アーカイブ: 2014年6月

会社設立時の株主構成・株式持分比率は重要です

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

株式会社を設立するにあたって、株主構成、株式の持分比率について考えていますでしょうか。「株主構成?友人5人で起業するのだから1人20%ずつの出資でいいよね?」、といった感じで安易に決められる場合が多いのが現状です。

しかし、会社設立時の株主構成・株式持分比率は非常に重要な問題なのです。

 

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区の起業家様の支援をしてきた経験から、会社を設立するときポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、そんな会社設立時の株主構成・株式持分比率について説明します。

 

 

会社設立時の株主

株式会社を設立するためには、出資者から出資金を払い込んでもらい、払い込まれた出資金が会社の資本金(と資本準備金)になります。

会社設立のために出資金を払い込んだ出資者が会社設立時の株主になります。払い込んだ出資金の割合に応じて会社設立時の持株数、株主構成・株式持分比率が決まります。

 

 

株主の議決権

株主は所有する株式数に応じた議決権を持っています。その議決権の割合によって様々な株主としての権利があります。

会社を経営するうえでの一番重要な株主の権利は取締役の選任と解任です。株式を過半数持っていれば取締役の選任と解任ができます。取締役の選任と解任ができれば会社を支配できます。

そのため過半数という株式持分比率は非常に重要な区切りになってくるのです。

細かいですが、半分ではなく過半数です。ちょうど半分の50%ではダメです。50.01%でもいいので50%より多くないと過半数にはならないので注意してください。

 

 

複数人が出資者になって会社を設立する場合

例えば、友人同士であるAさんとBさんは2人で株式会社を設立して起業しました。株式持分比率は平等に50%ずつ、2人も代表取締役になりました。

はじめは仲良く順調でしたが、徐々に意見の食い違いが多くなってきて、最近では互いの顔を見るのも嫌になってしまいました。

しかし株式持分比率が50%ずつなので、どちらかをクビにするという取締役の解任もできません。

そうこうしているうちに、いつの間にか資金がショートして会社が潰れてしまいました。相手のやることに無関心でノータッチになっていたことから資金不足への対応が遅れたのが原因です。お互い意思疎通ができていれば打開策があったかもしれません。

 

例えば、友人同士であるCさんとDさんは一緒に起業することを考えていましたが、資金が足りません。

そこでDさんは出資をしてくれるという友人のEさんを連れてきました。

Cさん、Dさん、Eさんの3人で株式会社を設立して、株式持分比率はCさん40%、Dさん40%、Eさん20%になりました。

CさんとDさんが取締役になって会社の経営を行い、Eさんは経営には直接タッチしません。

CさんとDさんの頑張りにより会社は順調に拡大しました。

Dさんは、自分1人で経営した方がもっと上手くいくと思いはじめます。そこでEさんを説得してCさんを取締役から解任してしまいました。Dさんの株式持分比率40%+Eさんの株式持分比率20%、合わせて60%になるので取締役の解任ができるのです。

 

 

会社設立時は株式を100%保有する

1人で起業して株主は自分1人の場合は問題ありません。

1人で起業するのは心細いので、気の合う友人と一緒に起業したいとお考えの方もいるでしょう。

または、1人では出資できる金額に限りがあります。出資してくれる人数が多ければそれだけ事業に使えるお金が増えるので、出資者を増やしたいとお考えの方もいるでしょう。

 

しかし、自分1人で株式の過半数を保有してください。できれば100%全部持つべきです。

 

友人と一緒に起業する場合も、出資するのは自分1人で株主も自分1人にするべきです。もちろん友人を取締役にするのは問題ありません。取締役は株主でなくてもなれます。

資金が足りない場合は、出資というカタチで資金を集めるのではなく借入できないか検討してみてください。金融機関などの創業融資、家族からの借入などです。

 

 

おわりに

友人同士で起業するときは、株を平等に持たない方が良いですよ。ビジネスは仲良く平等にではなく、誰か1人が強力なリーダーシップを発揮した方が上手くいく可能性が高いといわれています。自分が株式の過半数を持てない場合は、友人と一緒に起業することについて再考してみてください。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、株式会社など法人の設立をお考えの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良きパートナーとして支援させて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

会社設立するために多くの書類を準備して、やっとのこと会社を設立したと思ったら、ひと息つく間もなく会社を設立した直後にも色んな書類を税務署や都道府県、市町村に提出しなければなりません。インターネットや書籍で調べながらこれらの書類を作成することはそれほど難しくはないです。でも、会社を設立した直後、本業でやらなくてはいけないことが山ほどあるのに、書き方をイチから調べて書類の空欄を埋めていく作業はなかなか辛いですよね。

 

そんな起業家の皆様に資するために、公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区の起業家様の支援をしてきた知識と経験から、会社を設立したら提出しなければいけない書類について、具体的な書き方をお伝えしたいと思います。

 

今回は、都道府県税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の書き方について説明します。

 

