アーカイブ: 2014年11月

スワップ取引とは | デリバティブの基礎-3

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつであるスワップ取引について説明したいと思います。

 

 

デリバティブとは

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替、コモディティ(穀物や金属、非鉄金属といった商品)などから”派生”した取引のことで、日本語では金融派生商品ともいわれます。デリバティブを一言で言うと、将来に行う取引を現時点で予約する取引です。

デリバティブの概要については下記ページを参照ください。
デリバティブとは | デリバティブの基礎-1

このデリバティブの代表的な取引として、今回ご説明するスワップ取引があります。

 

 

スワップ取引とは

英単語のスワップ(swap)には、交換するという意味があります。

デリバティブのスワップ取引とは、将来発生するお金の流れ(キャッシュフロー)を交換する取引のことをいいます。スワップ取引で交換するキャッシュフローは金利です。スワップ取引は、通常1回こっきりの交換だけでは終わらず、長い期間にわたって何回も交換が行われます。

スワップ取引には金利スワップと通貨スワップがあります。

 

 

金利スワップとは

金利スワップとは、同じ種類の通貨で、異なる種類の金利を交換する取引です。交換するのは金利だけで、金利を計算する元になる元本の交換は行いません。元本の交換は行いませんが、金利を計算するうえでの名目上の元本として想定元本を決めておきます。

例えば、日本円の変動金利と日本円の固定金利を交換する場合が該当します。

 

 

通貨スワップとは

通貨スワップとは、異なる種類の通貨で、金利を交換する取引です。交換するのは金利だけでなく、金利を計算する元になる元本の交換も行います。

例えば、日本円の変動金利と米ドルの固定金利を交換する場合が該当します。この場合は、金利だけでなく、元本である日本円と米ドルの交換も行います。

なお、異なる種類の通過で金利を交換する取引のうち、金利の交換だけを行って元本の交換をしない取引をクーポンスワップといいます。

 

 

スワップ取引の目的

スワップ取引を行う目的は、金利が変動するリスクを管理することにあります。

借り入れや債券発行などの資金調達を行うときには金利が発生します。この金利というものは、上がったり下がったり変動するというリスクがあります。

金利には大きく分けて変動金利と固定金利があります。それぞれの金利変動リスクを考えてみましょう。

 

変動金利の場合の金利変動リスク

変動金利は、借入期間中の市場の金利動向などによって定期的に金利が変動します。そのため、現時点においては将来どれくらいの金利を支払うことになるかが分かりません。

変動金利でお金を借りた場合の金利変動リスク(ややこしい表現ですみません)は、将来金利が上がってしまうと、それだけ支払う金利が多くなってしまうことにあります。

 

固定金利の場合の金利変動リスク

固定金利は、借入期間の始まりから終わりまで金利が固定されており変動しません。そのため、市場金利が上がっても下がっても、将来支払うことになる金利は一定になります。

固定金利でお金を借りた場合の金利変動リスクは、市場金利が下がっても、当初の契約どおりに高い金利を払い続けなければならないことにあります。

 

金利変動リスクの管理

金利変動リスクを管理するために

将来の市場金利が上がると予想する場合は、変動金利による借り入れから発生する金利と固定金利を交換したいと考えます。

逆に、将来の市場金利が下がると予想する場合は、固定金利による借り入れから発生する金利と変動金利を交換したいと考えます。

こんな時にスワップ取引が役に立つのです。

 

 

金利スワップの例

金利スワップの例として、住宅ローンの金利スワップを紹介します。

Aさんは甲銀行から変動金利で住宅ローンを借りています。
当初は当分の間低金利が続くだろうと思って変動金利で住宅ローンを組みましたが、最近になって近いうちに金利は上がってしまうのではないかと思うようになりました。
そこでAさんは乙銀行に相談したところ、金利スワップの提案を受けました。

金利スワップの内容はこうです。

  • 下記の取引を住宅ローンの返済が終わるまで行う
  • 想定元本は住宅ローン残高とする
  • Aさんは乙銀行に固定金利を支払う
  • 乙銀行はAさんに変動金利を支払う
  • AさんはZ銀行から受け取った変動金利をそのまま甲銀行に支払う

