アーカイブ: 2014年9月

事業経費と生活費の区分管理方法 | フリーランス・個人事業主の経理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様、経営者様を支援してきた経験から、フリーランス・個人事業主の方の経理のポイントについて解説します。

今回は、事業経費と生活費を区分して管理する方法について説明したいと思います。

 

 

事業経費と生活費の区分

フリーランス・個人事業主になったら、まずは事業経費と生活費をしっかりと分けるクセをつけることが大切になります。

「 事業に関係して支払った事業経費 」 と 「 事業には関係しない私的な支出である生活費 」 を区別して管理することは、フリーランス・個人事業主の方の経理において一番重要なポイントであるといっても過言ではありません。

ただ、事業経費と生活費を分けて管理すると言っても、なるべく手間はかけたくありません。

そこで、現金、預金、クレジットカードの3つについて、事業経費と生活費を簡単に区分管理する方法を紹介します。難しくはありません、事業用と生活用の2つに 「 物理的 」 に分けるだけです。

 

 

現金

現金について事業経費と生活費を分けて管理するためには、財布を2つ、事業用の財布と生活用の財布を用意して持ち歩くのが簡単です。

事業に関係しない入出金については生活用の財布を使います。

そして、事業関連の入出金については事業用の財布を使います。レシートや領収書を受けとったときもその財布に入れておけば、後から帳簿をつける際も迷うことがないので楽になります。

 

 

預金

預金について事業経費と生活費を分けて管理するためには、事業専用の預金口座を作ってください。現金管理について財布を2つ持つことは、そうした方が良いという提案ですが、事業専用の預金口座を作ることは、個人事業を行う上で必須であると言えます。

事業に関係する振込や口座引落などは、全て事業専用の預金口座で行います。そして、売上代金などを振り込んでもらう場合は、全て事業専用の預金口座に振り込んでもらうようにしてください。

事業専用預金口座以外の預金口座に売上代金の振込があったりすると、税務調査において、売上を抜いているのではという疑いを持たれてしまい、調査がより厳しくなる恐れがあるので気をつけてください。

預金については、事業用と生活用を必ず分けるようにしてくださいね。

 

 

クレジットカード

クレジットカードでの支払いについて事業経費と生活費を分けて管理するためには、事業関係の支払い専用のクレジットカードを用意します。

毎月のクレジットカードの明細があれば、経理漏れのチェックなども行いやすいですし、クレジットカード払いにすればポイントも付きます。毎月の利用明細は預金通帳よりも見やすいのも、支払いを管理する上ではありがたいですね。

個人的には、クレジットカードで支払えるものは、なるべくクレジットカードで支払うようにすることをオススメします。

なお、クレジットカードの利用明細は便利なのですが、それだけでは経理の証拠にはなりません。クレジットカードで支払った場合であってもレシートや領収書を忘れずに保管しておいてください。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、フリーランス・個人事業主として起業・開業して間もない方、これから起業・開業をお考えの方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

償却資産税の基礎と償却資産について

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様、経営者様を支援してきた経験から、株式会社などの法人の方、フリーランス・個人事業主などの個人の方が納める税金について解説します。

 

今回は、償却資産税の基礎と、償却資産税の対象になる償却資産について説明したいと思います。

償却資産税の申告については下記ページを参照ください。

 

 

償却資産税の基礎

固定資産税は、
1月1日時点に固定資産 ( 土地・家屋・償却資産 ) を持っている法人や個人が、
その固定資産の価格をもとに計算された税金の額を、
その固定資産がある市区町村 ( 東京都23区は特例で東京都が課税 ) に納める税金です。

 

償却資産税は、固定資産税のうち特に償却資産にかかる税金のことをいいます。

 

固定資産税は土地や家屋を持っていることによって課せられる税金ですが、土地や家屋の所有については法務局の登記の情報などから市区町村が把握することができるため、固定資産税の税金計算は市区町村が行って、土地・家屋の所有者にその税額を通知してくれます。そのため、土地・家屋の所有者が自分で固定資産税を計算して申告する必要はありません。

 

一方、償却資産税は償却資産を持っていることによって課せられる税金ですが、土地・家屋の所有者とは異なり償却資産の所有者については市区町村が把握することはできません。そのため、償却資産の所有者は自分が持っている償却資産を自分で申告しなければならないのです。

償却資産を持っている法人や個人は、毎年1月1日時点で所有している償却資産の内容を、償却資産が置いてある市区町村ごとに1月31日までに申告します。

 