「法人設立届出書」(東京都の場合)以外の提出書類につきましては、「会社設立後に提出する書類一覧(税金関係)」を参照ください。

 

税務署に提出する「法人設立届出書」の記載例については、
「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
を参照ください。

株式会社などの法人ではなく、フリーランス・個人事業主の方が都道府県税事務所に提出する「個人事業開始等申告書」(東京都の場合)」の記載例については、
「個人事業開始等申告書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-フリーランス・個人事業主
を参照ください。

 

 

 

法人が都道府県税事務所と市区町村役場に提出する「法人設立届出書」とは

株式会社などの法人を設立したら、都道府県税事務所と市区町村役場に「法人設立届出書」を提出します。都道府県と市区町村に法人を設立したことを伝えるためです。

税務署にも同じような「法人設立届出書」を提出したのに、都道府県と市区町村にも届出を行うのは面倒ですよね。しかし、会社が納める税金には国税と地方税があり、税務署は国税、都道府県と市区町村は地方税を扱うので別々に届け出る必要があるのです。

 

 

都税事務所に「法人設立届出書」(東京都の場合)を提出する必要がある法人

東京都内で法人を新たに設立した場合は、所管の都税事務所に「法人設立届出書」を提出する必要があります。

 

 

東京都23区の所管の都税事務所

東京都23区内において、法人が納める地方税である法人事業税・地方法人特別税・法人都民税の課税事務は9つの都税事務所(千代田、中央、港、新宿、台東、品川、渋谷、豊島、荒川)で行っています。

  • 港区にある法人の所管は港都税事務所になります。
  • 渋谷区にある法人の所管は渋谷都税事務所になります。
  • 新宿区にある法人の所管は新宿都税事務所になります。

 

 

東京都23区内の場合は区役所に「法人設立届出書」を提出する必要がありません

市区町村によっては、都道府県税事務所に「法人設立届出書」を提出した場合、市区町村への届出は不要となる場合があります。

東京都23区内で法人を設立した場合は、所管の都税事務所に「法人設立届出書」を提出するだけでよく、各区役所への届出は不要です。

東京都23区外の都内で法人を設立した場合は、原則として各市町村に「法人設立届出書」を提出する必要があります。

 

 

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の提出期限

都道府県税事務所、市区町村役場に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、都道府県市区町村により様々です。

東京都で法人を設立した場合は、事業を開始した日から15日以内に管轄の都税事務所に「法人設立届出書」を提出する必要があります。法人を設立した場合の事業を開始した日は、法人の設立日、すなわち履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」になります。

ちなみに、税務署に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、法人設立日以後2ヶ月以内です。繰り返しになってしまい恐縮ですが、都税事務所に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、法人設立日以後15日以内になっており、税務署よりも提出期限が早いので注意してくださいね。

 

 

受付印を押してもらって控えに

「法人設立届出書」を都税事務所に提出するときは、同じ記載内容のものを2部用意してください。

そして、1部を都税事務所に提出して、もう1部には都税事務所の受付印をもらって会社の控えとして保管しておきましょう。

 

 

「法人設立届出書」(東京都の場合)の用紙

東京都内に法人を設立して、都税事務所に「法人設立届出書」(東京都の場合)を提出するときの用紙は東京都主税局のHPにPDFファイルがあるので、それを印刷して使って下さい。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/houjin/1-1A.pdf

 

 

 

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の具体的な書き方、記載例

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の具体的な書き方は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/ee95e57e574dc37135110df61ab51b41.pdf

 

法人設立設置届出書

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

 

提出年月日

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する日を、和暦で書きます。

 

都税事務所長、支庁長殿

都税事務所長に○をして、支庁長を二重線で消してください。

「法人設立届出書」を提出する都税事務所名を記載します。

提出先となる所管の都税事務所は、法人の所在地を所管する都税事務所になります。

東京都区内には9つの都税事務所があります。

  • 港区の場合は、港都税事務所です。
  • 渋谷区の場合は、渋谷都税事務所です。
  • 新宿区の場合は、新宿都税事務所です。

所管の都税事務所が分からない場合は、「住所 都税事務所 所管」で検索してみてくださいね。

なお、提出先が都税事務所ではなく支庁長になるのは東京都の島嶼部(とうしょぶ)の場合です。

 

設立

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

 

※整理番号

記載不要です。

 

法人名等

法人名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人名は略称などではなく、登記してある法人の正式名称で書いてください。

 

本店又は主たる事務所の所在地

法人の本店の所在地を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

登記してあるとおりに書いてください。

電話番号も忘れずに書きます。固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

 

納税地

基本的に⑦「本店又は主たる事務所の所在地」と同じになるため、その場合は「同上」と書いてください

 

代表者氏名

法人の代表者の氏名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人実印(会社代表者の印、株式会社なら「代表取締役印」と書かれているもの)を押印します。

 