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した金利スワップの図

 

この金利スワップを実行すれば、Aさんの住宅ローンは実質的に変動金利から固定金利に変わることになります。交換するのは金利だけです。住宅ローン自体の借り換えを行うものではありません。

なお、この金利スワップによってAさんが得をするか損をするかは住宅ローンを返済し終わった後でないと分かりません。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

棚卸をしていますか? 目的と重要性を知ればすぐにやりたくなります

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援している公認会計士・税理士が会計について解説します。

 

みなさんの会社は棚卸をしていますか?中小の会社さんや個人事業主の方などで棚卸をしていないところが案外多いようです。

今回は、そんな棚卸について説明したいと思います。棚卸の目的と重要性を知って、すぐにでも棚卸をしたいと思っていただけると幸いです。

 

 

棚卸とは

棚卸(たなおろし)とは、商品や製品、仕掛品、材料といった在庫の数量を実際に数えることで、実地棚卸ともいいます。数えるだけでなく品質のチェックも同時に行います。

なお、実際に数えるのではなく帳簿上のみで在庫数を計算する方法を帳簿棚卸といいますが、単に棚卸という場合は実地棚卸のことを指すことが多いです。当ページでも実地棚卸を棚卸と表現します。

 

 

棚卸の目的と重要性

次に棚卸の目的と重要性について説明します。

 

利益を計算するため

利益は「売上-売上原価」で計算するので、利益を計算するためには売上原価を計算する必要があります。
売上原価を計算するためには、期末の在庫を把握する必要があります。

商品を例にすると、売上原価は「期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高」で計算するので、期末の商品在庫を数えて期末商品棚卸高を確定させなければなりません。

 

帳簿上の在庫を実際の在庫に修正するため

手書きで在庫の出入りをメモしている、コンビニのPOSシステムのようにリアルタイムで在庫を把握しているなどなど、在庫管理の方法には様々ありますが、これらは帳簿上の在庫に過ぎません。

どんなに高性能な在庫管理システムを導入したとしても、使う人の記入漏れ、システムへの入力ミス、盗難、会社内部の不正などによって、帳簿上の在庫と実際の在庫に差が生じてしまうことは避けられません。

そこで、決算日など定期的に棚卸を行うことで、帳簿上の在庫を実際の在庫に修正する必要があるのです。

帳簿上の在庫と棚卸によって把握した実際の在庫の差異について、その原因を調査することで管理体制の強化につなげることができます。

 

滞留在庫や品質をチェックするため

棚卸を行って在庫の姿を実際に確認することで、滞留在庫や不良品を確認することができます。

売上や利益はけっこうあるのにキャッシュ(現金)がないという財務体質の悪い会社さんは、その理由として在庫が溜まっている場合がけっこうあります。
売れない在庫、使わない在庫、不良在庫が滞留在庫となって山積みになっているのです。滞留在庫はまさに罪庫です。

定期的な棚卸によって滞留在庫を素早く把握、そして滞留在庫を未然に防ぐような体制を整えることができれば、徐々に財務体質は改善されてキャッシュも増えてくると思います。

 

 

おわりに

私は公認会計士として、数多くの上場企業の棚卸に立ち会ってきました。棚卸は骨の折れる作業です。しかし、棚卸は強い会社に成長させるためにはなくてはならない手続きであるということを覚えておいてくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で起業された方、または起業をお考えの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの会社の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

先物取引とは | デリバティブの基礎-2

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、金融・ファイナンスについて解説します。

今回は、デリバティブの基礎として、デリバティブの代表的な取引のひとつである先物取引について説明したいと思います。

 

 

デリバティブとは

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替、コモディティ(穀物や金属、非鉄金属といった商品)などから”派生”した取引のことで、日本語では金融派生商品ともいわれます。デリバティブを一言で言うと、将来に行う取引を現時点で予約する取引です。

デリバティブの概要については下記ページを参照ください。
デリバティブとは | デリバティブの基礎-1

このデリバティブの代表的な取引として、今回ご説明する先物取引があります。

 

 