固定資産 税金 固定資産の申告
土地・家屋 固定資産税 市区町村が税金を計算して通知してくれる
償却資産 償却資産税 自分で償却資産を申告しなければならない
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

償却資産とは

償却資産とは、
土地・家屋以外で事業のために使うことができる資産のうち
その資産の減価償却費が法人税法における損金 ( 法人の場合 ) 、所得税における必要経費 ( 個人事業主の場合 ) になるもの
をいいます。

市区町村に申告する必要がある償却資産の具体例です。

償却資産 償却資産の具体例
構築物 内装・内部造作、その他建築設備、舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板、広告塔、ゴルフ練習場設備、受変電設備、予備電源設備
建物附属設備 受変電・自家発電設備、蓄電池電源設備、屋外給排水・ガス引込み設備、そで看板、可動間仕切り、中央監視装置、独立した浄化槽・貯水槽等など
機械、装置 各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備など
船舶、航空機 ボート、釣船、漁船、遊覧船、飛行機、ヘリコプター、グライダーなど
車両、運搬具 自動車税、軽自動車税のかからないもの(フォークリフト、構内運搬車など)
工具器具備品 自動販売機、事務机・ロッカー・キャビネット、電子計算機、コピー機、応接セット、テレビ、レジスター、冷蔵庫・洗濯機、立看板、金庫、冷暖房機器、理美容機器、衣装、楽器、書籍、消火器、切削工具、ロール、測定工具、パソコン、陳列ケース、看板(ネオンサイン)、医療機器、測定工具、金型、理容及び美容機器、衝立など
業種別 償却資産の具体例
業種共通 パソコン、コピー機、エアコン、応接セット、キャビネット、ロッカー、金庫、内装・内部造作等、看板(広告塔、袖看板、ネオンサイン)、LAN設備など
製造業 金属製品製造設備、食料品製造設備、旋盤、ボール盤、梱包機など
印刷業 各種製版機、印刷機、断裁機など
建設業 ブルドーザー、パワーショベル、フォークリフト(軽自動車税の対象となるものを除く)、大型特殊自動車、測量機器、掘削機など
料理飲食店業 テーブル、椅子、厨房用具、冷凍冷蔵庫、カラオケ機器など
小売業 陳列棚(冷凍機や冷蔵機付き含む)など
理容・美容業 理容・美容椅子、洗面設備、消毒殺菌機、サインポールなど
医業、歯科医業 ベッド、手術台、薬品戸棚、医療機器(レントゲン装置、手術機器、歯科診療ユニット、ファイバースコープ)など
クリーニング業 洗濯機、脱水機、乾燥機、プレス機、ボイラー、ビニール包装設備など
不動産貸付業 受変電設備、発電機設備、蓄電池設備、中央監視設備、門・塀・緑化施設等の外構工事、駐車場等の舗装など
駐車場業 受変電設備、発電機設備、蓄電池設備、機械式駐車設備、舗装路面など
ガソリンスタンド業 洗車機、ガソリン計量器、独立キャノピー、防壁、地下タンクなど
諸芸師匠業、貸衣装業 楽器、花器、茶器、衣装など

 

 

償却資産になるもの

下記のものは償却資産になります。つまり、償却資産税の対象になるので申告する必要があります。

  • テナントが行った内装工事
  • 大型特殊自動車や建設機械など移動できる償却資産
  • 事業のために使っていなくても福利厚生のために使っているもの
  • 次の資産であっても1月1日時点で事業のために使うことができるもの
    • 建設仮勘定として計上されている資産
    • 簿外資産 ( 会計帳簿に載っていない資産 )
    • 償却済の資産
    • 遊休・未稼働の資産
    • もらった資産
  • 資本的支出になる改良費
  • 使用可能期間が1年未満または取得価額が20万円未満の償却資産であっても個別に減価償却しているもの
  • 租税特別措置法により即時償却などをしているもの(中小企業者等の少額減価償却資産など)

 

 

償却資産にならないもの

下記のものは償却資産にはなりません。つまり、償却資産税の対象にはならないので申告する必要はありません。

  • 棚卸資産 ( 商品、製品、仕掛品、貯蔵品など )
  • 固定資産税がかかるもの ( 土地や家屋 )
  • 自動車税、軽自動車税がかかるもの ( 普通自動車や軽自動車など )
  • 無形固定資産 ( ソフトウェア、電話加入権、特許権、実用新案権など )
  • 非減価償却資産 ( 書画骨董など )
  • 繰延資産 ( 創立費、開業費など )
  • 耐用年数1年未満または取得価額10万円未満の償却資産で、税務上固定資産として計上しないで、一括で法人税上の損金又は所得税上の必要経費にしているもの
  • 税務上の一括償却資産 ( 取得価額20万円未満の償却資産で、税務上3年で一括償却しているもの )