代表者連絡先

法人の代表者の電話番号を書きます。

固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

住所は記載不要です。

 

送付先・連絡先

該当する□に✓を入れて、該当する所在地を書いてください。

⑦「本店又は主たる事務所の所在地」と同じにする場合は、「本店所在地」の□に✓を入れて、住所と電話番号は空欄にします。

 

設立設置年月日

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

設立日として、履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」を書きます。

 

事業年度

事業年度には、定款に記載されている会計年度を書きます。

 

資本金又は出資金の額

登記した資本金の額、履歴事項全部証明書に記載されている「資本金の額」を書きます。

 

資本金等の額

法人税法上の資本金等の額を書きます。

資本金等の額は、資本金の額に一定の加減をした額です。設立時に出資を受けた金額のうち資本金に組み込んでいない額がある場合などが加減する項目になります。

基本的には、⑭資本金の額を書けばOKです。

 

地方税の申告期限の延長の処分(承認)の有無

新たに法人を設立した場合は、無に○をしてください。

 

事業の目的

空欄になります。

 

従業者総数

従業員などの総数を書きます。

 

市内従業者数

この届出を提出する各市町村内の従業者数を書きます。

支店・出張所・工場等

本店以外に、支店や出張所、工場などがある場合は、その名称と住所を書きます。

なければ空欄のままにしてください。

 

設立の形態

フリーランス・個人事業主の方が法人成りして会社を設立した場合は、「1個人企業を法人組織とした法人である場合」の1に○をつけます。

起業して新しく事業を始めるとともに法人を設立した場合は、「5その他()」の5に○をつけます。()には「新規に事業を始めるために金銭出資により設立した法人」などと書いてください。

 

設立の形態が1~4である場合の設立前の個人企業、合併により消滅した法人、分割法人又は出資者の状況

フリーランス・個人事業主の方が法人成りして会社を設立した場合(㉑「設立の形態」で1に○をした方)は、フリーランス・個人事業主の方の氏名、フリーランス・個人事業主の時の納税地、事業内容を書きます。

起業して新しく事業を始めるとともに法人を設立した場合(㉑「設立の形態」で5に○をした方)は、空欄のままにしてください。

 

設立の形態が2~4である場合の適格区分

㉑「設立の形態」が1または5の場合は、空欄のままにしてください。

㉑「設立の形態」が2~4に該当する場合で、適格に該当する場合は適格に○、それ以外の場合はその他に○をしてください。

 

届出ないように該当する□にチェックしてください

新規に本店だけの法人を設立した場合は、□「当該区市町村にのみ事務所等を有する法人」にチェックしてください。

 

添付書類等

基本的には、1、2に○をするだけで構いません。

  1. 定款等の写し
  2. 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)

 

関与税理士

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっている場合は、その税理士の氏名と税理士事務所の住所電話番号を書きます。

関与税理士、顧問税理士がいない場合は空欄にしてください。

 

事務所所在地

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっている場合は、その税理士の事務所の住所電話番号を書きます。

関与税理士、顧問税理士がいない場合は空欄にしてください。

 

設立した法人が連結子会社である場合

設立した法人が連結子会社に該当しなければ空欄のままにしてください。

 

税理士署名押印

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっているなどで、「法人設立届出書」を税理士に作成してもらった場合は、は、その税理士に署名と押印をしてもらいます。

「署名」とあるので、税理士本人の自筆になります。

 

事業種目

定款等に記載されている事業の目的のうち、主なものを書いてください。

製造業の場合は、製造業にチェックを入れます。

製造業以外の場合は、その他にチェックを入れて、( )に事業種目を書きます。

 

※処理欄

都税事務所が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

 

法人設立届出書の添付書類

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する際は、下記2つの書類を一緒に提出します。

  • 定款の写し
  • 履歴事項全部証明書

 

 

会社設立後の提出書類一覧

会社設立後に提出する書類の一覧を表でまとめました。

書類名 提出先 詳しい内容や記載例のリンク先
法人設立届出書 税務署 「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
法人設立届出書 都道府県税事務所市町村役場 「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人
減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 「減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
棚卸資産の評価方法の届出書 税務署 「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 「給与支払事務所等の開設届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
青色申告の承認申請書 税務署 法人税の「青色申告の承認申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

おわりに

「法人設立届出書」を自分で書いて都税事務所に提出するのも良いですが、会社設立をしたなら、税理士に相談してみてください。会社設立の前後は顧問税理士を探す良いタイミングです。提出書類についてだけではなく、様々なアドバイスをしてくれるはずですよ。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で会社設立をお考えの方、または会社設立したばかりの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が起業家様の良きパートナーとして事業をサポートさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

「減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

会社設立するために多くの書類を準備して、ようやく会社を設立できたと思ったら、休む間もなく会社を設立した直後にも色んな書類を税務署や役所に提出しなければなりません。インターネットや書籍で調べながらこれらの書類を作成することはそれほど難しくはないです。でも、会社を設立した直後で本業でやらなくてはいけないことが山ほどあるのに、書き方をイチから調べて書類の空欄を埋めていく作業はけっこう大変ですよね。

