アーカイブ: 2014年3月

利子所得でも確定申告が必要な場合があります

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、所得税法で定められている10種類の所得のうち、利子所得について説明します。
利子所得は基本的に確定申告は不要ですが、確定申告が必要となる利子もあるので注意してください。

 

利子所得とは

利子所得とは、預貯金や公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。
一般的な人に関係してくるのは、銀行などに預金して受け取る利子ですね。

 

利子所得の金額の計算方法

一般的に所得金額は

収入金額-必要経費=所得金額

で、計算されます。

利子所得の金額は必要経費がかからないため

利子などの収入金額=利子所得の金額

になります。
ここでいう利子などの収入金額は、手取り金額ではなく税金を引かれる前の金額をいいます。
皆さんの手もとに入ってくる利子は、すでに税金が引かれている(源泉徴収されている)ので注意してください。

 

税金の額の計算方法

利子所得の金額に 20.315% ( 所得税 15% + 復興特別所得税 0.315% ( 15% × 2.1% ) + 住民税 5% ) を乗じて計算された税金が、利子を受け取るときに差し引かれ(源泉徴収され)ます。残りの79.685%分が手取り金額になります。
これで税金を払ったことになるので、あらためて確定申告をする必要はありません。このような税金の支払い方を源泉分離課税といいます。

「確定申告をする必要がありません」と書きましたが、確定申告がしたくてもできないのです。所得税、復興特別所得税、住民税の合計の税率が20.315%より低い場合でも、確定申告をして還付を受けることはできません。

 

外国の金融機関の口座の利子

海外の金融機関の口座の利子は、受け取るときに日本の税金が差し引かれない(源泉徴収されない)ため、確定申告して日本で税金を払う必要があります。
日本では税金が差し引かれていませんが、外国の税金が差し引かれている場合があります。この場合は、日本と外国で二重に税金を払うのを防ぐために、確定申告において外国税額控除の手続きをしなければいけません。

外国から受け取る利子は、利率が高く多額になる場合もあります。確定申告をするのを忘れていると、本来払うべきであった税金だけでなく、ペナルティとして追加の税金を払うハメになります。税務署は海外口座の情報も押さえているため、外国だからといって見逃されることはありません。税理士に相談して忘れずに申告してくださいね。

なお、給与所得者で確定申告が不要な方のうち、外国口座の利子とその他給料以外の所得の合計20万円以下なら確定申告は不要です。

 

利子所得にならない利子

利子なのに利子所得にならないものがあるので注意してください。確定申告が必要になる場合もあります。

例えば・・・

  • 社長が自分の会社にお金を貸し付けて、利息を受け取る場合は、雑所得になります。
  • 事業とは関係なく、友達や知人に個人的にお金を貸したときに受け取る利息は、雑所得になります。
  • フリーランス・個人事業主が、取引先や従業員にお金を貸したときに受け取る利息は、事業に付随するものとして事業所得になります。

 

おわりに

利子は基本的には確定申告する必要はありません。海外口座の利子や、知人や取引先への貸付にかかる利子など確定申告が必要となる利子もあるので注意してください。困ったときは税務署に直接聞いてみるか、税理士に相談してみてください。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

スポーツクラブの会費は経費にできるか?

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

皆さんはスポーツクラブに通っていますか?私は港区のとあるスポーツジムに週2のペースで通っています。行き始めた当初は理由をつけてサボることもありましたが、今では行かないと鈍って調子が悪くなってしまう身体になってしまいました。

そこで今回は、お客様にもよく質問されることで税理士の間でも意見の分かれる、スポーツクラブの会費は経費にできるのかどうか、というお話をしたいと思います。

 

福利厚生費にあたるのか?

