか?はっきり言いますがバレます。取引先の取引データやタレコミなど税務署の情報源は広範囲にありあます。
少ない金額だから、海外との取引だから、ネットでもうけたからetc、バレないだろうと思っている人もいるでしょう。昔はそうだったかもしれません。しかし今は違います。税務署の調査能力はとても優秀です。しかもその能力は年々進化しています。
少ない金額だからバレない → 昔は限られた税務署の職員の数から、どうしても金額的に重要なところの調査を優先していましたが、IT化が高度に進んだ現在においては少ない人員でも効率的に調査できるようになっています。
海外との取引だからバレない → 海外との取引だからといって、国内で活動している以上その痕跡は残ります。国内の得意先、仕入先からのデータをもとに調査したり、海外税務当局との連携から情報を得たりと、みなさんが考えている以上に税務署の情報網は広くはりめぐらされています。
ネットでもうけたからバレない → 個人でもアフィリエイトなどで簡単に副収入を得られるようになりましたが、それを見逃してくれるほど税務署は甘くありません。電子商取引を専門としたIT部隊にいる情報技術専門官が、ある日あなたの家を訪問するかもしれません(訪問時点である程度の証拠は掴んでいるので、もう逃げられません)。
まとめ
所得税の確定申告をしなければいけない人というのは、所得税を納めなければいけない人とほぼイコールになります。
税金を納めないといけないのに納めないとどうなるのか。その後発覚したら、本来納める必要があった税金にプラスして、ルールを破ったバツとしての追加の税金を納めなければなりません。
基本的に儲かったら確定申告する必要があるので、忘れずに確定申告をしましょう。
自分が確定申告しなければいけないのか分からない場合は、放置するのではなく税理士や税務署に相談してみてください。税理士なら節税についても相談にのってくれるはずです。
おわりに
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。
東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。