 

そんな起業家の皆様に資するために、公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区の起業家様の支援をしてきた経験から、会社を設立したら提出しなければいけない書類について、具体的な書き方をお伝えしたいと思います。

 

今回は、税務署に提出する「減価償却資産の償却方法の届出書」(法人の場合)の書き方について説明します。

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」以外の提出書類につきましては、「会社設立後に提出する書類一覧(税金関係)」を参照ください。

 

株式会社などの法人ではなく、フリーランス・個人事業主の方が「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する場合の記載例については、
「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-フリーランス・個人事業主
を参照ください。

 

 

 

法人が税務署に提出する「減価償却資産の償却方法の届出書」とは

減価償却資産とは、建物や機械、車など、1回使って終わりではなく何年にもわたって使うモノで、価格が高いものをイメージして下さい。これらの資産は買った時点では全額を会社経費(損金)にすることができません。何年にもわたって少しずつ会社の経費になります。

減価償却資産について、毎年いくらを会社の経費にするか計算する方法を償却方法と言って、大きく分けて定額法と定率法の2種類があります。

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」とは、株式会社など法人の方が、減価償却資産の償却方法を選んで税務署に提出する書類です。

 

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要がある法人と提出期限

「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要がある法人と、その提出期限の主なものは下記のとおりです。

提出する必要がある法人 提出期限
新規に法人を設立した場合 法人の設立第1期の確定申告書の提出期限まで
法人を設立後に、すでに償却方法を選定している減価償却資産以外の減価償却資産を取得した場合 その減価償却資産を取得した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限まで
新しく事業所を設けた法人で、その事業所の減価償却資産について、その減価償却資産と同一区分の減価償却資産についてすでに採用している償却方法と異なる償却方法を選定しようとする場合、またはすでに事業所ごとに異なった償却方法を採用し ている場合 新たに事業所を設けた日の属する事業年度の確定申告書の提出期限まで

提出期限までに会社の納税地を所轄する税務署に持参又は郵送により提出します。手数料は不要です。

事業所別に償却方法を選んで届け出るときには、事業所別に届出書を作成して提出します。事業所が複数あっても償却方法が同じであれば1枚提出するだけでいいですが、事業所が複数あってその事業所ごとに異なる償却方法を選ぶ場合は、その数だけ届出書を作成する必要があります。

 

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出しないとどうなるのか

法人の方が「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出しないと、減価償却資産のうち償却方法を選べるものについては、定率法を選んだものとみなされます。

「減価償却資産の償却方法の届出書」は必ず提出しなければならない書類ではありません。
しかし、提出することで税金が有利になる場合があります。

 

「法人設立届出書」と同時に税務署に提出しても良いですが、提出した方がお得なのか分からない場合は、税理士に相談して法人税の申告期限まで提出を保留すると良いですよ。

 

 

定率法と定額法はどっちがいいのか

上記のとおり、法人の方が「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出しないと、減価償却資産のうち償却方法を選べるものについては、定率法を選んだものとみなされます。

しかし、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出することで定額法を選ぶことができます。

会社の経費になる金額について、総額では定額法も定率法も同じですが、経費になるタイミングは定率法の方が早いです。このため定率法の方が税金的にお得と言われています。しかし、定率法が必ず得になるわけではありません。会社の業績、売上が発生するタイミングやその他の経費の額によって定額法の方がお得になる場合もあります。

税理士に相談して、どちらを選んだほうが有利になるか検討してみてください。

 

 

受付印を押してもらって控えに

「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出するときは、同じ記載内容のものを2部用意してください。

そして、1部を税務署に提出して、もう1部には税務署の受付印をもらって持ち帰りましょう。郵送の場合も2部提出して、受付印を下さいとのメモ書きと返信用封筒と切手を入れておけば受付印済みのものが返送されてきます。

「減価償却資産の償却方法の届出書」に限らず、税務署に書類を提出するときは、2部用意して、1部に受付印をもらって控えにして保管しておくといいですよ。

 

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」の用紙

「減価償却資産の償却方法の届出書」の用紙は国税庁HPにPDFファイルがあるので印刷して使って下さい。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/pdf2/062.pdf

 

償却方法を変更しようとする場合は、「減価償却資産の評価方法の届出書」ではなく、「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」により変更の申請をしてください。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/pdf2/072.pdf

 

 

 

「減価償却資産の償却方法の届出書」の具体的な書き方、記載例

税務署に提出する「減価償却資産の償却方法の届出書」の具体的な書き方は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/29f6ef10206ae892d061d381b5569f67.pdf

 

提出年月日

税務署に「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する日を、和暦で書きます。

 

○○税務署長殿

「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する税務署名を記載します。
提出先の税務署は、会社の所在地を管轄する税務署になります。