スポーツクラブの会費が、フリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になるとした場合、その勘定科目は福利厚生費なると思います。
ここで福利厚生費とは、簡単に言うと役員や従業員の仕事への意欲を高めるために支出される給料以外のものをいいます。
スポーツクラブの会員になることで、心身がリフレッシュされ仕事への意欲が高まる人もいるため、福利厚生費として経費にしても良さそうな気がしますね。

ここで問題となるのは、福利厚生の対象として、フリーランス・個人事業主本人、法人の役員が含まれるかどうかということです。

 

フリーランス・個人事業主本人は残念ですがダメ

フリーランス・個人事業主本人は、福利厚生の対象には含まれません。フリーランス・個人事業主は、福利厚生を受ける側ではなく、授業員に対して福利厚生を行う側であるためです。
そのためフリーランス・個人事業主が本人の個人名義で会員として払っているスポーツクラブの会費は、残念ですが必要経費にはなりません。

本人の個人名義ではなく、事務所・屋号名義でスポーツクラブの会員になって、従業員が使用した分については必要経費になるでしょう。この場合でもフリーランス・個人事業主の利用分は必要経費にはなりません。従業員といっても家族従業員は、フリーランス・個人事業主と同じく必要経費にはならないでしょう。

 

法人は時と場合によります

フリーランス・個人事業主とは異なり、法人の役員に対しては福利厚生という概念はあります。
そのため、役員の個人会員ではなく法人会員になり、役員や従業員の全員が分け隔てなく利用できる場合は、法人の損金として計上できるでしょう。

しかし、税務署は形式ではなく実質で判定します。

例えば・・・

役員1人で従業員ゼロの1人株式会社の場合であっても、法人格をもつ株式会社と、役員は形式的には別人格です。よって1人株式会社であっても、役員に対する福利厚生というものは形式的には存在します。
しかし実質には福利厚生をする側とされる側が同一です。そのため福利厚生費は認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます。同じように家族役員、家族従業員に対する福利厚生費も認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます。

形式的には、役員や従業員が自由にスポーツクラブを利用できる状態にあったとしても、実質的には特定の役員や従業員のみが利用している場合は、その役員・従業員に対する給与とみなされ税金がかかってしまいます。

 

なぜ給与になるとダメなのか?

上記において「福利厚生費とは認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます」という表現をしています。なぜ給与になると税金がかかってしまうのでしょうか。
役員の場合、給与の額は前もって決まっている分しか法人の損金として認められません。追加の給与は、役員本人の源泉所得税が増えるだけでなく、法人の損金にならないため税金が余計に発生してしまうのです。
なお、従業員の場合、追加の給与で従業員本人の源泉所得税が増えますが、法人の損金にはなるので役員の場合ほど痛手はありません。

 

スポーツクラブの会費を福利厚生費にするには

  • 個人会員ではなく、事務所や法人が会員になること(従業員が個人会員になって、あとで経費精算するようなやり方は、従業員の給与とされて税金がかかってしまいます)
  • 全ての従業員が差別なく自由に利用できる環境にあり、このことを明確にするためにスポーツクラブ利用規程を作っておく。
  • いつ、誰がスポーツクラブを利用したのかが分かるように記録して残しておく

 

意見はいろいろ

個人事業主や役員のスポーツクラブの会費を経費にできるかどうかについては、ネットで調べても色んな意見が出てきます。税理士の間でも、経費にできない派と経費にできる派にわかれています。

私見ですが、個人事業主や会社を代表する役員のスポーツクラブの会費は福利厚生費として経費にできません。福利厚生をする側とされる側が実質的に同一であるからです。税務署は形式ではなく実質で判断します。

 

経費にする裏ワザ

スポーツクラブの会費をフリーランス・個人事業主、法人役員の福利厚生費にはできませんが、その他の経費にできる可能性があります。福利厚生として仕事へのモチベーション、労働意欲を高めるためにスポーツクラブに行くのではなく、仕事の受注など直接の業務のために行くのです。

例えば・・・

高級商材を扱っており、高級スポーツクラブの会員になって、そこの会員間のコミュニテイから仕事を受注するため。この場合は交際費になるかもしれません。

スポーツ用品をスポーツクラブに卸すことを目的に、そのスポーツクラブに通ってスタッフとの親睦をはかるため。この場合も交際費になるかもしれません。

などなど、福利厚生ではなく、業務目的でスポーツクラブに通っており、その事を税務調査の際に説明して調査官を納得させることができれば、経費と認めてくれるかもしれません。スポーツクラブの利用で実際に仕事の受注を受けるなど、成果が上がっていれば説得力も増すでしょう。

