アーカイブ: 2015年12月

税務署に提出する「個人事業の廃業届出書」の書き方・記載例

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

フリーランスなどの個人事業主から法人成りして株式会社など会社を設立すると、多くの書類を提出する必要があります。これらの書類を記載することは難しくありません。しかし、初めて書く場合は戸惑ってしまう部分がけっこうあります。

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区を中心とした東京23区のお客様の会社設立をお手伝いしてきた経験をもとに、個人事業主が法人成りした場合に提出しなければいけない書類について、具体的な書き方・記載例をお伝えしたいと思います。

今回は、税務署に提出する「個人事業の廃業届出書」の書き方について説明します。

 

 

「個人事業の廃業届出書」とは

個人事業主が法人成りして個人事業を廃止したら、税務署に「個人事業の廃業届」を提出します。

個人事業を廃業した日から1ヶ月以内に納税地の税務署に持参又は郵送により提出します。手数料は不要です。

提出する際は2部持って行って1部を提出、もう1部に受付印をもらって持ち帰りましょう。郵送の場合も2部提出して、受付印を下さいとのメモ書きと返信用封筒と切手を入れておけば受付印済みのものが返送されてきます。

「個人事業の廃業届出書」の用紙は、個人事業の開業届けと同じ用紙である「個人事業の開業・廃業等届出書」を用います。
国税庁HPにPDFファイルがあるので印刷して使って下さい。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/04.pdf

 

 

「個人事業の廃業届」の具体的な書き方、記載例

個人事業を廃業して法人成りした場合の「個人事業の廃業届」の具体的な書き方、記載例は下記のようになります。

 

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2015/12/20151216.pdf

 

①個人事業の廃業届
用紙の題名が「個人事業の開業・廃業等届出書」なので、個人事業を廃業した場合は「開業」を二重線で消して下さい。

 

②○○税務署長殿
「個人事業の廃業届」を提出する税務署名を記載します。
個人事業主として納税を行っていた所轄の税務署になります。

 

③提出年月日
和暦で「個人事業の廃業届」を税務署に提出する日を書きます。

 

④納税地
納税地に該当する部分を○で囲んで、住所と電話番号を書きます。
納税地以外に住所地や事業所等がある場合は、下段の「上記以外の住所地・事業所等」に住所と電話番号を書きます。

 

⑤氏名
氏名とフリガナ、生年月日を書いて押印します。印鑑は認印で構いません。

 

⑥職業
廃業する個人事業の具体的な職種を書きます。

 

⑦屋号
個人事業において屋号を使っていた場合は屋号を書きます。
屋号がなければ空欄のままです。

 

⑧届出の区分
届出の区分は廃業を○で囲み、廃業の理由を「個人事業を廃業して法人成りしたため」などと具体的に書きます。

 

⑨所得の種類
所得の種類には、廃止した事業に係る所得の種類について、該当するものを○で囲みます。
また、事業所得を生ずべき事業を2つ以上(小売業と建設業など)行っていた個人事業主がその事業の全部を廃止する場合は「全部」を、その事業の一部を廃止する場合は「一部」を○で囲みます。「一部」を○で囲んだ場合は、廃止する事業を()に書きます。

 

⑪事業所等を廃止した場合
廃止した事業所の住所を書きます。

 

⑫廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
個人事業主が事業を廃業して法人成りした場合は、設立した法人の名、法人代表者、法人の納税地、法人の設立登記日を書きます。

 

⑬廃業に伴う届出書提出の有無
事業を廃止する方で青色申告の取りやめをされる方は、「青色申告の取りやめ届出書」も提出します。
また、消費税の課税事業者の方や課税事業者を選択されている方で、廃業する事業の他に課税売上げに当たる所得(不動産所得等)のない方は、消費税の「事業廃止届出書」も提出します。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で法人成りをお考えのフリーランス・個人事業主の方がいらっしゃいましたら東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が起業家様の良きパートナーとして事業をサポートさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

財産債務調書とは | 財産債務調書-1

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、一定の基準を満たす方に対して、その方が保有する財産と債務についての調書の提出を求める「財産債務調書」の提出制度についてご説明したいと思います。

 

 

財産債務調書の提出制度の趣旨

平成27年度の税制改正において、所得税や相続税の申告の適正性を確保する観点から、「財産及び債務の明細書」を見直し、一定の基準を満たす方に対して、その方が保有する財産と債務についての調書の提出を求める「財産債務調書」の提出制度が創設されました。

平成26年分までは「財産及び債務の明細書」でしたが、
平成27年分からは「財産債務調書」になります。

 

 

財産債務調書を提出する必要がある方

下記の3つ全てに当てはまる方は、その財産の種類、数量、価額、債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を税務署に提出する必要があります。

  • 所得税等の確定申告書を提出しなければならない方
  • その年分の総所得金額および山林所得金額の合計額※1が2千万円を超える方
  • その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産またはその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産※2を有する方

 

※1
申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除後の所得金額の合計額を加算した金額になります。
ただし、次の繰越控除を受けている場合はその繰越控除を適用した後の金額になります。

  1. 純損失や雑損失の繰越控除
  2. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
  3. 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
  4. 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
  5. 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
  6. 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

 

※2
国外転出特例対象財産とは、

  • 所得税法第60条の2第1項に規定する有価証券等
  • 所得税法第60条の2第2項に規定する未決済信用取引等
  • 所得税法第60条の2第3項に規定する未決済デリバティブ取引に係る権利

をいいます。

 

 

財産債務調書における財産の価格

財産の価額とは、その年の12月31日における時価(または時価に準ずるものとしての見積価額)になります。

 

 

財産債務調書提出の期限

財産債務調書は、その年の翌年の3月15日までに所得税の納税地の税務署に提出します。

なお、法施行後の最初の財産債務調書の提出期限は、平成28年3月15日になります。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書とは | 法定調書-8