東京都区内には複数の税務署がある場合があるがあるので注意してください。

ちなみに、

  • 港区には、麻布税務署と芝税務署があります。
  • 渋谷区には、渋谷税務署だけです。
  • 新宿区には、新宿税務署と四谷税務署があります。

所轄の税務署が分からない場合は、「住所 税務署 所轄」で検索してみてくださいね。

 

提出法人

基本的に単体法人にチェックをいれます。

 

※整理番号 ※連結グループ整理番号

記載不要です。

 

法人名等

法人名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人名は略称などではなく、登記してある法人の正式名称で書いてください。

 

納税地

法人の本店の所在地を書きます。登記してあるとおりの住所を書いてください。

電話番号も忘れずに書きます。固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

 

代表者氏名

法人の代表者の氏名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人実印(会社代表者の印、株式会社なら「代表取締役印」と書かれているもの)を押印します。

 

代表者住所

法人の代表者の住所を書きます。

 

事業種目

定款に記載されている事業の目的を書きます。

複数ある場合は、主な事業を書いてください。

 

連結子法人

基本的に空欄になります。

 

※税務署処理欄

税務署が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

資産、設備の種類

次の区分ごとに所有する減価償却資産の種類を記入してください。

 

「機械及び装置」以外の減価償却資産については下の7つになります。「減価償却資産の償却方法の届出書」に印字済みであるため、追加で書くことはありません。

  • 建物附属設備
  • 構築物
  • 船舶
  • 航空機
  • 車両及び運搬具
  • 工具
  • 器具及び備品

 

「機械及び装置」については、「機械及び装置」とひとくくりにしないで、もう少し細かく書くことになります。具体的には、耐用年数省令別表第二に規定されている設備の種類ごと「~設備」と書いてください。
「~設備」の左にある( )の中には、耐用年数省令別表第二または別表第五に該当する番号を書きます。
この「機械及び装置」の部分の記載は少し難しいので、会社の資産として「機械及び装置」がある場合は、税理士に相談するといいですよ。

 

償却方法

⑫「資産、設備の種類」の区分に応じて、会社で採用する償却方法(定額法、定率法など)を書いてください。

 

新設法人等の場合には、設立等年月日

新規に会社を設立した場合は、1に○を付けて設立年月日を書きます。

設立年月日は、履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」を書いてください。

 

税理士署名押印

税務署に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっているなどで、「棚卸資産の評価方法の届出書」を税理士に作成してもらった場合は、その税理士に署名と押印をしてもらいます。

「署名」とあるので、税理士本人の自筆になります。

 

※税務署処理欄

税務署が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

 

 

会社設立後の提出書類一覧

会社設立後に提出する書類の一覧を表でまとめました。

書類名 提出先 詳しい内容や記載例のリンク先
法人設立届出書 税務署 「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
法人設立届出書 都道府県税事務所市町村役場 「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人
減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 「減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
棚卸資産の評価方法の届出書 税務署 「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 「給与支払事務所等の開設届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
青色申告の承認申請書 税務署 法人税の「青色申告の承認申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

おわりに

「減価償却資産の償却方法の届出書」を自分で書いて税務署に提出するのも良いですが、減価償却資産の償却方法の選びかたについては、ぜひ税理士に相談してみてください。上にも書きましたが、減価償却資産の償却方法は、その会社の業種などよって選ぶべきものが変わってきます。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、株式会社など法人の設立をお考えの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良き相棒として支援させて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-フリーランス・個人事業主

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

フリーランス個人事業主として事業を始めるにあたっては、多くの書類を税務署や役所に提出する必要があります。これらの書類を作成することはそれほど難しくありません。しかし、本業に費やすべき時間を割いて、書き方をイチから調べて書類の空欄を埋めていくのは、とても億劫ですよね。

 

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区でフリーランス・個人事業主事業として起業なさった方をサポートしてきた経験をもとに、フリーランス・個人事業主として事業を始めたら提出しなければいけない書類について、具体的な書き方をお伝えしたいと思います。

 

皆様の貴重な時間を少しでも有効活用できれば幸いです。

 

今回は、税務署に提出する「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」(個人事業主の場合)の書き方について説明します。

 

フリーランス・個人事業主の方ではなく、株式会社などの法人の方が「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する場合の記載例については、
「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
を参照ください。

 

 

 

個人事業主が税務署に提出する「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」とは

棚卸資産とは、在庫ともいわれるもので、事業における生産活動や営業活動の過程で生じる資産のことで、原材料、仕掛品、製品、商品などが該当します。

棚卸とは、ある時点での在庫(棚卸資産)の数を数えて、その時点での棚卸資産の数と金額を確定させる作業のことをいいます。

棚卸資産の金額が確定しないと、利益の金額も確定しません。棚卸資産の金額によって利益の金額が動くので、棚卸は非常に重要な手続きなのです。

棚卸資産の金額を確定させるときには、棚卸資産の評価方法を用います。この棚卸資産の評価方法にはいくつか種類があります。

そのため事業年度によって棚卸資産の評価方法を変えることで利益操作ができてしまいます。

そのようなことを防ぐために、「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署に提出して、「うちの事業では棚卸資産の評価方法としてこの方法を用います。勝手に変更しません。」ということを税務署に伝えるのです。