 

おわりに

スポーツクラブの会費を経費にするのは難しいですね。
私もスポーツクラブの会費は会社の経費ではなく自費で払っています。

スポーツクラブつながりで、よろしかったら下記ページも参照ください。
なぜスポーツジムには週1回の定休日があるのか
返金保証のダイエットジムに思うこと

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

使用人への食事代で節税(フリーランス・個人事業主、法人)

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、役員や使用人への食事代食事代を必要経費、損金にして節税する方法を紹介します。
役員や使用人への食事代で福利厚生に役立てるとともに節税しましょう。

残業食事代による節税については、残業食事代で節税を参照ください。

 

役員や使用人への食事代

役員や使用人に食事を提供した場合、食事代の全額について提供した側であるフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になります。対して、提供された側である役員と使用人は現物給与とみなされて、税金(所得税)がかかってしまいます。

しかし、一定の条件のもとで役員や使用人に食事を提供した場合、食事を提供された役員や使用人に税金(所得税)が課されることはありません。もちろん食事を提供したフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になることには変わりありません。

このように、食事の提供を受けた場合は原則として給与とみなされて課税されます。しかし、条件を満たせば、福利厚生費等や社内交際費となり給与として課税されない場合があります。

 

役員や従業員に税金(所得税)が課されない食事代とは

下記の条件を2つも満たした食事代は、役員や使用人に税金(所得税)が課されません。

  1. 食事の提供を受ける役員や使用人が食事代の半分以上を負担している
  2. 食事を提供するフリーランス・個人事業主、法人の1か月1人当たりの負担分が3,500円(税抜き)以下である。事業主負担分 = 食事代 - 役員・使用人負担分

この要件を満たさない場合、食事代から役員・使用人の負担分を差し引いた金額が給与とみなされ、税金(所得税)がかかってしまいます。

例えば・・・

会社から使用人に提供した食事代が1か月当たり5,000円で、そのうち使用人の負担分が2,000円の場合、条件(2)は満たしていますが条件(1)を満たしていません。
したがって、食事代5,000円と使用人の負担分2,000円の差額である3,000円が、給与とされて税金(所得税)がかかってしまいます。

会社から使用人に提供した食事代が1か月当たり9,000円で、そのうち従業員の負担分が5,000円の場合、条件(1)は満たしていますが条件(2)を満たしていません。
したがって、食事代9,000円と使用人の負担分5,000円の差額である4,000円が、給与とされて税金(所得税)がかかってしまいます。3,500円分は認められ、オーバーした500円分だけ認められないのではなく、4,000円の全額が認められないことに注意してください。

 

食事代とは

食事代とは、下記の金額をいいます

  1. お弁当などを買って使用人等に提供している場合には、お店に支払った金額
  2. 社員食堂などで会社が作った食事を使用人等に提供している場合には、その食事の材料費など食事を作るために直接発生した費用の合計金額

 

注意するポイント

節税として役員や使用人への食事代をつかう場合、いくつか注意するべきポイントがあります。

一部の使用人のみに提供するのではなく、全ての使用人等に平等に提供しなくてはいけません。

出前やコンビニなどの弁当、ファーストフード、ファミリーレストラン、普通の飲食店など一般常識として残業食事代と考えられるも価格、場所、モノのが該当します。高級仕出し弁当やお酒がメインとなる居酒屋などはダメでしょう。

あくまで食事の提供なので、個人事業主、会社側が食事を用意して提供しなくてはいけません。会社で弁当を買ってきたり、一緒に食べに行って支払いを行うことを言います。
食事手当として毎月の給料に上乗せしたり、残業の度に食事代として現金を渡すと、給与とみなされて、受け取った側に税金(所得税)がかかってしまいます。
個人事業主、会社側が食事を用意できない場合は、使用人など本人が買った弁当、ファミリーレストランのレシートと交換で後日精算すれば良いでしょう。レシートは購入した品名や時間が刻印されているため、証拠能力は高いです。

 

個人事業主本人や会社役員の残業食事代はどうなるのか?