先物取引とは

先物取引とは、
将来の定められた日に
定められた商品について
定められた数量を
定められた価格で
売買することを現時点で約束する取引をいいます。

現時点において、将来売買する際の価格や数量などを約束だけして、将来の期日になった時点で、その時の価格がいくらになっていようと、はじめに約束した価格で売買を行うことになります。

 

 

先物取引の例

定義だけではわかりづらいので先物取引の例を紹介します。

 

車が趣味の甲さんは毎月たくさんのガソリン代を払っています。
今のガソリン価格は1リットルあたり150円だけど、ガソリン価格は最近値上がり傾向だし将来もっと値上がりするのだろうなあと頭を悩ませています。

甲さんの友達で同じく車が趣味の乙さんも、ガソリンの価格変動は悩みの種になっています。ガソリン価格は最近まで値上がりが続いていたけど、そろそろ値下がりする時期だろうと感じています。

 

甲さんは、ガソリン価格は将来値上がりすると考えています。
乙さんは、ガソリン価格は将来値下がりすると考えています。
そんな甲さんと乙さんで、次のように将来のガソリンの売買を現時点で約束することにしました。

 

「半年後、乙さんから甲さんにガソリン100リットルを1リットルあたり150円で売る。」

 

ガソリン価格が上がった場合

半年後のガソリン価格は上がって1リットルあたり200円になりました。

  • 甲さんは、1リットルあたり200円のガソリンを150円で100リットル購入することができました。(200円-150円)×100リットル=5,000円、5,000円の儲けになります。
  • 乙さんは、1リットルあたり200円のガソリンを100リットル仕入れて1リットルあたり150円で売らなければなりません。(150円-200円)×100リットル=▲5,000円、5,000円の損失になります。

 

ガソリン価格が下がった場合

半年後のガソリン価格は下がって1リットルあたり100円になりました。

  • 甲さんは、1リットルあたり100円のガソリンを150円で100リットル購入しなければなりません。(100円-150円)×100リットル=▲5,000円、5,000円の損失になります。
  • 乙さんは、1リットルあたり100円のガソリンを100リットル仕入れて1リットルあたり150円で売ることができました。(150円-100円)×100リットル=5,000円、5,000円の儲けになります。

 

将来のガソリン価格がどうなるかなんて誰にも分かりません。損をするかもしれないのにこんな将来の約束をしても意味が無いと思われる方もいると思います。

しかし、将来のガソリン価格を今の時点で固定できることに大きな意味があります。甲さんも乙さんも、半年後のガソリン価格は1リットルあたり150円ということで、前もって色々と準備ができます。このように先物取引には価格が上がるか下がるか分からないという不確実な状態を回避することができるのです。

 

 

先物取引のメリットはリスクヘッジ

上記の例のとおり先物取引には、将来行う売買の価格を現時点で決めることができるので、価価格が変動するリスクを事前に回避することができるというメリットがあります。

先物取引で価格変動のリスクを回避する方法には、買いヘッジと売りヘッジがあります。

 

買いヘッジ

将来価格が上がると予想しているものについて、値上がりする前の価格で将来買うという約束を現時点ですることを買いヘッジといいます。買いヘッジによって将来値上がりすることによる損失を防ぐことができます。

 

売りヘッジ

将来価格が下がると予想しているものについて、値下がりする前の価格で将来売るという約束を現時点ですることを売りヘッジといいます。売りヘッジによって将来値下がりすることによる損失を防ぐことができます。

 

 

先物取引の特徴

一般的にモノの売買をするときには、売買する時にモノとお金を交換して決済しますね。

一方、先物取引は、将来の約束した日に、あらかじめ決めた価格でモノの売買をすることを、現時点で約束する取引です。
そして、一般的なモノの売買のように商品の受け渡しは必ずしも行われるわけではありません。転売や買い戻しなど、約束の日において売買の差額だけを精算することができるという特徴があります。
上記の例では実際にガソリンというモノとお金を交換していますが、儲けと損失にあたる売買差額だけをお金でやりとりすることもできるのです。

 

 

