アーカイブ: 2015年3月

年収103万円以下でも扶養控除申告書が必要 青色事業専従者やパート・アルバイトも

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

今回は、青色事業専従者やパート・アルバイトなど、年収が103万円以下であっても扶養控除申告書が必要になる理由について説明したいと思います。

 

 

年収103万円の壁

年収103万円の壁、という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

年間の給与収入が103万円以下であれば、

  • 本人に所得税がかからない
  • 配偶者控除の対象になる
  • 扶養控除の対象になる

といった税金の優遇を受けられることをいいます。

 

青色事業専従者や、パートやアルバイトをしている配偶者(妻または夫)や扶養親族(子供など)の方は、この103万円の壁を超えないようにしている場合が多いと思います。

 

年収については、この103万円の壁以外にも、98万円の壁、130万円の壁、141万円の壁といったものがあります。これらの年収の壁については下記ページを参照ください。
配偶者控除、配偶者特別控除とは?2-いろんな壁があります

 

 

年収103万円以下でも所得税がかかる場合あり

年収103万円以下でも所得税がかかる場合があります。

 

会社に「扶養控除申告書」を提出している場合

年収103万円以下で所得税がかからないのは、会社に「扶養控除申告書」(正式名は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書です)を提出している場合になります。

 

会社に「扶養控除申告書」を提出していると、会社が年末調整をしてくれるので、年収103万円以下であれば、年末調整の結果、所得税はゼロになります。会社が全てやってくれるので、自分で何か手続きをする必要はありません。

また、会社に「扶養控除申告書」を提出していると、毎月の給料から天引きされる所得税の額も少なくて済みます。月の給料が88,000円未満であれば、毎月の給料から天引きされる所得税(源泉所得税)もゼロになるので、毎月の手取りが減りません。

 

パートやアルバイトだけでなく、青色事業専従者の方も「扶養控除申告書」を提出してくださいね。

 

 

会社に「扶養控除申告書」を提出していない場合

年収103万円以下であっても、会社に「扶養控除申告書」を提出していない場合は、面倒になってしまいます。

 

所得税をゼロにするためには、確定申告をして、給料から天引きされた所得税を返してもらわなければなりません。確定申告をしないと、給料から天引された所得税は戻ってきません。青色事業専従者であっても同様です。

会社に「扶養控除申告書」を提出していないと、会社が年末調整をしてくれないので、自分で確定申告をする必要があるのです。

また、会社に「扶養控除申告書」を提出していないと、毎月の給料から天引きされる所得税の額も大きくなってしまい、毎月の手取りが減ってしまいます。(確定申告すれば、天引きされた所得税が戻ってくるので、結果的には所得税はゼロになります。)

 

 

おわりに

繰り返しになって恐縮ですが、青色事業専従者の方で「扶養控除申告書」を提出するのを忘れてしまうケースが少なくないのでご注意ください。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

公認会計士監査の手順

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士って何をする人?
税理士に比べると知名度が低い公認会計士ですが、そんな公認会計士について色々と紹介したいと思います。

 

今回は、公認会計士の主たる仕事である公認会計士監査について解説します。

公認会計士監査については下記ページも参照ください。
概要やメリットについては
公認会計士監査とは
種類については
公認会計士監査の種類
拡大した監査対象範囲については
公認会計士監査の範囲が拡大
中小企業が公認会計士監査を利用する場面については
中小企業が公認会計士監査を利用する場面

 

 

公認会計士監査の業務の流れ

公認会計士監査は次のような手順で業務が行われます。

公認会計士監査の流れ

 

 

予備調査と監査契約の締結

公認会計士や監査法人に監査の依頼が来ると、まずは公認会計士としての責任が果たせる状況にあるかどうかを調べることから始めます。

監査を受ける会社の監査への協力体制や、監査に対応可能な内部統制が構築されているかどうかなどがチェックされます。

このような予備調査といわれるチェックを経て監査契約が締結されます。

 

なお、公認会計士監査は試査を基に行われるため、監査に対応できるほどの内部統制が構築されていない会社の場合は、監査を行う前に内部統制の構築から始めなければなりません。そして監査の受け入れ体制を整えた上で、監査を行うことになります。

ここで試査とは、監査の対象となる母集団から一部の項目を抽出して監査を実施することをいいます。特に大企業ともなると、会計処理をひとつひとつ全て調べること(精査といいます)はできないため、公認会計士監査は、原則として試査によって行われます。
公認会計士監査では、全てをチェックするのではなく、どこにリスクがあるかを考慮した上で、サンプリング等の方法で抽出した部分をチェックするのです。公認会計士は、リスクと効率性を考慮して、試査を行う範囲やサンプル数、実施時期等を検討し、計画的かつ効率的効果的に監査を行っています。

 

 

リスク評価と監査計画の立案

公認会計士監査を受ける会社のガバナンスの評価、会計システムの評価、内部統制の整備・運用状況、取引の実体などを分析して、間違いや不正の可能性の高そうなところをピックアップします。

この間違いや不正の可能性の高いところをリスクといいます。このリスクに焦点を当てて監査手続きを実施することで、より効率的な監査を行うことができます。

このようなリスクに焦点を当てた監査手法をリスク・アプローチといい、監査計画の立案で最も重要な手続になります。

 

 

監査手続の実施

立案した監査計画に基づいて、具体的な監査手続を行っていきます。

通常、公認会計士監査は単独で行うのではなく、複数人のチームを組んで行われます。巨大企業の監査にもなると、百名を超える公認会計士でチームを組む場合もあります。

監査チームのメンバーである公認会計士は、実査・立会・確認・勘定分析などといった監査手続を実施して、監査意見を形成するための監査証拠を積み上げていきます。

 

 

監査意見の形成

監査チームの各メンバーが、自分の担当する部分において間違いや不正などがないと確信できるところまで調べがつくと、自分の行った監査業務の過程を監査調書として監査現場の責任者に報告します。

監査現場の責任者は、監査チームの各メンバーからの報告をまとめて相互の関連性や整合性を見ながら、全体としての正しさを検討します。

監査現場の責任者は、その検討結果を、監査責任者に報告します。
監査責任者は最終的に正しいかどうかを検討して、監査チームとしての意見を形成します。

 

 

審査と監査報告書の作成

監査チームの結論を、その監査に携わっていない別の公認会計士が客観的な視点で審査をします。

このような長い過程を経て、公認会計士監査の報告書は作られます。監査報告書は監査責任者が自筆でサインして、監査した会社の取締役会宛に提出します。

監査報告書を受け取った会社は、財務諸表(決算書)にこの監査報告書を付けて、自らが作成した財務書類に間違いがないことを証明するのです。

 

 

おわりに

金融機関や取引先などから公認会計士監査を受けるように言われたなど、公認会計士監査を受けたいとお考えの方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人(公認会計士事務所)にお声がけください。会計や監査だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、決算書に信頼性を付与します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。