 

 

棚卸資産の評価方法は何にすれば良いのか

「棚卸資産の評価方法って何を選べばいいの?」というご質問をよく頂戴します。しかし、業種や規模、人員によって変わってくるので、一概には回答できないのです。ですので、公認会計士や税理士に相談することをオススメします。あなたの事業に合った方法を教えてくれるはずですよ。

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しないで、結果的に「最終仕入原価法による原価法」を選択しているフリーランス・個人事業主の方も多いです。

 

 

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する個人事業主

下記に当てはまる方が「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する必要があります。

新たにフリーランス・個人事業主として事業を始めて、事業所得者になる予定の方

すでに、フリーランス・個人事業主として事業をしている方で、
従来の事業のほかに、他の種類の事業を始めた方
従来の事業をやめて、他の種類の事業を始めた方

 

 

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」の提出期限

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」の提出期限は、上記の「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出するフリーランス・個人事業主に当てはまった日の属する年分の確定申告期限になっています。

具体的にいうと、上記の「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出するフリーランス・個人事業主に当てはまった日の翌年の3月15日が提出期限になります。

3月15日の確定申告の期限までに、「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出してくださいね。

 

 

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しないとどうなるのか

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しないと、棚卸資産の評価方法が「最終仕入原価法による原価法」という方法に勝手に決められてしまいます。

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出して、事業の実情に合致した棚卸資産の評価方法を選択してください。

 

 

受付印を押してもらって控えに

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署に提出するときは、同じ記載内容のものを2部用意してください。

そして、1部を税務署に提出して、もう1部には税務署の受付印をもらって持ち帰りましょう。郵送の場合も2部提出して、受付印を下さいとのメモ書きと返信用封筒と切手を入れておけば受付印済みのものが返送されてきます。

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」に限らず、税務署に書類を提出するときは、2部用意して、1部に受付印をもらって控えにして保管しておくといいですよ。

 

 

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」の用紙

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」の用紙は、国税庁HPにPDFファイルがあるので印刷して使って下さい。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/18.pdf

 

従来の棚卸資産の評価方法を変更しようとする場合は、「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」ではなく、「所得税の棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」により変更の申請をしてください。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/20.pdf

 

 

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」の具体的な書き方、記載例

フリーランス・個人事業主の方が税務署に提出する「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」の具体的な書き方、記載例は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/b8eef170ae65cf822146d6d2a04aa66e.pdf

 

所得税の棚卸資産の評価方法の届出書

「棚卸資産の評価方法」と「減価償却資産の償却方法」の2つがありますが、「棚卸資産の償却方法」に○をつけて、「減価償却資産の償却方法」は2重線で消します。

 

○○税務署長殿

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する税務署名を記載します。

提出先の税務署は、個人事業の納税地を管轄する税務署なります。

東京都区内には税務署が複数ある場合があるがあるので注意してください。

ちなみに、

  • 港区には、麻布税務署と芝税務署があります。
  • 渋谷区には、渋谷税務署だけです。
  • 新宿区には、新宿税務署と四谷税務署があります。

所轄の税務署が分からない場合は、「住所 税務署 所轄」で検索してみてくださいね。

 

提出年月日

税務署に「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する日を、和暦で書きます。

 

納税地

個人事業の所得税の納税地として指定している場所の住所を書きます。

 

納税地が自宅住所になっているのであれば、住所地に○をして、自宅の住所と電話番号を書いてください。

納税地がお店や事務所の住所になっているのであれば、事業所等に○をして、そこの住所と電話番号を書いてください。

固定電話がない場合は携帯電話番号で構いません。

 

上記以外の住所地・事業所等

自宅以外に事業所などがない場合は、空欄になります。

 

自宅以外に事業所などがある場合は、④納税地に書いた住所以外の場所の住所と電話番号を書きます。

④納税地に自宅住所を書いた場合は、⑤には事業所等に○をして、事業所等の住所と電話番号を書いてください。

④納税地に事業所等の住所を書いた場合は、⑤には住所地に○をして、自宅住所と電話番号を書いてください。

固定電話がない場合は携帯電話番号で構いません。

 

氏名

自分の名前を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

印鑑は認印で構いません。

 

生年月日

生年月日を和暦で書きます。

 

職業

職業を具体的に書いてください。
例えば、インテリアデザイナー、公認会計士、税理士などです。

 

屋号

お店の名前など屋号がある場合は、その名称を書きます。

 