おわりに

先物取引と聞くと、株式投資などと比べて何となくギャンブルっぽく思われるかもしれません。実際、先物業者の指図のままに取引を行い先物相場でスッカラカンになってしまったという話は昔からキリがありません。たしかに先物取引には投資ではなく投機という側面もあるかもしれません。しかし、他のデリバティブ取引と同様に使い方を間違えなければ、将来の価格変動を回避するリスクヘッジにも用いることができる利点もあるのです。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で公認会計士や税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、石橋を叩いて渡る役として本業の事業による持続可能な成長をご支援します。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

消費税の増税で得をする消費税免税事業者

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として港区や渋谷区、新宿区など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方、フリーランス・個人事業主などの個人の方の税金や節税について解説します。

今回は、消費税の増税で得をする消費税免税事業者について説明したいと思います。

 

 

消費税免税事業者とは

消費税の免税事業者とは、消費税の納税の義務が免除される事業者、つまり消費税を納めなくていい事業者のことをいいます。

株式会社などの法人やフリーランス・個人事業主といった事業を営んでいる者のうち、特定期間の売上高が1,000万円以下の事業者などは消費税の免税事業者になります。

詳細は下記ページを参照ください。
売上1,000万円-消費税の納税義務が免除

この消費税の免税事業者は、消費税が増税されると得をすることになります。

 

 

なぜ消費税の増税で得をするのか

なぜ消費税の免税事業者は、消費税増税で得をするのでしょうか。

消費税が免税されない事業者は、売上などの受け取った消費税から、仕入れや経費などの支払った消費税を差し引いた差額の消費税を納めます。普通は売上の方が仕入れや経費よりも大きいため、受取消費税から支払消費税を差し引いた差額はプラス、つまり消費税を納めることになります。(受取消費税よりも支払消費税の方が多く、差額がマイナスになってしまう場合は差額が還付されます。)

対して消費税の免税事業者は、売上などの受け取った消費税から、仕入れや経費などの支払った消費税を差し引いた差額の消費税について、納める必要はありません。消費税が増税されると、この差額も大きくなることから、得をすると言われているのです。

もちろん受取った消費税がまるまる手元に残るわけではありません。受取った消費税から支払った消費税を差し引いた差額だけが手元の残ることになります。

 

 

なぜ消費税の免税事業者という制度があるのか

なぜ消費税の免税事業者という制度があるのでしょうか。税金を集めたいはずの税務署(国)は、なぜこんな制度を定めているのでしょうか。

それは、売上が1,000万円に満たないような小規模な事業者については、納める消費税の金額を計算して税務署に申告するのは手間がかかるので要件を定めて免除しましょう、という小規模事業者の保護救済を図るためです。

 

 

売上1,000万円以下だけど消費税を請求していいの?

自分は売上1,000万円以下の免税事業者だけど、お客様に消費税を請求していいの?
こんな疑問を持たれる方がけっこういらっしゃいます。

もちろんお客様に消費税を請求して問題ありません。
消費税の免税事業者は、消費税の納税の義務が免除されるだけで、消費税を受け取ってはいけないなんていう決まりはありませんので。

立場の弱いフリーランスの方など、クライアントから「売上1,000万円以下なんだから消費税は払わなくていいよね?」なんて言われることもあるかもしれません。そんな時に、「私は免税事業者ですが、正当な権利としてごにょごにょetc」と説明するのは面倒です。シンプルに「おかげさまで売上1,000万円超えたので消費税を請求させて頂きます」と言って消費税を請求してください。

 

 

本当に免税事業者は得なのか

本当に免税事業者は得なのかと言うと、難しい部分もあります。

免税事業者は小規模であることから立場が弱い場合が多く、仕事を受注するために消費税を請求しづらい場合もあるでしょう。一方、仕入れや経費の支払いにかかる消費税は確実に支払わなければいけません。

消費税の免税事業者の手元に残る消費税について、本来であれば納めなければいけないのに利益のように手元に残しておくことができるという制度は、いわゆる益税と言われて批判されることがあります。理屈の上ではお得といえますが、実際にはそれほど利益になっていない場合が多いのが現状です。

 

 

おわりに

消費税は税金のプロである税理士でも間違うことが多い税金です。消費税について迷ったり困ったことがあったら、ぜひ税理士に相談してみてくださいね。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