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、法定調書のひとつである「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」についてご説明したいと思います。

 

 

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」は、次のような不動産等の売買のあっせん手数料や貸付けのあっせん手数料の支払いを行う場合に作成して税務署に提出します。

  • 不動産(不動産の上に存する権利も含む)の売買または貸付けのあっせん手数料
  • 船舶(総トン数20トン以上の船舶のみ)の売買または貸付けのあっせん手数料
  • 航空機の売買または貸付けのあっせん手数料

 

「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」を提出する義務がある方は、上記の売買または貸付けのあっせん手数料支払を行った

  • すべての法人
  • 個人で不動産業を営む者(ただし、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方は提出義務がありません)

になります。

 

不動産等の譲受けの対価の支払調書の提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が15万円を超えるものになります。この15万円には、消費税を含めて判断しますが、消費税が明確に区分されている場合には、その額を含めないで判断することができます。

 

 

この支払調書の提出を省略できる場合

「不動産の使用料等の支払調書」の「あっせんをした者」の欄に、不動産賃借にかかるあっせん手数料を記載した場合は、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略することができます。

また、「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の「あっせんをした者」の欄に、不動産の譲受けにかかるあっせん手数料を記載した場合は、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略することができます。

 

 

その他の支払調書

その他の法定調書については下記もご参照下さい。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

不動産等の譲受けの対価の支払調書とは | 法定調書-7

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、法定調書のひとつである「不動産等の譲受けの対価の支払調書」についてご説明したいと思います。

 

 

不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産等の譲受けの対価の支払調書は、次のような不動産等の譲受けの対価の支払いを行う場合に作成して税務署に提出します。

  • 不動産(不動産の上に存する権利も含む)の対価の支払
  • 船舶(総トン数20トン以上の船舶のみ)の対価の支払
  • 航空機の対価の支払

 

不動産等の使用料等の支払調書を提出する義務がある方は、上記の支払を行った

  • すべての法人
  • 個人で不動産業を営む者(ただし、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方は提出義務がありません)

になります。

 

不動産等の譲受けの対価の支払調書の提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が100万円を超えるものになります。この100万円には、消費税を含めて判断しますが、消費税が明確に区分されている場合には、その額を含めないで判断することができます。

 

 

不動産等の譲受けの対価に含まれるもの

不動産等の譲受けの対価の支払調書の対象には、売買の他にも次のような取得も含まれます。

  • 交換
  • 競売(支払を受ける者は裁判所ではなく、取得物件の前所有者になります)
  • 公売
  • 収用
  • 現物出資等

 

 

補償金が支払われる場合

不動産等の譲受けの対価の他に補償金を支払う場合は、不動産等の譲受けの対価の支払調書の摘要欄に、下記の区分によって補償金の種類と金額を記載します。

  • 建物等移転費用補償金
  • 動産移転費用補償金
  • 立木移転費用補償金
  • 仮住居費用補償金
  • 土地建物等使用補償金
  • 収益補償金
  • 経費補償金
  • 残地等工事費補償金
  • その他の補償金

 

 

あっせんをした者

不動産等の譲受けの対価の支払調書の「あっせんをした者」の欄に、不動産の譲受けにかかるあっせん手数料を記載した場合は、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略することができます。

 

 

その他の支払調書

その他の法定調書については下記もご参照下さい。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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不動産の使用料等の支払調書とは | 法定調書-6

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、法定調書のひとつである「不動産の使用料等の支払調書」についてご説明したいと思います。

 

 

不動産の使用料等の支払調書

不動産の使用料等の支払調書は、次の支払いを行う場合に作成して税務署に提出します。

  • 不動産(不動産の上に存する権利も含む)、船舶(総トン数20トン以上の船舶のみ)、航空機の借受けの対価
  • 不動産の上に存する権利の設定の対価

 

不動産の使用料等の支払調書を提出する義務がある方は、上記の支払を行った

  • すべての法人
  • 個人で不動産業を営む者(ただし、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方は提出義務がありません)

になります。

 

不動産の使用料等の支払調書の提出範囲は、同一人に対するその年中の支払合計が15万円を超えるものになります。この15万円には、消費税を含めて判断しますが、消費税が明確に区分されている場合には、その額を含めないで判断することができます。

 

ただし、法人に支払う不動産の使用料等については、権利金、更新料等のみを提出します。そのため、法人に対して家賃や賃借料のみを支払っている場合は、支払調書を提出する必要はありません。

 

 

不動産の使用料等に含まれるもの

不動産の使用料等の支払調書の対象には次のような支払も含まれます。

  • 不動産の賃借や、地上権・地役権の設定に伴って支払う権利金、礼金
  • 不動産の賃借に伴って支払う敷金や保証金のうち、賃貸契約などで返還されないことが確定した年分の金額
  • 契約期間の満了や借地の上にある建物の増改築に伴って支払う更新料や承諾料
  • 借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払う名義書換料
  • 催物の会場を賃借する場合のような一時的な賃借料
  • 陳列ケースの賃借料
  • 広告等のための塀や壁面等のように土地や建物の一部を使用する場合の賃借料

 

 

管理会社に支払う賃料

個人から不動産を借りた場合で、賃料をその個人ではなく不動産管理会社である法人に支払っている場合は、実質的には個人に対する支払になるため、その個人について「不動産の使用料等の支払調書」を作成します。

 

 

あっせんをした者

不動産の使用料等の支払調書の「あっせんをした者」の欄に、不動産賃借にかかるあっせん手数料を記載した場合は、そのあっせん手数料については「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出を省略することができます。

 

 

その他の支払調書

その他の法定調書については下記もご参照下さい。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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