「棚卸資産の評価方法」については、次によることとしたので届けます。

「棚卸資産の評価方法」と「減価償却資産の償却方法」の2つがありますが、「棚卸資産の償却方法」に○をつけて、「減価償却資産の償却方法」は2重線で消します。

 

事業の種類

「事業の種類」には、その評価の方法を採用する事業の種類を、例えば、小売業、製造業などと書いてください。

 

棚卸資産の区分

「棚卸資産の区分」には、その評価の方法を採用する棚卸資産の区分を、⑪に書いた事業の種類ごとに、例えば、商品、製品、半製品、原材料、などと書きます。

 

評価方法

採用する棚卸資産の評価方法を下から選んで書きます。

  • 原価法
    • 個別法による原価法
    • 先入先出法による原価法
    • 総平均法による原価法
    • 移動平均法による原価法
    • 最終仕入原価法による原価法
    • 売価還元法による原価法
  • 低価法
    • 個別法による原価法に基づく低価法
    • 先入先出法による原価法に基づく低価法
    • 総平均法による原価法に基づく低価法
    • 移動平均法による原価法に基づく低価法
    • 最終仕入原価法による原価法に基づく低価法
    • 売価還元法による原価法に基づく低価法

 

減価償却資産の償却方法

今回は「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」なので、ここは空欄になります。

 

その他参考事項(1)

空欄のままになります。

 

その他参考事項(2)

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出することになった事情などを具体的に書きます。

新たに事業を始めた場合は、「新たに事業を開始したため届出」などと書いてください。

 

関与税理士

税務署に「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっているなどで、「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を税理士に作成してもらった場合は、その税理士の氏名と電話番号を書きます。

 

※税務署処理欄

税務署が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

 

 

フリーランス、個人事業主として起業する際に提出する主な書類

フリーランス、個人事業主として起業する際に提出しなければならない書類は、税務署に提出する「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」以外にもいくつかあります。

下記のページも参照ください。

 

 

おわりに

「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を自分で書いて税務署に提出するのも良いですが、棚卸資産の評価方法についてどれを選べばよいのかについて、ぜひ税理士に相談してみてください。上にも書きましたが、棚卸資産の評価方法は、その事業の業種や規模、人員によって選ぶべきものが変わってきます。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、フリーランス・個人事業主として起業をお考えの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良き相棒として支援させて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

株式会社など会社設立するまでには多くの書類を用意しましたが、会社を設立した直後も色んな書類を税務署や役所に提出する必要があります。これらの書類を作成することはそれほど難しくありません。しかし、書き方をイチから調べて書類の空欄を埋めていく作業はとても面倒です。

公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区の起業家様の支援をしてきた経験から、会社を設立したら提出しなければいけない書類について、具体的な書き方をお伝えしたいと思います。

 

今回は、税務署に提出する「棚卸資産の評価方法の届出書」(法人の場合)の書き方について説明します。

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」以外の提出書類につきましては、「会社設立後に提出する書類一覧(税金関係)」を参照ください。

株式会社などの法人ではなく、フリーランス・個人事業主の方が「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する場合の記載例については、
「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-フリーランス・個人事業主
を参照ください。

 

 

法人が税務署に提出する「棚卸資産の評価方法の届出書」とは

棚卸資産とは、在庫ともいわれるもので、会社の生産活動や営業活動の過程で生じる資産のことで、原材料、仕掛品、製品、商品などが該当します。

棚卸とは、ある時点での在庫(棚卸資産)の数を数えて、その時点での棚卸資産の数と金額を確定させる作業のことをいいます。

棚卸資産の金額が確定しないと、利益の金額も確定しません。棚卸資産の金額によって利益の金額が動くので、棚卸は非常に重要な手続きなのです。

棚卸資産の金額を確定させるときには、棚卸資産の評価方法を用います。この棚卸資産の評価方法にはいくつか種類があります。

そのため事業年度によって棚卸資産の評価方法を変えることで利益操作ができてしまいます。

そのようなことを防ぐために、「棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署に提出して、「うちの会社は棚卸資産の評価方法としてこの方法を用います。勝手に変更しません。」ということを税務署に伝えるのです。

 

 

棚卸資産の評価方法は何にすれば良いのか

「棚卸資産の評価方法って何を選べばいいの?」というご質問をよく頂戴します。しかし、業種や規模、人員によって変わってくるので、一概には回答できないのです。ですので、公認会計士や税理士に相談することをオススメします。あなたの会社に合った方法を教えてくれるはずですよ。

中小企業においては、「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しないで、結果的に「最終仕入原価法による原価法」を選択している会社さんも多いです。

 

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する法人

「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しないと、棚卸資産の評価方法が「最終仕入原価法による原価法」という方法に勝手に決められてしまいます。

「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出して、会社の実情に合致した棚卸資産の評価方法を選択してください。

 

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」の提出期限

「棚卸資産の評価方法の届出書」の提出期限は、会社を設立した第1期の法人税の確定申告書の提出期限になっています。

法人税の申告までに、「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出してくださいね。

 