 

 

取得価額が少額な償却資産

取得価額が少額な償却資産については、税務会計上の経理の方法によって、償却資産として申告が必要になるかどうかが決まってきます。

償却資産として申告が必要かどうか
取得価額 経理の方法
一般の減価償却 中小企業者特例 3年一括償却 一時損金算入
10万円未満 必要 不要 不要
10万円以上20万円未満 必要 必要 不要
20万円以上30万円未満 必要 必要
30万円以上 必要
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

中小企業者等の特例で30万円未満の資産について取得時に一括償却した資産であっても、償却資産として申告する必要があるので注意してください。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、起業をお考えの方や起業して間もない方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

ソフトウェアと研究開発費の違い | IT企業に強い税理士が解説

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

ITやインターネット、ソフトウェア関連企業に強い公認会計士・税理士が、業界に特有な会計処理や経理、税金について解説します。

今回は、ソフトウェアの開発などを行っている会社に欠かせない、ソフトウェアと研究開発費の違いについて説明したいと思います。

 

 

会計上の研究開発のためのソフトウェアの位置づけ

会計上の研究開発のソフトウェアの位置づけは、下表のようになります。

IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した研究開発のためのソフトウェア

 

このように会計上のソフトウェアは、研究開発のためのソフトウェアと研究開発以外のソフトウェアの2つに大きく分けられます。

 

 

ソフトウェアとは

会計上のソフトウェアとは、コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラムなどのことをいいます。プログラムの他にも、システム仕様書やフローチャートなどの関連する文章も会計上のソフトウェアに含まれます。

ソフトウェアは、その目的に応じて次の3つに分けて会計処理されます。

  • 受注制作のソフトウェア
  • 市場販売目的のソフトウェア
  • 自社利用のソフトウェア

 

 

研究開発費とは

会計上、試験研究費は発生時に費用として計上します。

 

研究とは、
新しい知識の発見を目的として計画的に行う調査・探究活動のことをいいます。

 

開発とは、
新しい製品・サービス・生産方法(製品等)などについての計画や設計、
既存の製品等を著しく改良するための計画や設計として、
研究の成果を具体化することをいいます。

 

研究・開発を行っている段階では、将来の収益獲得や将来の費用削減につながるかどうかは不明であるといえます。また研究・開発のステージが進んで、将来の収益獲得や将来の費用削減の可能性が高くなってきた場合であっても、まだその効果が確実とはいえません。
効果が確実といえないもの(資産とはいえないもの)を貸借対照表の資産として計上することはできません。
そのため会計上は、研究開発にかかった費用(研究開発費)は、そのすべてを発生した会計年度に費用として計上することになります。

 

特定の研究開発の目的にだけ使用されて、他の目的には使用できない機械装置や設備、特許権などを取得した場合も研究開発費として計上します。つまり、機械装置などを購入した場合であっても、固定資産として計上するのではなく、購入したときに全額を費用として計上することになります。

 

 

研究開発のためのソフトウェア

研究開発のためのソフトウェアを制作する費用は、研究開発費になるので発生時に費用として計上します。

 

市場販売目的のソフトウェアについて、
最初に製品化された製品マスターの完成までに発生した費用と
製品マスターや購入したソフトウェアに著しい改良をするために発生した費用は、
研究開発費になるので発生時に費用として計上します。
詳細は、「市場販売目的のソフトウェアの会計・経理処理 | IT企業に強い税理士が解説」を参照ください。

 

 

税務上の試験研究費

細かい話で恐縮ですが税務上は研究開発費ではなく試験研究費という言葉を使います。

税務上、試験研究費は原則として製造原価として計上することになります。製造原価として計上するということは、製品として売れるまでは棚卸資産として計上しなければならないことを意味します。

会計上は、研究開発費のすべてが発生時に費用として計上されるのに対して、
税務上は、試験研究費は製品として売れるまで棚卸資産(資産)として計上されることになります。

 

特定の研究開発の目的にだけ使用されて、他の目的には使用できない機械装置や設備、特許権などを取得した場合も、
会計上のように全額を即時費用として計上するのではなく、
特別扱いはせずに通常の資産を買った場合と同様に固定資産として計上して、減価償却手続きによって徐々に費用化されます。