個人事業主本人や会社役員の残業食事代は、ケースバイケースで税務署により判断が分かれるところです。
個人事業主の本人のみ、1人株式会社の社長のみといった場合は認められないことが多いようです。
会社の役員の場合は、建前上会社から給料をもらっている立場であるため、使用人と同じ条件で食事の提供を受けている場合は認めてくれるかもしれません。

 

経理処理

経理処理について、勘定科目は福利厚生費などを使えばよいでしょう。他の経費と同様にレシートや領収書はしっかり保管しておいてください。

 

おわりに

使用人の食事代による節税は、簡単なようで注意するポイントが多くあります。実際の運用については税理士に相談するといいですよ。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

残業食事代で節税(フリーランス・個人事業主、法人)

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、残業をしたときの食事代を必要経費、損金にして節税する方法を紹介します。
残業食事代で従業員の福利厚生に役立てるとともに節税しましょう。

残業時ではなく、例えばランチなどの従業員への食事代による節税については、従業員への食事代で節税を参照ください。

 

 

残業食事代

従業員等に食事を提供した場合、食事代の全額について提供した側であるフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になります。対して、提供された側である従業員等は現物給与とみなされて、税金 ( 所得税 ) がかかってしまいます。

しかし、残業した(通常の勤務時間を超えた)従業員等に食事を提供した場合、食事を提供された従業員等に税金(所得税)が課されることはありません。もちろん食事を提供したフリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になることには変わりありません。

 

 

注意するポイント

節税として残業食事代をつかう場合、いくつか注意するべきポイントがあります。

出前やコンビニなどの弁当、ファーストフード、ファミリーレストラン、普通の飲食店など一般常識として残業食事代と考えられるも価格、場所、モノのが該当します。高級仕出し弁当やお酒がメインとなる居酒屋などはダメでしょう。

残業とは、職場で定められている勤務時間を超えた場合を指します。例えば18~26時が勤務時間のサービス業で22時に夜食を提供しても、勤務時間内なので残業食事代にはなりません。

食事の提供は、残業中だけでなく残業が終わったあとでもかまいません。しかし、残業後に飲み屋さんに行って飲食するのは、残業食事代の範囲を超えています。税務調査で交際費や給与にされてしまう可能性が高いです。

その職場で定められた勤務時間を超えているかどうかで判定するので、労働基準法による制限 ( 8時間、週40時間など ) は関係ありません。

 

あくまで食事の提供なので、個人事業主、会社側が食事を用意して提供しなくてはいけません。会社で弁当を手配したり、一緒に食べに行って支払いを行うことを言います。
食事手当として毎月の給料に上乗せしたり、残業の度に食事代として現金を渡すと、残業食事代ではなく給与とみなされて、受け取った側に税金(所得税)がかかってしまいます。
個人事業主、会社側が食事を用意できない場合は、従業員など本人が買った弁当、ファミリーレストランのレシートと交換で後日精算すれば良いでしょう。レシートは購入した品名や時間が刻印されているため、証拠能力は高いです。

 

 

個人事業主本人や会社役員の残業食事代はどうなるのか?

個人事業主本人や会社役員の残業食事代は、ケースバイケースで税務署により判断が分かれるところです。

個人事業主の本人のみ、1人株式会社の社長のみといった場合は認められないことが多いようです。従業員と一緒に残業中にお弁当を食べたり、残業後に食事をするというような場合は認めてくれるでしょう。

 

 

残業食事代の経理処理

勘定科目は福利厚生費などを使えばよいでしょう。他の経費と同様にレシートや領収書はしっかり保管しておいてください。また、残業したことを確認できるように、タイムカードや出勤簿も残しておく必要があります。

 

 

おわりに

残業食事代による節税は、簡単なようで注意するポイントが多くあります。実際の運用については税理士に相談するといいですよ。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