 

受付印を押してもらって控えに

「棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署に提出するときは、同じ記載内容のものを2部用意してください。

そして、1部を税務署に提出して、もう1部には税務署の受付印をもらって持ち帰りましょう。郵送の場合も2部提出して、受付印を下さいとのメモ書きと返信用封筒と切手を入れておけば受付印済みのものが返送されてきます。

「棚卸資産の評価方法の届出書」に限らず、税務署に書類を提出するときは、2部用意して、1部に受付印をもらって控えにして保管しておくといいですよ。

 

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」の用紙

「棚卸資産の評価方法の届出書」の用紙は、国税庁HPにPDFファイルがあるので印刷して使って下さい。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/pdf2/054.pdf

 

 

 

「棚卸資産の評価方法の届出書」の具体的な書き方、記載例

株式会社など法人の方が税務署に提出する「棚卸資産の評価方法の届出書」の具体的な書き方、記載例は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/3ab4d17e0c8b8f3039ae5f41be0ba0e2.pdf

 

提出年月日

税務署に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する日を、和暦で書きます。

 

○○税務署長殿

「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する税務署名を記載します。

提出先の税務署は、会社の所在地を管轄する税務署なります。

東京都区内には複数の税務署がある場合があるがあるので注意してください。

ちなみに、

  • 港区には、麻布税務署と芝税務署があります。
  • 渋谷区には、渋谷税務署だけです。
  • 新宿区には、新宿税務署と四谷税務署があります。

所轄の税務署が分からない場合は、「住所 税務署 所轄」で検索してみてくださいね。

 

提出法人

基本的に単体法人にチェックをいれます。

 

※整理番号 ※連結グループ整理番号

記載不要です。

 

法人名等

法人名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人名は略称などではなく、登記してある法人の正式名称で書いてください。

 

納税地

法人の本店の所在地を書きます。登記してあるとおりの住所を書いてください。

電話番号も忘れずに書きます。固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

 

代表者氏名

法人の代表者の氏名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人実印(会社代表者の印、株式会社なら「代表取締役印」と書かれているもの)を押印します。

 

代表者住所

法人の代表者の住所を書きます。

 

事業種目

定款に記載されている事業の目的を書きます。

複数ある場合は、主な事業を書いてください。

 

連結子法人

基本的に空欄になります。

 

※税務署処理欄

税務署が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

事業の種類又は事業所別

実際に行っている事業の内容を種類別に書きます。

棚卸資産の評価方法を事業所別に選定する場合は、その事業所名を書きます。

 

資産の区分

「補助原材料その他の棚卸資産」の下の空白スペースには、

事業を2以上営んでいる場合、
事業所別に選定しようとする場合に、

棚卸資産を下の区分で記載してください。

  • 商品又は製品(副産物及び作業くずを除きます。)
  • 半製品
  • 仕掛品(半成工事を含む)
  • 主要原材料
  • 補助原材料その他の棚卸資産(副産物及び作業くずを含む)

 

評価方法

採用する棚卸資産の評価方法を下から選んで書きます。

  • 原価法
    • 個別法による原価法
    • 先入先出法による原価法
    • 総平均法による原価法
    • 移動平均法による原価法
    • 最終仕入原価法による原価法
    • 売価還元法による原価法
  • 低価法
    • 個別法による原価法に基づく低価法
    • 先入先出法による原価法に基づく低価法
    • 総平均法による原価法に基づく低価法
    • 移動平均法による原価法に基づく低価法
    • 最終仕入原価法による原価法に基づく低価法
    • 売価還元法による原価法に基づく低価法

 

参考事項

新規に会社を設立した場合は、設立年月日を書きます。

設立年月日は、履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」を書いてください。

 

税理士署名押印

税務署に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっているなどで、「棚卸資産の評価方法の届出書」を税理士に作成してもらった場合は、その税理士に署名と押印をしてもらいます。

「署名」とあるので、税理士本人の自筆になります。

 

※税務署処理欄

税務署が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

 

 

会社設立後の提出書類一覧

会社設立後に提出する書類の一覧を表でまとめました。

書類名 提出先 詳しい内容や記載例のリンク先
法人設立届出書 税務署 「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
法人設立届出書 都道府県税事務所市町村役場 「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人
減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 「減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
棚卸資産の評価方法の届出書 税務署 「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 「給与支払事務所等の開設届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
青色申告の承認申請書 税務署 法人税の「青色申告の承認申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

 

おわりに

「棚卸資産の評価方法の届出書」を自分で書いて税務署に提出するのも良いですが、棚卸資産の評価方法についてどれを選べばよいのかについて、ぜひ税理士に相談してみてください。上にも書きましたが、棚卸資産の評価方法は、その会社の業種や規模、人員によって選ぶべきものが変わってきます。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で、株式会社など法人の設立をお考えの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の良き相棒として支援させて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。