 

会計上は、将来の効果が分からないものは、なるべく資産として計上したくない、
税務上は、将来の効果が分からないものは、なるべく費用として計上したくない、
という立場の違いがあります。

 

税務上もそれでは厳しすぎるということで、試験研究費のうち、次の費用は製造原価に含めなくてもいいとされています。

  • 基礎研究
  • 応用研究
  • 工業化研究に該当することが明らかでないもの

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、ITやソフトウェア関連で起業した方、または起業をお考えの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ITやビジネス、ファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

自社利用のソフトウェアの会計・経理処理 | IT企業に強い税理士が解説

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

ITやインターネット、ソフトウェア関連企業に強い公認会計士・税理士が、業界に特有な会計処理や経理、税金について解説します。

今回は、ソフトウェアの開発などを行っている会社に欠かせない、自社利用のソフトウェアの会計・経理処理について説明したいと思います。

 

 

会計上の自社利用のソフトウェアの位置づけ

会計上の自社利用のソフトウェアの位置づけは、下表のようになります。

IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した自社利用のソフトウェア
研究開発目的以外のソフトウェアのうち、顧客に提供するのではなく、自社で利用するためのソフトウェアになります。

 

 

自社利用のソフトウェアの会計・経理処理

自社利用のソフトウェアは、そのソフトウェアの利用することによって、将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められるかどうかによって、会計・経理処理の方法が区別されます。

  • 将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められる場合は、無形固定資産のソフトウェアとして資産計上します。
  • 将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められない場合や、確実であるかどうか不明な場合は、費用として計上します。

 

 

将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められる場合

将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められる場合の例です。

通信ソフトウェアや第三者への業務処理サービスの提供に用いるソフトウェアなどを利用して、会社(ソフトウェアを利用した情報処理サービスの提供者)が、契約に基づいて情報等の提供を行い、情報等の提供を受けた受益者からその料金を会社に支払ってもらう場合

自社で利用するためにソフトウェアを制作して、当初より予定していた使途に継続して利用することによって、このソフトウェアを利用する前と比較して会社(ソフトウェアの利用者)の業務を効率的効果的に遂行することができると明確に認められる場合
具体的には

  • このソフトウェアを利用することによって利用する前に比べて、間接部門の人員を削減することができ、人件費を削減する効果が確実に見込まれる場合
  • 複数の業務を統合するシステムを導入することで入力業務等の効率化が図れる場合
  • 従来なかったデータベース・ネットワークを構築することによって、今後の業務を効率的効果的に行える場合
  • などが考えられ、ソフトウェアを制作する決定をした段階からソフトウェア制作の意図・効果が明確になっている場合

市場で販売しているソフトウェアを購入して、その購入したソフトウェアを予定した使途に継続して利用することで、会社(ソフトウェアの利用者)の業務を効率的又は効果的に遂行することができると認められる場合

 

 

自社利用のソフトウェアの資産計上の開始時点と終了時点

自社利用のソフトウェアの資産計上の開始時点は、将来の収益獲得や将来の費用削減が確実であると認められる状況になった時点になります。その開始時点を証明するために、ソフトウェア制作が承認された稟議書やソフトウェア制作費を集計するための管理台帳などを証拠として保管します。

自社利用のソフトウェアの資産計上の終了時点は、ソフトウェアが完了した時点になります。その終了時点を証明するために、ソフトウェア完了報告書、最終テスト報告書などを証拠として保管します。

 

 

自社利用のソフトウェアの法人税法上の処理

自社利用のソフトウェアについて法人税法上は、将来の収益獲得または将来の費用削減が確実であることが認められる場合や確実であるかどうか不明な場合は、無形固定資産のソフトウェアとして資産計上します。

将来の収益獲得または将来の費用削減が認められないことが明らかな場合のみ、費用として計上することになります。

 

 

会計上の処理と法人税法上の処理の違い

会計上の処理と法人税法上の処理の違いは、簡単にいうと下記のようになります。

  • 会計上は、将来の効果が確実にある場合だけ資産計上、それ以外は費用計上
  • 法人税法上は、将来の効果がないことが明らかな場合だけ費用計上、それ以外は資産計上

会計上はなるべく資産計上させたくない、法人税法上はなるべく費用計上させたくないというスタンスになっています。

 

 