税務調査-調査対象の決め方,目をつけられる会社-1

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

税務調査における調査対象の決め方、目をつけられる会社について説明します。
税務署は、やみくもに調査する会社を決めている訳ではありません。予算と人員が限られている税務署において、効果的かつ効率的に調査を行うために、ある程度の法則にしたがって調査する会社を選んでいるのです。

 

税務調査をする会社の決め方

税務署は、税務調査をする会社をどうやって決めているのでしょうか。
税務署が管轄する法人は全国で270万社あり、そのうち調査が入るのは約6%です。

税務署では、国税総合管理(KSK)システムというシステムを使って提出された申告書の異常値を見つけて選定します。多額の特別損失や特別利益がある、売上の急増急落、利益の急増急落、利益率の変化がある会社、同業同規模他社と比較して売上や利益が少ない(経費が多い)会社などをピックアップして調査先の候補とします。

 

税務署における法人の区分

税務署では法人を下記のように区分して調査対象を選ぶ参考にしています。

  1. 第1グループ(申告良好法人):申告と納税が良好な法人
  2. 第2グループ(その他法人):申告良好法人、要調査法人以外の法人で大半の会社はここに区分されます。
  3. 第3グループ(要調査法人):過去に不正があった法人、取引先の不正に加担した法人、税務署などが指定した重要業種法人など

 

調査先を決める基準はさまざま

税務署が調査先を決めるのは、先に説明したKSKシステムからのみではありません。さまざまな基準があり、例えば下記のような事が参考にされます。

儲かっている業界や流行の業界には調査が入りやすく、不況業界、斜陽業界には入りづらいようです。

また税務署としてその年に重点的に調べる業界を挙げて調査に入ることもあります。昨今の例ではFXやアフィリエイト、せどり、インターネットオークションで利益を得ている個人ですね。数十万円の利益でも税務調査は入ります。追徴課税で儲けた分が全て持っていかれることもあります。税務署はインターネットに弱い、自分は少額しか稼いでないからバレないと思う人も多いようですが、それは大間違いです。サーバーから履歴を抜き取ったり、PCのハードディスクを復元して消したデータを見つけるといったことは調査において普通に行います。ちゃんと申告して納税しましょう。

税務署では普段から色んな角度から情報を収集しており、その資料からも選定しています。あそこの飲食店は繁盛しているが売上が少ない、あの人は最近豪邸を建てたが、そのお金はどこから来ているのか、マスコミ等で話題になっている会社や最近派手に宣伝している会社があるが儲かっているのかなど、調査官は普段からアンテナを張り巡らせています。

現金商売の会社も税務署は大好きです。

会社ではなく社長さんに大きなお金の動きにも高い関心を持っています。

過去の税務調査で不正が見つかった会社には調査が入りやすいです。また過去の税務調査で不正が見つかった会社と取引している会社にも調査が入りやすいです。関係会社間の取引や海外取引が多い会社も調査官は気にしますね。

土地建物を売った買ったという不動産取引を行った、大きな投資を行った、多額の資金調達をした会社にも調査が入りやすいです。会社ではなく社長さんに大きなお金の動きがあった場合も対象になりやすいですね。

新たに設立された法人においては、3期終わるまで調査は入らず、4期以降に調査を行うことが多いです。通常の税務調査では過去3期分の調査を行いますが、設立して間もない会社だと3期分の調査ができずに非効率であるためです。

すでに払った法人税や消費税、所得税など返してもらうとき(還付)には税務署で審査されますが、特に消費税の還付を行った会社については審査から税務調査につながることが多いです。

3年ごとに行われるといわれていますが、毎年行われる場合も、5年目の忘れた頃に行われる場合もあります。

 

 

税務調査の関連ページ

税務調査につきましては、下記の関連ページも参照ください。

 

 

 

おわりに

税務調査をする会社の決め方はさまざまな視点がありますが。ひとことで言うと「なんか怪しい」という会社を狙って調査をしています。

税務調査-調査対象の決め方,目をつけられる会社-2」も参照ください。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。