預貯金など金融資産保有額の平均はどのくらい?数字のトリックにだまされない

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

貯金預金などの金融資産の平均保有額をご存知ですか?ある雑誌の記事によると、単身世帯の平均が774万円、2人以上世帯の平均が1,182万円とのことです。自分の予想よりもはるか上をいっていて、みんなお金持っているんだなあとビックリしたので少し調べてみました。

 

 

預貯金など金融資産保有額の平均値

預貯金などの金融資産の平均保有額についての雑誌記事のソースをたどってみると、日本銀行の中が事務局にある金融広報中央委員会というところが公表している「家計の金融行動に関する世論調査 平成26年調査結果」(以下、調査結果)というものに突き当たりました。

調査結果を見てみるとたしかに

  • 単身世帯の金融資産保有額の平均値は774万円
  • 2人以上世帯の金融資産保有額の平均値は1,182万円

とあります。

 

 

預貯金など金融資産保有額の中央値

調査結果には、雑誌記事には書かれていない重要な数値として、預金など金融資産保有額の中央値というものがありました。

  • 単身世帯の金融資産保有額の中央値は75万円
  • 2人以上世帯の金融資産保有額の中央値は400万円

 

 

保有金融資産の平均値と中央値

保有金融資産の平均値だけみると、「自分はそんなに持っていない」と感じる方が多いかもしれません。保有金融資産の平均値というものは、少人数のお金持ちによって、その値を大きく引き上げられているため、多くの人の実感とかけ離れた金額になってしまうのです。この平均値の問題点については調査結果にもちゃんと書いています。

預金など保有金融資産の平均値

 

そこで、このような欠点をカバーするために、平均値だけでなく中央値も用いることが有用になる場合があります。保有金融資産の中央値とは、調査対象世帯を保有額の少ない(または多い)順番に並べたときに、真ん中にくる世帯の金融資産保有額のことをいいます。

例えば、自分の保有する金融資産が中央値とちょうど同じ金額の世帯の場合、ちょうど半分の世帯が自分の保有する金融資産よりも多くの金融資産を保有しており、ちょうど半分の世帯が自分の保有する金融資産よりも少ない金融資産を保有していることになります。
そのため保有金融資産の中央値は、世帯全体の実感により近い数字になると考えられます。

預金など保有金融資産の中央値

 

エクセルで中央値を算出するにはMEDIAN関数を使えばOKです。
なお、中央値が良くて平均値がダメという話ではありません。利用するデータの種類と何を知りたいのかなどでどちらが有用なのかは変ってきますので。

 

 

調査方法

この「家計の金融行動に関する世論調査 平成26年調査結果」の調査方法は、下記のようになっています。

  • 単身世帯が、全国2,500世帯のインターネットモニター調査
  • 2人以上世帯が、層化二段無作為抽出法によって抽出された全国8,000世帯の訪問と郵送の複合・選択式で回収率は49.4%

金融資産が少ない人よりも多い人の方が回答する確率が高いかもしれません。
見栄を張って多い金額を回答するかもしれません。
その結果、実際の保有金額を表していないことも考えられます。あくまで上記のような調査を行って、その結果としてこのような値が出たということを覚えておいてくださいね。

 

 

数字にだまされないように

アンケートや調査結果などを見る場合は、その母集団はどうやって選んだのか、どうやって調査したのかを意識するようにすると数字にだまされにくくなります。

 

例えば、

CMなどで「アンケートの結果、90%の購入者が満足しています」などと言っている場合は注意しましょう。

  • 何回もアンケートをとって、その中で一番いい結果のものを言っているのではないか
  • アンケートの際にプレゼントなどを渡して良い回答を誘導していないか
  • 「買って満足しましたか」と面と向かって聞かれて「満足していない」と答えるのは気が引ける
  • そもそもそんなアンケートなんてとっていない

インターネット上のアンケートで、「インターネットを利用したことがありますか?」と聞けば、「利用したことがある」と100%答えるでしょう。バカなこと言ってと思われるかもしれませんが、このようなアンケートや調査は散見されます。

 

 

おわりに

公認会計士・税理士という仕事柄、数字を疑ってかかる癖がついているのかもしれませんね。

保有金融資産の話から最後は脱線してしまいましたが最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。