自社利用のソフトウェアのまとめ

自社利用のソフトウェアの会計・経理処理、法人税法上の処理をまとめると下記のようになります。

自社利用のソフトウェアの処理方法
将来の収益獲得or費用削減 会計上 法人税法上
確実に見込める 資産 資産
確実とは言えない 費用 資産
分からない 費用 資産
確実に見込めない 費用 費用
作成 : IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、ITやソフトウェア関連で起業した方、または起業をお考えの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ITやビジネス、ファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

市場販売目的のソフトウェアの会計・経理処理 | IT企業に強い税理士が解説

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

ITやインターネット、ソフトウェア関連企業に強い公認会計士・税理士が、業界に特有な会計処理や経理、税金について解説します。

今回は、ソフトウェアの開発などを行っている会社に欠かせない、市場販売目的のソフトウェアの会計・経理処理について説明したいと思います。

 

 

 

会計上の市場販売目的のソフトウェアの位置づけ

会計上の市場販売目的のソフトウェアの位置づけは、下表のようになります。

IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した市場販売目的のソフトウェア
研究開発目的以外のソフトウェアのうち、顧客に提供する目的のソフトウェアで不特定多数の顧客に広く販売するソフトウェアになります。

 

 

市場販売目的のソフトウェアの会計・経理処理

不特定多数の顧客に広く販売することが予定される市場販売目的のソフトウェアは、製造業における製品開発とその量産品の製造と大きく変わりません。しかし、その対象がカタチあるモノではなく目に見えないソフトウェアであることから会計上は特別な処理が必要になります。

市場販売目的のソフトウェアについて、会計上はその制作費を2つの工程に分けて次のように処理します。

  • 「最初に製品化された製品マスター」の完成時点までのソフトウェアの制作費は、研究開発費として、発生した会計年度において費用として計上します。
  • 「最初に製品化された製品マスター」の完成後のソフトウェアの制作費は、その内容によって、無形固定資産のソフトウェア、研究開発費、発生時の費用、売上原価、棚卸資産として計上されます。

IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した市場販売目的のソフトウェアの区分

 

 

「最初に製品化された製品マスター」の完成時点までの制作費

市場販売目的のソフトウェアについて、「最初に製品化された製品マスター」の完成時点までの制作費は、研究開発費として発生した会計年度において費用として計上します。

「最初に製品化された製品マスター」の完成時点とは、次の2つの要件が満たされた場合をいいます。

  • 製品番号をつける、カタログやホームページに載せるなどの方法で、市場で販売する意思を明確に確認することができるようになった時点
  • 機能評価版(β版)に重要なバグ取りや一部機能変更などが終了して、製品が市場で受け入れられるかどうか、他社の製品と比較して競争力があるかなどの検討を行うことができる程度のプロトタイプが完成した時点

 

 

「最初に製品化された製品マスター」の完成後の制作費

「最初に製品化された製品マスター」の完成後のソフトウェアの制作費は、その内容によって売上原価、棚卸資産、無形固定資産のソフトウェア、研究開発費、発生時の費用として計上されます。

 

製品としてのソフトウェアの制作原価

下記のような製品としてのソフトウェアの制作原価は、ソフトウェアの製造原価になります。そのため無形固定資産のソフトウェアではなく、販売した際に売上原価として計上して、在庫については棚卸資産として計上します。

  • ソフトウェアを保存する媒体の費用
    製品マスターの複写に必要なコンピュータ利用などの費用
    製品利用マニュアルや使用説明書などを制作のための費用
    複写した製品マスターを販売用とするための製品表示や包装のための費用
    最初に製品化された製品マスターの完成以降の制作に携わった従業員の人件費

 

製品マスターの機能の改良や強化するための費用

ソフトウェアの操作性の向上など、製品マスターの機能の改良や強化のための費用は、製品マスターの取得原価になるので、無形固定資産のソフトウェアとして計上します。その後減価償却費として徐々に費用化されます。
なお、著しい改良や強化は研究開発費になります。

 

製品マスターの機能の著しい改良や強化のための制作費

いままでの製品マスターとは別の新しいマスターの制作のためのコストとみなされるような著しい改良や強化のための制作費は、研究開発活動とみなされるため、無形固定資産のソフトウェアとして計上するのではなく、研究開発費として費用計上します。

 

ソフトウェアの機能維持のための費用

バグ取りやウィルス防止など、修繕や維持保全のための費用は、無形固定資産のソフトウェアとして計上するのではなく、発生時の費用として計上します。

 

 

おわりに

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、ITやソフトウェア関連で起業した方、または起業をお考えの方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ITやビジネス、ファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたの事業の持続的な発展のお手伝いをさせて頂きます。

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